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アドルフに告ぐ(文春文庫版)(4) の商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2022/03/03

かつての記憶に4巻で追いつく。歯医者さんの待合室の記憶です。 これを待合室に置くセンスはどう評価したものか。自分としては、「アドルフに告ぐ」と出会えたことにガッツポーズなのだけど、診察待ちの時間潰しに読む漫画ではないよなぁ、とも思う。気軽に読むテイストではないよね。 ヒトラーの...

かつての記憶に4巻で追いつく。歯医者さんの待合室の記憶です。 これを待合室に置くセンスはどう評価したものか。自分としては、「アドルフに告ぐ」と出会えたことにガッツポーズなのだけど、診察待ちの時間潰しに読む漫画ではないよなぁ、とも思う。気軽に読むテイストではないよね。 ヒトラーの秘密文書に関わってしまった人々。文書に関わったということ、ではなく戦争という狂気が多くの人々を狂わせてゆくうちの一幕でしかない、という感じがしてとても恐ろしい。アドルフ・カウフマンの変容ぶりがなにより狂気に溢れていて、読み飛ばしてしまいそうになる。 ナチスという組織の中で良心的に描かれる場面もないわけでないのだが(ロンメル暗殺の場面とか)、なんの躊躇もなく銃殺、銃撃を命じる姿は、見るに堪えない。 主役級の人々の変容以外にも、変容した社会に疑問なく適合している人々の描写も心に残るものがある。悪い意味で。レストランに来た査察委員とか、アドルフに殴りかかった酔っ払いとか。あんなことをしておきながら、戦後には態度をガラリと変えてしまうのだろうか「はだしのゲン」の町内会長のように。 変節が悪いというのではなくて、何の信念もなくふらふら流され、後悔も反省もなくのらりくらりと生きることに成功しているのが、気持ち悪いのだろうな。

Posted byブクログ

2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本作に関しては、とぎれとぎれに読むのは間違いであることに気づいた。全巻揃ったらまとめて読み直すことにしたい。

Posted byブクログ

2014/03/05

コンプレックスのある人間ほど、そのコンプレックスを刺激されないように周りをイエスマンだけで揃え、コンプレックスを刺激するような人間を抹殺していくのかも。 こういう人が権威を持つようになると悲劇が起こるんだな…って思いました。

Posted byブクログ

2013/04/29

精神的に追い詰められ、猜疑心の塊となったヒトラーに率いられる、ナチスとドイツの迷走ぶりが描かれる。 狂っていると、分かって居ながら、集団心理が増幅する熱狂の中で、凶行と錯誤の狭間で衰弱して行く、アドルフ。 舞台と役者は揃ったところで、最終巻へ。

Posted byブクログ

2009/10/04

"時代の暗黒に抵抗する者、状況におし流される者、 誠意を持ちながらもおしつぶされる者などの、 さまざまな動きを多角的にとらえ、ナチの暴虐や 特高の非人間性をあばき、戦争とは何であったかを 改めて問いかけたスケールの大きな長篇漫画" by 尾崎秀樹の解説より抜粋...

"時代の暗黒に抵抗する者、状況におし流される者、 誠意を持ちながらもおしつぶされる者などの、 さまざまな動きを多角的にとらえ、ナチの暴虐や 特高の非人間性をあばき、戦争とは何であったかを 改めて問いかけたスケールの大きな長篇漫画" by 尾崎秀樹の解説より抜粋。 ヒットラー出世の秘密文書が登場人物たちの人生や 人間関係に絡んでいる展開も面白い。

Posted byブクログ

2009/10/04

第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。...

第二次世界大戦前後、ナチスの台頭から終焉までを背景として、日本とドイツで繰り広げられる人生劇場。アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、アドルフ・ヒットラーの3人を主軸に添えた、ドイツ人、ユダヤ人、そして日本人の悲しい物語。手塚治虫作品の中でも最も頻繁に読み返す作品のひとつです。文庫本に収録されている、関川夏央による解説が秀逸。 今年2008年は手塚治虫生誕70周年。『アドルフに告ぐ』に限らず、改めて各作品が再評価されることでしょう。

Posted byブクログ

2009/10/04

思えば今や嫌われ者のユダヤ人も何千年も国を持たなかったり、ナチに殺されまくったり悲惨なことされてんだなぁと思う。これは虐待された子は自分の子も虐待してしまうという「チェイン」の人種版みたいだ。

Posted byブクログ