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砂漠の思想 の商品レビュー

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2014/02/08

リビアへの入国が厳しく制限されていた89年当時に、精神科医の著者がカダフィ人権賞の委員として招かれ、リビア国内を旅した紀行書。 アフリカ大陸の和合を夢見たの小国の指導者の持つ叙情性に、少なからずシンパシーを抱く著者。一方で異邦人として、その浮世離れした「カダフィ劇場」を見つめる...

リビアへの入国が厳しく制限されていた89年当時に、精神科医の著者がカダフィ人権賞の委員として招かれ、リビア国内を旅した紀行書。 アフリカ大陸の和合を夢見たの小国の指導者の持つ叙情性に、少なからずシンパシーを抱く著者。一方で異邦人として、その浮世離れした「カダフィ劇場」を見つめるその視線には、精神科医としての冷徹な客観性があっておもしろい。 精神科医というのはある意味で文学者であり、優れた社会批評家なんですね。それとも著者個人の資質か…いずれにしても平易な文章の中に時折現れる鋭い視線にはっとさせられる。

Posted byブクログ