風の谷のナウシカ(ワイド版)(6) の商品レビュー
第5巻の最後の方で、ナウシカは王蟲に話しかける。「王蟲 わたしよ 覚えてくれてる。王蟲 このまま進んでみんな死ぬつもりなの。なぜ?あの(粘菌)変異体は人間が作り出したものよ。人間のせいよ。すべて。なのに どうしてあなた達が死ななきゃならないの。粘菌はきっとあなた達を全部食べてし...
第5巻の最後の方で、ナウシカは王蟲に話しかける。「王蟲 わたしよ 覚えてくれてる。王蟲 このまま進んでみんな死ぬつもりなの。なぜ?あの(粘菌)変異体は人間が作り出したものよ。人間のせいよ。すべて。なのに どうしてあなた達が死ななきゃならないの。粘菌はきっとあなた達を全部食べてしまうわ」 「虚無」はナウシカにいう。王蟲も粘菌も、人間が汚したこの星をきれいにするために作られた。浄化のためだ。自分の足元を見ろ。死者ばかりじゃないか。お前は人間の大人だ。呪われた種族の血まみれた女だ。ナウシカは、その言葉に納得しかける。そして、王蟲は地球の浄化のために死のうとしていることを知るナウシカ。ナウシカは「わたしも木になれれば」と思う。そして、ナウシカは王蟲の中に取り込まれてしまう。 このナウシカの木になるという発想がなぜ起こったのか?謎に近い。自己犠牲の精神の発揮か? 第6巻 森は消え、王蟲は死に絶え、粘菌は合体し、互いに食い合い、急速に成長し、根を張り、太陽が出れば、森が始まる。人間が世界の調和を崩すと森は大きな犠牲を払って取り戻す。不毛の土地、そして王蟲の死、粘菌達の復活によって、新しい自然が構築される。 チククは念話を使っても、ナウシカの意識を感じなくなった。死んだのではないかと思う。僧官のチャルカとチククはナウシカの最後の痕跡を足掛かりに行方を探す。 「森の人」セルムの力を借り、オウムの漿液に包まれたナウシカを見つける。オウムの漿液は、ナウシカを救ったが、その意識は自身の精神世界に閉じ込められてしまった。ナウシカは王蟲の心の深淵まで覗くことができた。漿液は酸素を与えるので、瘴気が充満していても森の中でも生き延びることができる。セルムはナウシカを包んでいる漿液の中に飛び込む。森の人セルムは思いやりがある。 ユパは、サボテン姿のヒドラの住んでいるところに閉じ込められる。そこにはヒドラ使いがいて高周波の音でヒドラを操っていた。ヒドラの食事の仕方がユニーク。ユパはヒドラ使いを倒す。ヒドラは暴れ始め、共食いを始める。ユパは旗艦の外の壁に逃げる。そして、ナウシカのメーヴェをはるか彼方に見る。ナウシカは生きていたと思う。旗艦には、皇弟のミラルパの魂は、メーヴェに飛んでいく。 空には僧会の船がたくさん飛び、旗艦から、ナムリスは宣言する。「我が名は神聖皇帝ナムリスなり。皇弟ミラルパは死んだ。僧会の大権は失効した。われに忠誠を誓うものは従え。反逆者は撃沈する」という。僧官は、セルム、チクク、ナウシカを残して、修羅の庭に戻った。僧官は、何のために戦うのかを理解し始める。そこに、クワトロとクイがやってきた。 ナウシカは、意識が戻る。ナウシカは、森の中に向かい、森の人セルムにあい、以前助けた王蟲に会う。王蟲達は喜んで歓迎する。腐海の尽きるところまで、ナウシカは来た。そこは、世界が蘇った。そして、皇弟は喜んで自然の中に消えていった。ナウシカは、復活した。 トルメキア王国の王都トラス。国王が進軍を始める。 風の谷では、ナウシカの弟テパが、メーヴェで飛ぶことを始める。落ちそうになると、ナウシカの「風を見るのよ。鳥になったつもりで」。風の谷では次のリーダーが生まれる。 ナウシカとチククは、土鬼の国に向かう。土鬼の集結している場所、僧官が縛り付けられている岩に向かい、ナウシカは僧官を助け出す。土鬼の民は、ナウシカの登場で、ナウシカに従う。 まだ発育途中の巨神兵が登場する。ナウシカは、「憎悪と復讐は何も生み出さない。憎しみより友愛を。」という。ナウシカは自然との共存を願う。争うことを避け、平和の大切さを伝えようとする。ナウシカの自立した精神が、周りの人々を巻き込んでいく。 