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天の夜曲 の商品レビュー

4.3

46件のお客様レビュー

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2021/07/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大阪での仕事に行き詰まり、心機一転富山で出直そうとする熊吾。 しかし、実際に富山に行ってみると、共同経営者の優柔不断さが気に入らず、妻子を残したまま一人大阪に戻ってしまう。 確かに事業を興すにはある程度の思い切りの良さが必要なのだろうが、ここにきて熊吾は運から見放されたかのように、やることなすことが上手くいかない。 人と金とのタイミングがことごとくずれている。 占い師の態度といい、なんだかこのまま坂を転げ落ちていくような不安に襲われてしまう。 ただ、困窮しているとはいえ、寿司屋で寿司を食べ、タクシーを使い、困っている人には金を渡してしまう。 遂に房江は自分の着物と指輪を質に入れるまでになるのだけど、あまり悲壮感がないのが人徳ということなのか。 相変わらず伸仁は体が弱いようだけど、生命力というか、人の中で生き抜いていく力は強い。 そして、同年齢の子よりもいろいろ発達が遅いようだけど、そのことに対して熊吾がまるごと受け入れているところがよい。 無理に同級生レベルに押し上げようとするのではなく、この子はそういう子なんだ、と。 ただ、人として道を間違えず、心身が健康であればいい、と。 だから伸仁は実にのびのびとやんちゃ小僧に育っている。 どうか家族三人がまた一緒に暮らせるようになりますように。

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2021/06/01

妻と子を富山に残し、大阪で再起を図る熊吾。 そんな彼に色々な試練がかかる。 伸仁と同じように幼い頃に富山で暮らした筆者にとって、富山の風景は心に刻まれているのであろう。 富山の田園風景の描写は瑞々しい。 顔面に大火傷を負った、西条あけみの描写が痛々しい。

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2021/04/29

冒頭よりまさかの富山への転居。 「運」が下降線をたどっていく感じを、歯を食いしばって好転させようともがく日々。相変わらずのテンポは心地よいが、スカッ、とできない内容ですね。 「自分の生命力を信じることが強い運というものの流れに乗るのだ」 離ればなれになる伸仁は大丈夫かな?親...

冒頭よりまさかの富山への転居。 「運」が下降線をたどっていく感じを、歯を食いしばって好転させようともがく日々。相変わらずのテンポは心地よいが、スカッ、とできない内容ですね。 「自分の生命力を信じることが強い運というものの流れに乗るのだ」 離ればなれになる伸仁は大丈夫かな?親の立場としては耐えられないなぁ。

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2020/10/25

あぁ… だんだんと松坂一家がお気の毒になってきた。    特に房江さん。 熊吾さんにはちょい腹も立つ。 歳をとったらそうなる?って。 巻末の宮本さんと児玉さんの対談を読んでさらに思う。 まだ転がり落ちるのか? あぁ… お気の毒だわ。 第五部へ

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2019/07/01

第4部のあとがきを読んで、第1部からこの4部迄執筆に20年を要した事が分った。 今既刊になっているシリーズを読んでいて良かったと思う。 多分4巻までに20年は自分にとっては耐えられないかも知れない、これは自分が置かれていた環境、人生観の辺か迄含めて考えると、同じイメージを持ち続け...

第4部のあとがきを読んで、第1部からこの4部迄執筆に20年を要した事が分った。 今既刊になっているシリーズを読んでいて良かったと思う。 多分4巻までに20年は自分にとっては耐えられないかも知れない、これは自分が置かれていた環境、人生観の辺か迄含めて考えると、同じイメージを持ち続けれる事が出来なかったんじゃないかと思う。

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2019/03/21

・2/20 読了.全く知らない土地の富山に行くなんてなんだか自分が考えてることと同じようなことやってる.結局でも心変わりしてすぐ大阪に帰ってきたのはいいけど、人に騙されて損失を被るなんて油断が過ぎるよね.昔はどこにでもある話だったんだろうけど、こういうのは.

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2017/05/10

人間はかくあるべしとやたら説教がましく道徳的。右翼の教科書にはもってこい。日教組だ共産党だとかは子供をダメにするとか・・・・熊吾の博識ぶりには恐れ入る。 沖縄の密貿易の女王「ナツコ」とはウマが合うだろか? 同じ時代を生きた男と女同士で。

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2016/12/04

はたして人の運命というのは生まれ持った天命なのか、はたまた人が手繰り寄せる人命なのか。破天荒ながら義理人情に厚い松坂熊吾を中心に、様々な人間臭いドラマが次々に巻き起こる。重厚な人間ドラマを描いた超大作。いや、何が大作って、1990年に第一部が出版されて以来、いまだに完結されてない...

はたして人の運命というのは生まれ持った天命なのか、はたまた人が手繰り寄せる人命なのか。破天荒ながら義理人情に厚い松坂熊吾を中心に、様々な人間臭いドラマが次々に巻き起こる。重厚な人間ドラマを描いた超大作。いや、何が大作って、1990年に第一部が出版されて以来、いまだに完結されてないっていうね。ちゃんと完結される日が来るのだろうか。 とりあえず4卷まで読み終えて印象に残ったフレーズ。はちゃめちゃな熊吾さんだが、こう生きて行く上でとても重要な「核」になるような発言が散りばめられてて、ハッとすることが多いのがまたこのシリーズの魅力。 ・子供ってのは、血がつながったかけがえのない存在だが、それでもやはり理解が及ばない他人でもある。だからこそ、心を砕きに砕いて分かろうとする。この他人だけども真剣に分かろうとする相手が子供。子供がが居ないとこの経験が出来ない。その結果、やはり他人に対してどうこか機微を知らん奴が多いように思う。 ・自尊心より大切なことがあることを知らにゃいかん ・この子が将来どんな素敵な子に育ち親を喜ばせるかわからん、草の根を食ってでも育てにゃいけん。

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2016/02/04

昭和31年中華店食中毒大阪から富山へ。共同経営者煮え切らなく単身大阪へ。踊り子西条あけみと関係。中古車販売順調に見えたが部下が資金持ち逃げ。息子伸人仁を富山に残し大阪へ。高度成長期

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2014/10/11

熊吾大阪に戻る。 房江とノブちゃんは富山に残る。 私的にあけみさんはけばいお姉さまだと思ってたけど意外とヤンキーっぽいところがあった。後2作で完結。

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