風の谷のナウシカ(ワイド版)(3) の商品レビュー
映画とは違った厳しい物語に、驚くばかりだ。次々に展開していく様に理解が追いつかないほどだ。たくさんの死を踏み越えて、前に進む。土鬼のマニ族の僧正が亡くなった。その儒者だった女子は。娘のケチャだった。 ケチャは悲しみの中で「死んでしまったら、何にもならないじゃないか」と訴える...
映画とは違った厳しい物語に、驚くばかりだ。次々に展開していく様に理解が追いつかないほどだ。たくさんの死を踏み越えて、前に進む。土鬼のマニ族の僧正が亡くなった。その儒者だった女子は。娘のケチャだった。 ケチャは悲しみの中で「死んでしまったら、何にもならないじゃないか」と訴える。ペジテのアスベルは、ケチャの悲しみを理解しつつ、自らも国を失った者として共感を示す。しかし、ケチャはアスベルとナウシカに対し怒りをぶつける。なぜ王蟲の培養槽を破壊しようとしたのか。それがいちばんの問題のようにケチャは考えていた。 僧正は「深い心の持ち主であり、僧会のやり方に身をもって立ち向かった。生命をいじくり、王蟲を弄ぶことは腐海を怒らせ、人間の滅びを早める」と言われた。 剣士のユパは、「火の七日間に至る時代には、生命の源を操る技術が存在したとされる古い伝承がある」と語る。アスベルはユパと共に土鬼の聖都シュワに向かう。その大僧院は神聖皇帝の墓所でもあり、生命を操る技術が深く伝承されている。ペジテのアスベルは巨神兵の化石は知っていたが、超硬質セラミックの骨格を持つ巨神兵を発見する。箱に秘石を同じ形状の穴に移動させると、巨神兵は筋肉や体を形成し始めたため、アスベルは急いで秘石を外した。 一方、アスベル、ユパ、ケチャは土鬼に撃ち落とされ、森の人に救われることとなる。 土鬼の皇弟ミラルバは、土鬼の実質的な統治者で、超常的な力を持ち、人の心を読むことができる。土鬼諸侯国は聖都シュワを中心にした皇帝領、7つの大侯国、20余の小侯国、そして小部族国が集まったものだった。土鬼諸侯国連合はトルメキアを占領しようとした。 土鬼と戦うクシャナは、自分がトルメキアの兄たちによって殺されようとしていることを察知する。クワトロがその役割を担っていたことに気づいたクシャナは、誰が自分を狙っているのか問う。答えはトルメキアのヴ王であった。父親が、わが娘を殺そうとしていることに怒りと悲しみを覚える。 土鬼は人工的な森を使い、蟲を操って瘴気を発生させ、トルメキアの第三軍を全滅させる。クシャナは自分の兵士たちを助けに入るが、ナウシカは一体何が起こっているのかを考え続ける。 トルメキア軍は、最南端拠点である土鬼サバタ土侯国の都城に到着する。土鬼は音を鳴らし、狂ったように踊り狂い、皇弟ミラルバが戻ってくる。王蟲の血の色の青い装束を纏った娘ナウシカが現れる。 ナウシカは「なんという戦争だ。いかがわしい正義すらかけらもないとは。滅びの道を急いでいることに気がつかないのか」と言う。思わずプーチンにその言葉を聞かせたくなる。激しい戦闘の中で、ナウシカは窮地に陥るが、カイの活躍によって無事に抜け出すことに成功する。 クシャナは「ナウシカ、お前はお前の道を行くがいい。それも小気味良い生き方だ。私は私の血みどろの道を行く。親兄弟と殺し合う呪われた道をな」とつぶやく。 腐海の迫る危機とナウシカの生き方、クシャナの生き方、全く違う環境があり、それぞれ選択する生きる道も違う。ナウシカとクシャナはもがき、苦しみ、そして、正解なき生き方を模索する。あまりにもたくさんの試練が次から次に生まれるが、生き延びようとする姿勢や立ち向かう姿は同じだ。
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3巻からはアニメ映画版の内容を離れ、戦記ものという様相が濃くなっていく。 ナウシカは戦うことに動揺しながらも頼もしくなっていき、クシャナには読者としてどんどん心酔していく。 クロトワは彼自身の思惑で動いておりこの時点でグレーな人物だけど、見せ場ではちゃんとかっこいい。 森の人はこの巻で初登場。ユパ様一行の進展は少ない。 以下はメモ。 - クシャナをワナにかけたのは父君ヴ王であることを白状したクロトワは言葉では寝返ったような、でもまだなにか腹に一物ありそうな、グレーな立場で話が進んでいく。でも、「これよりわが艦は 軍の指揮下をはなれる!」宣言はかっこよかった。 - 泣きわめく幼児を預けられたクシャナの表情がかわいい。 - 服を青く染めた王蟲の血に、蟲たちの怒りを鎮める力があることがわかる。 - 瘴気を吸い込んだ兵(セトル)を助け、兵たちから信頼を得ていく。 - 第三連隊の最期を見届ける。 - 腐海の森に落ちたユパ様一行の元に、森の人が現れ助けてくれる。 - 皇弟ミラルパの沐浴 - ストーリーテラーのひとりとしての僧官 - ドルクの子を小麦1袋で捕虜へ渡す - ナウシカは捕虜の解放と引き換えに作戦に引き入れられる - 鳥馬カイの死去、丁重に葬れとクシャナ
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息子10歳2ヶ月 息子が喜びそうな本を、母が選んで図書館から借りてきています。時々息子リクエストの本も。読み聞かせほとんどしなくなりました。母はサミシイ。 読んだ◯ 好反応◯ 何度も読む(お気に入り) ◯ 「また借りてきて!」「続き読みたい!」◯ その他 今日も音読が止まらな...