ヒドラは、土鬼の群衆に襲い掛かり、戦いが始める。マニ族がナウシカに従った。そして、巨神兵の秘石がアスベルから、ナウシカに渡される。巨神兵は、その秘石を持つナウシカをママと呼び、ママを守る。皇兄ナムリスの考えていた巨神兵の在り方と大きく違うことになる。 皇兄ナムリスは、過去の戦争や環境の破壊に対して」、深い悲しみと怒りを抱えており、その感情がナムリスを支えている。ナムリスがナウシカに語ることによって、何が対立点であるか、そして人間の闇を誰しも抱えていることを明らかにする。 第6巻は、ナウシカの復活。ヒドラ、巨神兵の登場。ナウシカは、皇兄ナムリスと戦う。
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ナウシカは、皇弟にも蟲使いにも愛情を向ける。 王蟲と一緒に森になろうとするくらいに、蟲や腐海の植物たちを愛しているけれども、それと同時に、汚れた人間の世界も愛しているのだ。 そしてもしかしたら、人間の限界にも気が付いているのかもしれない。 1000年たって浄化された世界で、人間は...
ナウシカは、皇弟にも蟲使いにも愛情を向ける。 王蟲と一緒に森になろうとするくらいに、蟲や腐海の植物たちを愛しているけれども、それと同時に、汚れた人間の世界も愛しているのだ。 そしてもしかしたら、人間の限界にも気が付いているのかもしれない。 1000年たって浄化された世界で、人間は生きることができない。
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ナウシカを探しに出るチククとチヤルカは森の人セルムと出会い,王蟲の漿に包まれたナウシカを発見。チヤルカはセルムにナウシカを託し,死を覚悟して土鬼の都へ帰る。一方,ミトたちと一緒にいたクロトワは何故かクイに連れられナウシカの元へ導かれる。ナウシカは内なる森でセルムに案内され道を決める。セルムに「闇から生まれた」と言われた土鬼の皇弟を自分の一部だと思えるナウシカは,只者ではない高潔な心の持ち主であると思わされた。クイの子コリヤがかわいい。風の谷とナレ族の幸運な出会いと裏腹にトルメキアはシュワに侵攻し,ナウシカは土鬼のトルメキア侵攻を思いとどまらせようと出発する。ナウシカを母親と思って慕う巨神兵。
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涙がとまらないナウシカと一緒に、ただひたすらに涙がとまらない。 闇から来た土鬼を一緒に連れて行くナウシカの姿が、カオナシを連れる千尋と重なった。
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映画を初めて観たときは、子どもだったこともあって、どこか難しい印象を受けた。 理解できるところと、できないところの隔たりをものすごく感じる作品だったように今では思う。 とても神聖で、人類にとって、私たちにとって、生きるということにとって、うまく言えないけれど、意味のある作品なの...
映画を初めて観たときは、子どもだったこともあって、どこか難しい印象を受けた。 理解できるところと、できないところの隔たりをものすごく感じる作品だったように今では思う。 とても神聖で、人類にとって、私たちにとって、生きるということにとって、うまく言えないけれど、意味のある作品なのだろうなぁ…というようになんだかうやむやに感じたけれど、そんなもの、ほんの序の口だった。 こんなに深い話だったなんて、大人になってから読むことができたことに感謝する。
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【<気候征服>を考える自由研究】(3) 「でも今の人間が知ったら、また自分たちが世界の主人だと思いはじめる」 『風の谷のナウシカ』第6巻より ***以下ネタバレを含みます ここまで2回に渡り、気候を支配しようとする人類の命運を考えてきましたが、この問題を突き詰めていくと、いわ...
