風と木の詩(中公文庫版)(1) の商品レビュー
想像していた以上にボリュームがあり、存分に物語を夢中で読み進めることができた。登場人物のそれぞれの背景がしっかり描きこまれていて、最終巻を読んだ時、それぞれの気持ちが胸に迫り来て苦しかった。 愛も形はひとつではないんだなあとしみじみ。読んでよかった。
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BLの原点と言われ名作と名高い作品だけに、前から気になってはいたのだけれど、今回やっと手に取った。・・・驚いた。内容の苛烈さに。これを少女に読ませるとか、刺激が強すぎませんか。この時代の少女漫画どうなってたんだ。とにかくイタイ。少年の潔癖さとか、肉欲に振り回される戸惑いとか、内面...
BLの原点と言われ名作と名高い作品だけに、前から気になってはいたのだけれど、今回やっと手に取った。・・・驚いた。内容の苛烈さに。これを少女に読ませるとか、刺激が強すぎませんか。この時代の少女漫画どうなってたんだ。とにかくイタイ。少年の潔癖さとか、肉欲に振り回される戸惑いとか、内面をえぐりまくっていて、これを幼少期に読んでいたら、その後の嗜好に大変な影響を受けかねない。 何故かこの本は1巻読み切りだと思い込んでいたため、2巻に続くのみならず、全15巻の長編だったことにも(勝手に)驚いた。
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あまりにも衝撃だったので思わず長文感想。 この作品、度々タイトルを目にする機会があり、ずっと気になっていました。BLだけでなく近親相姦やレイプなど様々なタブー要素を含んでいる作品でもあるので、読んでいいか迷う作品でもありました。 まあでも昔のマンガだし皆が言うまでのタブーも今ほどではないだろうと思って読んだ。そんなことはなかった。 途中までは、ベッドシーンの多さや禁断の関係に、背徳感を感じずにいられませんでした。 しかし主人公のジルベールとセルジュの二人がどうなるか、気になって途中で切ることは出来ずに淡々と読み進めました。残すところ4分の1ぐらいでしょうか。徐々に辛くなり始め、でも止まらずいっきにラストを駆け抜けた。ラストを読んだ直後はもう放心というか、ぼんやりとしていました。翌日、急にジルベールが楽譜を買うコマが浮かび、彼や登場人物達の心情変化を追い始めるともう切なくてなんて苦しい物語だったんだ……とその日もう作品のことで頭がいっぱいでした。 この物語は大衆の感動を誘うためだけにタブー要素を使っていない。むしろ大衆の感動誘う要素として扱っているならあまりにも乱暴、もうこれ以上悲劇に遭わせないでくれと言いたくなるくらい……。 「風と木の詩」は悲劇だけで感動を媚びていないと思うのです。 悲劇から幾重もの感情が生まれ、反芻し、感情からその物事が起こる。都合の良い悲劇など一度も起こってない。すべて過去から繋がっていったものでした。その繋がりを追って、読んだ読者は涙するのだと思う。 なぜジルベールがこういう性格なのか、どうしてそんな行動をするの? そういった人物像が読めば読むほどに紐解かれてゆき、クライマックスの前では最初とは違う想いを主人公の二人が寄せ合っていると実感したあたりから読むのが辛くなる。 不透明で穢らわしい禁断だらけの要素を用いてここまで純粋な愛が描けるのはこの作品以外出たんでしょうか? 男女の恋愛だけが純粋な愛なのか、気持ちを伝える方法は言葉だけなのか、もういろんなこと考えてしまいました。 もう一度読んだら、泣く。
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嶽本野ばらのそれいぬで紹介されていて、出会い読みました。 BLという枠に入りきれないマンガです。あまりの美しさで、ジルベールになりたいと思った。高校のクラスメイトにジルベールみたいな女子がいて、憧れてました。
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人に借りながら、半年ほどで読了。 終始つらいような気がする。後半は本当につらいけれど、すべての事を収束するのはこんな答えしかないのだと感じる。 人の感想をみているとオーギュが妙に人気な気がするが、どうしても私は好きになれないな...
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凄い漫画です。 最初はジルベールだけが不幸だと思いきや、セルジュも実は 不幸な生い立ちだったのには容赦ないなと思いました(^-^;;) 昔の人は大変だよね・・・いつも思ってしまいます。 こんな気持ちにさせられたのは、砂の城以来ですね。
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全8巻の最終巻、壮絶でかつ大変美しかった。 美と愛の結晶のようなジルベールの脆く繊細だからこその輝く美しさを、自らのすべてを擲って守ろうとするるセルジュの懊悩と献身に、息を詰めて身悶えする思いだった。彼らの迎えた結末に、胸が痛むと同時に大きな安堵を覚えた。やはり現実の世には生きられなかったのだ、なるべくしてなった、これでよかったのだ、と。 美しい青い薔薇の面影を胸に抱いたセルジュの人生が、まだこれから始まったばかりだと言うことに驚き、また胸が痛む。
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さまざまな場面で泣かされました。ジルベールの生い立ちの話で泣き、セルジュの両親の話で泣き・・・。 なんといってもラスト付近で号泣です。今まで散々辛い思いをしてきたセルジュとジルベールには幸せになってほしい!と願いながら読み進めたのですが、どうしてこんなことに・・・。 最後のほうのジルベールが痛々しくて見ていられません! 読み終わったあと、しばらく立ち直れず重苦しい気分で悶々してました。ジルベールがジュールにみせた笑顔を思い出すと涙が・・・。 もう一度、初めから読み返したいです。 でも、あのラストが待ってるのかと思うとなかなかできない。
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泣ける漫画といえば、私の中では 風木とベルバラがツートップです。 何度読んでも泣けます。 耽美という言葉すら知らなかった幼かったあの日。 風木のなんと衝撃的だったことか!! ジルベール・コクトーという名前の響きは ある意味私のトラウマです。 いまではボーイズラブとか腐女子とかいってますが、 風木を読まずして男同士の愛は語れないよっ! 若い人も読みなよ!(大きなお世話か?)
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男色という括りを通り越した、もっと広いなにか。 魔性の青年とまっすぐな青年。 ある意味、ジルベールの生き方は堂々としていて心地良い。突出する勇気があるから。
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