息子10歳2ヶ月 息子が喜びそうな本を、母が選んで図書館から借りてきています。時々息子リクエストの本も。読み聞かせほとんどしなくなりました。母はサミシイ。 読んだ◯ 好反応◯ 何度も読む(お気に入り) ◯ 「また借りてきて!」「続き読みたい!」◯ その他 今日も音読が止まらない。 『ナウシカ』読んで、漢字の勉強にもなっているらしい。
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腐海から離れたところに現れた瘴気のかたまり、腐海に住む森の人…。謎は深まるばかりだ。 ナウシカは、その優しさと勇気で、周囲の人たちの心をつかんでいく。 そして、カイの死には泣きそうになった。
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アスベルがユパに語るペジテ市の巨神兵。クシャナに見抜かれていたクロトワ。人工的な枯れた森と腐海から遠い場所の瘴気。ナウシカに似た雰囲気を持つ「森の人」。土鬼の皇弟ミラルパは「青き衣の者」をつみとれと命ずる。ナウシカの不思議な魅力はクロトワでさえも心ならず心配して走り回らせる。クシャナに捕虜の解放を求めるナウシカ。ナウシカを必死で守るテトとカイ…。
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第2巻までで映画で描かれていた部分がほぼ終わり、この巻からは、漫画版オリジナルの内容になっていく。皇弟の降り立った前線に、クシャナとナウシカが駆ける。
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1度読んでも3割くらいしかわからない。 何度かナウシカのチコの実口移し場面と毒に侵された血を口で吸い取る場面が出てくる。 感染症を経た現代では口でやりとりするなど想像つかないから変な目で見てしまったところがあるが、戦地ではそれが効率的なのだと思った。 生き残った幼児2人と、毒に侵...
1度読んでも3割くらいしかわからない。 何度かナウシカのチコの実口移し場面と毒に侵された血を口で吸い取る場面が出てくる。 感染症を経た現代では口でやりとりするなど想像つかないから変な目で見てしまったところがあるが、戦地ではそれが効率的なのだと思った。 生き残った幼児2人と、毒に侵された青年を助ける場面だ。 これが戦場だ、子ども2人助けたところで変わらないというようなことを言う場面が辛かった。 絶望の中でもクシャナと協力して戦うナウシカ。 そしてナウシカの力で回復する命。 また読み返して色々わかるんだろう。 鳥みたいなのに馬と呼ばれるカイちゃん。瀕死からナウシカを連れて逃げて偉すぎた。
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【あらすじ】 マニ族の僧正に、失われた大地との絆を結ぶ「青き衣の伝説」の実現だと予言されたナウシカは、再び戦役に参戦。一方、王蟲の大群は南へと向かう。大海嘯を予感したナウシカはそれを追うのだが…。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 感想は最終巻にまとめて記載予定です。
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カイが死んでしまった… 戦争という醜い行いが嫌い。 どこかで読んだ、宮崎駿が『人間なんて滅びればいい』的な発言、本当にそう思う。漫画でも現実世界でも。誰のものでもない土地を血眼になって奪い合って、関係のない動植物を散々利用して殺す、いつまで経っても愚かで傲慢な人間。
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宮崎駿著『風の谷のナウシカ3(アニメージュコミックス. ワイド判)』(徳間書店) 1985.1発行 2017.1.15読了 土鬼の聖都シュワに眠る旧時代の技を用いて蟲や森を戦争に利用していることが判明し、ユパやアスベルもナウシカがいる南へと向かう。その頃、ナウシカは南進を続け...
宮崎駿著『風の谷のナウシカ3(アニメージュコミックス. ワイド判)』(徳間書店) 1985.1発行 2017.1.15読了 土鬼の聖都シュワに眠る旧時代の技を用いて蟲や森を戦争に利用していることが判明し、ユパやアスベルもナウシカがいる南へと向かう。その頃、ナウシカは南進を続ける途中で、土鬼の捕虜釈放を条件に第三軍主力の脱出のための戦闘に参加する羽目に。3巻目は何といっても、このトルメキアの奇襲攻撃シーンが圧巻だ。ナウシカの葛藤とは裏腹に、ナウシカはどんどん戦争に巻き込まれていき、必要に迫られて土鬼人まで殺してしまう。土鬼人を救うために土鬼人を殺すという矛盾した行動に、自分がナウシカの立場だったら、精神が崩壊してしまいそうだ。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000002371750
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