【<気候征服>を考える自由研究】(3) 「でも今の人間が知ったら、また自分たちが世界の主人だと思いはじめる」 『風の谷のナウシカ』第6巻より ***以下ネタバレを含みます ここまで2回に渡り、気候を支配しようとする人類の命運を考えてきましたが、この問題を突き詰めていくと、いわゆる「環境倫理学」になるようです。 レイチェル・カーソンさんの『沈黙の春』とか、いわゆるガイア理論とか宇宙船地球号とかですね。わずかな変化が重大な事態を引き起こすというバタフライ効果も見逃せません。ただ、ここまでくるともう自分の手には負えません…。 本当に地球のためを考えるのならここだけの話、人間は存在しないほうがいいのかもしれません。 *** 本作は民族や戦争、自然、哲学などいろいろな要素やテーマが複雑に絡みあう大作ですが、科学が地球を征服しようとした一つの結果、という側面も持っていると思います。 環境や自然を改変しようとした人間が滅びる内容は、もうすでに「未来の神話」であり、そこから学ぶべきものは多いと思います。 おわり
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庵野秀明さんによると「宮さんの作品は絵コンテ段階が最も(宮さんの)理想に近い」という(「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」より)。映画製作では完成に近づくほどにその純度が下がる宿命にあると。 そういう意味では本シリーズは宮崎駿さんの最高純度作品と言える。ナウシカから始ま...
庵野秀明さんによると「宮さんの作品は絵コンテ段階が最も(宮さんの)理想に近い」という(「コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと」より)。映画製作では完成に近づくほどにその純度が下がる宿命にあると。 そういう意味では本シリーズは宮崎駿さんの最高純度作品と言える。ナウシカから始まるジブリ作品に登場する躍動感あるキャラクターの原型もたくさん登場する。まったく古くならないマスターピース。
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王蟲の粘液に包まれ意識不明となったナウシカ。暗闇の中で彼女は”森の人”と呼ばれる種族の少年セルムと出会い、自身の心象風景を旅することに。慈悲深いナウシカは土鬼の皇弟ミラルパの怨霊を一緒に連れてきてしまうが、大地が浄化され草木が茂り、マスクなしで空気が吸える1000年後の世界にたどり着いてミラルパの魂は成仏する。ナウシカは夢のような光景に涙しつつもそこをまた人間が汚してはいけないと立ち去り、彼女の魂は肉体へ戻り目を覚ます。そばにはセルムとチクク、偶然近くに停泊していてトリウマのクイに連れられてきたクロトワがいた。風の谷のガンシップに乗せていたクイの卵からヒナがかえり、それを追いかけてきたミトたちはついにナウシカと再会する。大海嘯が終わり新しい朝の光と共に腐海の植物が育ち、クイの子どもが生まれたことがすでに新世界の始まりを象徴している。 ナウシカは罰を受けるとわかっていながらあえて土鬼に戻ったチヤルカを助けるため、チククと共に大混乱の民衆の中へ出て行き平和と友愛を訴える。その神がかり的な力によって彼女がどんどん神格化されていき、宗教とは人間が心の支えとしてすがりたいものがほしい時に生まれるのだと実感する。 そこへ土鬼の神聖皇帝ナムリスが巨神兵と共に現れ、駆けつけたアスベルから巨神兵の鍵である秘石を受け取ったナウシカはメーヴェで単身ナムリスのいる船へ乗り込んでいく。 ついに巨神兵が目覚め最終決戦へと突入する。ナウシカの心象風景の旅に多くのページを割いているが、最後は大混戦に。静から動へ。クライマックスに向けて、平和を勝ち取るための戦いが始まる。
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ナウシカは深淵で、ミラルパを解放し、眼ざめ、蟲使いを連れる。 ここにクシャナの兄ふたりが加わる。 巨神兵にアレを渡すと、ヤッパリアナタハワタシノママダッタ。
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大きな闇に直面し、瀕死になるナウシカ。 精神世界の中、森の人に導かれ青き清浄なる世界の果てを見出す。 現実世界は存亡の危機に直面しているにも関わらず続く戦争。 部族間の争いは憎しみから激しさを増し、お互いを殺し続ける。 そんな中、ついに世界を火の七日間に陥れる最終兵器が世界に解き...
大きな闇に直面し、瀕死になるナウシカ。 精神世界の中、森の人に導かれ青き清浄なる世界の果てを見出す。 現実世界は存亡の危機に直面しているにも関わらず続く戦争。 部族間の争いは憎しみから激しさを増し、お互いを殺し続ける。 そんな中、ついに世界を火の七日間に陥れる最終兵器が世界に解き放たれた・・・
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