批評理論入門 の商品レビュー
メアリ・シェリーの『…
メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』一本で,小説の表現技法と批評理論をまとめて教えてしまおうというありそうでなかった企画。少し教科書的な感じはあるが、読みやすいしわかりやすい。創作が趣味の人には役に立つかも。『フランケンシュタイン』の色々な読み方を知れたのもよかった。
文庫OFF
「シラバス読んだらめちゃくちゃ面白そうだったのにいざ取ってみるとそうでもない授業」みたいな感じだった。例えになってないけど。 メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、合計21もの批評理論の立場とその実践例を紹介する本。批評理論を抽象的に羅列されたところで何が何だ...
「シラバス読んだらめちゃくちゃ面白そうだったのにいざ取ってみるとそうでもない授業」みたいな感じだった。例えになってないけど。 メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を題材にして、合計21もの批評理論の立場とその実践例を紹介する本。批評理論を抽象的に羅列されたところで何が何だか分からなかっただろうから、その点では理解の助けになった。 ただほとんどの批評理論が、小説をより深く理解するためのツールではないように思えた。むしろ自分のイデオロギーの正しさを証明するために小説をダシに使っているようで、率直に言えばこんなことをして何になるのか分からない。 今までに提示されていない読み方を提示することそれ自体に価値があるんだ、と言われたらそうなんだろうが、先にゴールありきで「この小説は実は◯◯主義的である」とか主張されてもふーんそうなんだ、としか思えない。手段と目的が逆なんじゃないの、と言いたくなる。 もっと実用的で日々の作品鑑賞が楽しくなるような批評理論を期待していたので少々ガッカリ。次に読むとしたら物語論あたりかな。
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小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の読み方について体系的に学ぶことができます。小説のみならず、様々な作品、コンテンツを批評したり分析するのに本書の知識は役に立つと思いますよ。映画とか小説とか読んで考察するの好きな人は読むことをおすすめします!また創作する側の人にとっても学ぶ...
小説「フランケンシュタイン」を題材に小説の読み方について体系的に学ぶことができます。小説のみならず、様々な作品、コンテンツを批評したり分析するのに本書の知識は役に立つと思いますよ。映画とか小説とか読んで考察するの好きな人は読むことをおすすめします!また創作する側の人にとっても学ぶものは大いにあると思います!鑑賞に耐えうる作品を作るには最低限本書に書かれていることくらいは知っておく必要があると思いますね。
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フランケンシュタイン読んだすぐ後に。 合わせて読んでよかった。 そういうふうに読み取るのかーとか 読者的に読み飛ばしそうなところも 作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと これから、もうすこしじっくり読もうと思った もう一度読み直して、次から読む時は 心の片隅に意識し...
フランケンシュタイン読んだすぐ後に。 合わせて読んでよかった。 そういうふうに読み取るのかーとか 読者的に読み飛ばしそうなところも 作者としては、いろんな思いで書いてるんだなと これから、もうすこしじっくり読もうと思った もう一度読み直して、次から読む時は 心の片隅に意識したい 入門とあるので、この次の段階のものも読みたいなー あまり専門すぎると難しそうなので。 ただ、 本との相性は絶対あると思う 自分にとって読みにくい本 とっつきづらい本 難解な本 それは、これからも じっくり読む前に閉じてしまうだろう それでも読書がただ好きなだけだし まーいっか。 これ好き!って本に出会うたびに その本を深掘りしたくなるツールを 少しだけ学べた気がします。
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特に、後半の「批評理論篇」は、さまざまな批評理論を取り上げて、それぞれにわかりやすい解説が施されている。1篇の小説についても、いろいろな「読み」が可能であると知った。
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モノローグ ポリフォニー イメジャリー メタフィクション 形式主義 脱構築 決定不可能姓 コロニアル 「小説の技巧」と似通う部分が多いという話を聞いた。目を通すべきだろう。
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廣野由美子『批評理論入門』中公新書 読了。『フランケンシュタイン』を題材に、小説に用いられる技法や作品分析の方法論を概説する。実例を通じて具体的に解説してくれるので、テキスト未読でも問題ない。これほど徹底的に解剖されても耐え得る作品であることがよくわかる。原作にも当たってみたい。
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この本で紹介している知識(小説技法、批評理論)を持って、今まで小説を読んだことがなかったので、遅ればせながら、それらの視点を自分が得ることができ非常に有益であった。 題材としてフランケンシュタインの小説を上げているが、恥ずかしながらこの小説を読んだことがなく、本書で初めて、そのあ...
この本で紹介している知識(小説技法、批評理論)を持って、今まで小説を読んだことがなかったので、遅ればせながら、それらの視点を自分が得ることができ非常に有益であった。 題材としてフランケンシュタインの小説を上げているが、恥ずかしながらこの小説を読んだことがなく、本書で初めて、そのあらすじを知った。しかし、小説ってこうやって読む遠くが深く楽しめるのだなということを初めて知った。 フランケンシュタインの小説は奥深く楽しめるものなんだな。
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科学としての文学。こういう技法こそ高校の現代文で教えてほしかったよ! 小説も漫然と読んでるだけでは作者の意図の1/10も汲み取れないのね。もう少し若い時に知っていたらと思うと悔やまれる。
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本書がどういう本なのかということについては、筆者が書いた紹介があるので、それを引用しておきたい。 【引用】 批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書...
本書がどういう本なのかということについては、筆者が書いた紹介があるので、それを引用しておきたい。 【引用】 批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説「フランケンシュタイン」に議論を絞った。 【引用終わり】 私は小説をよく読む。本書は、その小説をよりよく、より深く味わうために有用ではないかと思い手にした。 「小説技法篇」では、「冒頭」「ストーリーとプロット」「語り手」等、15の技法が紹介されている。「批評理論篇」では、「伝統的批評」「ジャンル批評」「読者反応批評」など、13の批評の方法論が紹介されている。 小説はよく読むが、このような小説を読むための「理論」に触れるのは初めてのことなので、いずれの技法・方法も、初めて目にするものばかりであるし、その前にそもそも、このような技法や方法論が存在すること自体を初めて知った。多くの技法や手法を230-240ページ程度の新書でコンパクトに説明しているので、1つ1つの技法・方法論の説明に割かれている紙数は少ない。そのため、技法・方法論について理解が出来たとは言い難いが、小説を読むための助けになるであろう、このような方法論があることを知ることが出来たことが、本書からの収穫になるだろうか。 それにしても、このような技法・方法論を使った批評や論文をこれまでに目にしたことはない。それはアカデミアの世界に存在するのだろうか。週末の朝刊各紙には、「書評欄」がある。私は自宅では日本経済新聞を購読しているので、目にするのは日経の書評だ。最近では、書店に「書評コーナー」があり、ここ数週間の各紙書評で取り上げられた書籍を置いてあったりする。「書評」の中で、この本で紹介されている技法や方法論を使って小説が紹介されているのを目にしたことはない。繰り返しになるが、本書で紹介されている批評はどこで読むことが出来るのだろうか、ということに関して、少しモヤモヤが残った。
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