ソウル の商品レビュー

金聖鍾(著者),祖田律男(訳者)

2009/10/04

韓国のその昔。戦後間もなくだろうと思うけれども、風習や風俗が本物だ。
韓国人が書いた小説なので、全くのリアル。
懐かしいような田舎臭いような韓国の匂いがしてくる小説だ。
ストーリーの流れは風俗小説として切れている。
途中から、ストーリーの流れに思わずはまってしまう。
主人公の性格は、多分に日本人が想像する韓国人そのものなのではないか。
いい加減で、ずるがしこいけど、人情に溢れている。
そして、登場する女性たちもまさにそんな感じなのだ。
韓国人には、全然知り合いがいないのだけれどもうなずかせられるのだ。
基本的な人の心の動きが抑えられているので、登場する人物の行動がすぐに読めるのだ。