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告白 の商品レビュー

4.2

126件のお客様レビュー

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2009/10/04

町田康、初の長編作『告白』です。 自分の考えてる事が上手く人に伝わらない。 そんな熊次郎が自分の本音を誰にも 言わないまま人生を終えていくお話です。 簡単に言えばね。 熊太郎みたいな疑問は誰しも悩んだと思う。 今回の作品は前回私が読んだ『夫婦茶碗』 に比べて随分退屈な...

町田康、初の長編作『告白』です。 自分の考えてる事が上手く人に伝わらない。 そんな熊次郎が自分の本音を誰にも 言わないまま人生を終えていくお話です。 簡単に言えばね。 熊太郎みたいな疑問は誰しも悩んだと思う。 今回の作品は前回私が読んだ『夫婦茶碗』 に比べて随分退屈な本であったと思う。 なんせ、676ページの長編だったし 町田康ならではの文章(上手く言い表せないけど) が好きじゃない人は読むのになかなか苦労すると思う。 ストーリーもなかなか進まないし。 きっと町田康の『告白』を初めて読んだ人は 途中で飽きて本を放り出すこともあるだろう。 でもね、一文、一文しっかり読むと ちゃんと面白いし熊太郎の人間性が凄いわかる。 そこが良くてちゃんと最後まで読めたんだと思う。 最後はバットエンドだけど まぁこんな終わりかたもあるかなと思いました。 熊次郎を殺すシーンは気持ちよかった。 多分目が血走ってたと思う笑。 改めて考えると私は短編の方が好きだな

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2009/10/04

掘り下げる、というより抉るような心理描写に圧倒されて、時間を忘れて読みました。 軽い気持ちで読み始めたのに、とんでもない本でした。

Posted byブクログ

2009/10/04

マジですごい。読後は宿酔状態で、現実に戻るのが困難になる。 非常に長いので読むのにずいぶん時間がかかったが、町田さんの文体が好きな人にとってはさほど苦痛にならないのではないではないか。独特の言語感覚にさらに磨きをかけ、こてこての大阪弁で我々を笑かしにかかる。 「えべらぼんべん」 ...

マジですごい。読後は宿酔状態で、現実に戻るのが困難になる。 非常に長いので読むのにずいぶん時間がかかったが、町田さんの文体が好きな人にとってはさほど苦痛にならないのではないではないか。独特の言語感覚にさらに磨きをかけ、こてこての大阪弁で我々を笑かしにかかる。 「えべらぼんべん」 「えげれはやっぱりパンやね」 「酢醤油」 「ゼンマイ仕掛けの牛肉六匁くださーい」 うーん。頭が痺れる。 ////////////////////////////// 実在した城戸熊太郎がここまで思弁的な人間であったかという事実関係などはどうでもよく、現代人がいかに熊太郎化しているか、そこに読者を気付かしむる小説です。「これ自分のことだ」と思った人多いでしょう? 実際、僕も自分の心の裡を見せつけられた気分です。正味な話。 町田さんは一体どういう思いで書き上げたんでしょうか。(※その後読んだインタビューで町田さんは「作者としても、彼をそこまで追い詰めていくのは辛かったですね。最後は辛くて、3行書くごとにそのへんにある本を手にして読んでいました」と語っていました。町田さん自身も己の心を抉るような気持ちだったのかもしれないですね。) ////////////////////////////// 思考と言動の直線性に対する厭悪。獅子頭を通したような現実感の希薄さ。死後の世界への恐怖。虚栄心。本当の本当の本当のところの自分の思いを心の奥底に探った熊太郎が辿り着いたのは「虚無」なのか?だとすると、それは一体どこからきたものなのか?あるいは初めから心に抱えていたものなのか? ////////////////////////////// 他にも細かい部分で気になることがいくつかあった。以下メモ。 ・岩室のこと ・お縫のこと ・同族嫌悪 ・デンジロウのこと ・葛木モヘア・ドール兄弟 ・木下軍曹 ・弥五は体力のある男だ

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2012/03/11

・言葉と思念。その不一致が惹起する自己と世界の違和。(「近代文学」?)が、文体はグルーヴィ。そして笑える。かつ切ない。 ・「世界」なるものにぐでんぐでんに嬲りまわされながらも「善きこと」、こういってよければ「倫理」を求める様は他の諸作品にも通底しているかと。

Posted byブクログ

2009/10/04

めっちゃおもしろかった。  文学的なおもしろさと、エンタメ的なおもしろさがしっかり同居していて、どちらの方面で見(る必要はないけれども)ても傑作。これはおもろい。  要するに人殺しの物語において、人はなぜ人を殺すのかって話。人が人を殺す理由というのはいろいろあって、小説のネタ...

めっちゃおもしろかった。  文学的なおもしろさと、エンタメ的なおもしろさがしっかり同居していて、どちらの方面で見(る必要はないけれども)ても傑作。これはおもろい。  要するに人殺しの物語において、人はなぜ人を殺すのかって話。人が人を殺す理由というのはいろいろあって、小説のネタとして死ぬほどつまらないのは「理由なく殺しました」で、これは書いてるほうは斬新に見せかけて楽してるだけで、読んでるこっちとしては全くおもしろくない。なぜかよくあるんやけどね。余談。  理由がいろいろあるというのは千差万別ということではなくて、「ひとつの殺人に無数の理由がある」ということで、事件後の動機はたいていひとつかふたつで語られるんだけど、そこにいたるまでにいろんなごちゃごちゃがある、とあたしは思う。人を殺したことがないから想像なんやけど、たぶんそうなんと違うかなぁとあたしは思うの。で、もちろんそんなことすべては言葉にもならない。だから書かれていない。それでもいい、というか、それだからいい。  そういえば死ぬまでに「本当のことを言う」というのは先日読んだ『万延元年のフットボール』の主題のひとつだったんやけど、この本の中でもそういう表現が出てきて「う〜ん」と思った。思っただけでその先に考えはいたってない。  ぐだぐだ書いているけど、長いだけあっていろいろな側面があるので、感想としてはとうていまとめられない。諦める。  あかんではないか。  まあ、強いて言えば、三人称で書くことで一人称のときのあの最強の馬鹿っぷりは失せたんだけど、ツッコミを獲得した。だから丸くなったけれども、おさまるのですわりはいい。

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2009/10/07

とにかく長い!要約すれば河内十人斬りという重いテーマを扱っているのに暗く苦痛にならない文章能力に感心です。飽きずに読めました。自分の頭の中で考えてる事が上手く表現できないの気持ちが良く分かる。良い話じゃないけど読んで良かった。

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2010/08/16

熊太郎のもどかしさがめっちゃリアルに伝わってきた。どうしようもない想いはどうしようもない行動でしか表現できないものなのでしょうか。永遠のテーマ。深いのにユーモアたっぷりで笑えるし、いい小説読んだわーって思いました。

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2009/10/04

全日本人必読の大傑作。町田康の奏でる言葉のリズムに酔い痴れ、無我夢中でページを捲った。 忙しい時には、絶対に手に取らない方がよい。事件が起きる。

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2009/10/04

実に読み応えのある一冊。 松永傳次郎のえげつない人間性が思弁的な主人公、城戸熊太郎に卑屈と開き直りを反復させ、ナチュナルな殺意にまで発展させる。 「現代人は昔より慈悲深くなった訳ではなく、ナイーブになっただけ。それは生活が豊かになったからだ」。

Posted byブクログ

2009/10/04

初めて読んでみた町田康。 主人公の熊太郎が人殺しをする話。 今迄主人公は常に刑事とか善人の立場の話ばっか読んでたから、主人公が悪人のこの小説は面白い。 熊太郎が自分にそっくりで、どうしようかと思った。参考になりました。

Posted byブクログ