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偽りの名画 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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名画展の主任が「この…

名画展の主任が「この中に贋作がある」と言い残し、謎の死を遂げるまでは…。軽妙な語り口と本格派の香りが魅力の、エルキンズの新シリーズ。

文庫OFF

2015/07/25

ギデオンシリーズの作者の違うシリーズ第1作。 今度の主人公はシアトルの美術館で学芸員をするクリス・ノーグレン。バロック美術が特に専門。 のっけから彼は人生の岐路に立たされている。 10年連れ添った妻と離婚調停を行っているのだ。しかも泥沼に陥っている。犬をやるから家をくれ、だの...

ギデオンシリーズの作者の違うシリーズ第1作。 今度の主人公はシアトルの美術館で学芸員をするクリス・ノーグレン。バロック美術が特に専門。 のっけから彼は人生の岐路に立たされている。 10年連れ添った妻と離婚調停を行っているのだ。しかも泥沼に陥っている。犬をやるから家をくれ、だの以前出版された彼の著作の印税の数パーセントをくれ、だのというやりとりに嫌気が差していたクリスに、ベルリンでの名画展の仕事が舞い込んでくる。 過去ナチスによって徴収されその後行方不明になっていた名画が発見された。その名画を集めて展覧会をするのだが、その主任が彼に「この中に贋作がある」と言い残して謎の死を遂げてしまう。 クリスは贋作を発見するために、主任の死の真相を暴くためにちょっとした冒険をくりひろげる。 このシリーズを読んで初めて知ったのだが、第2次世界大戦後、アメリカ陸軍に史跡および古文書部隊という、ナチスによって略奪された絵画やその他の芸術品などを探し出し、本来の持ち主に返すという任務を背負った部隊があったのだそうだ。 そんなちょっとした専門的なことも知ることができるシリーズになっている。

Posted byブクログ

2013/05/01

学芸員のクリスは、ヨーロッパで米軍が主催する「略奪名画展」の準備のためドイツへ向かう。それは第二次大戦当時ナチスに奪われ、最近になって本来の持ち主であるイタリア人蒐集家に返還されたもの。クリスの仕事はチーフの助手だが、到着する早々クリスは侵入者に襲われて負傷、チーフは「出典作品の...

学芸員のクリスは、ヨーロッパで米軍が主催する「略奪名画展」の準備のためドイツへ向かう。それは第二次大戦当時ナチスに奪われ、最近になって本来の持ち主であるイタリア人蒐集家に返還されたもの。クリスの仕事はチーフの助手だが、到着する早々クリスは侵入者に襲われて負傷、チーフは「出典作品の中に贋作が混じっている」と口にする――。 学芸員クリス・ノーグレンシリーズ第1作。贋作をめぐって、ああでもないこうでもないと迷走を続ける主人公の言動が面白いですが、それ以外はあまり印象に残らず。 ヨーロッパに駐留する米軍の文化(教育)活動に協力する主人公、という舞台設定には、スケルトン探偵の第1作 "Fellowship of Fear" と共通するものがありますが、作者の実体験でもあったのでしょうか?

Posted byブクログ

2012/08/25

スケルトン探偵が贋作事件に巻き込まれるのかと思った……いやほんの一瞬ですよ、一瞬。エルキンズだし。 こちらは美術探偵。クリス・ノーグレンシリーズの第一作。贋作!薀蓄!レンブラント!ナチス!!という、大がかりな贋作事件(フィクションで)といえばこれよねーのお約束がたっぷり出てきて...

スケルトン探偵が贋作事件に巻き込まれるのかと思った……いやほんの一瞬ですよ、一瞬。エルキンズだし。 こちらは美術探偵。クリス・ノーグレンシリーズの第一作。贋作!薀蓄!レンブラント!ナチス!!という、大がかりな贋作事件(フィクションで)といえばこれよねーのお約束がたっぷり出てきてなかなか楽しめる。こういったストーリーである以上、絵画の知識(それもマニアックな)がずらずら出てこないとね!事件に関係なかろうと、主人公が学芸員なんだから、オタク的知識をがんがん披露してくれてナンボだよ!と思っているので、その部分は大変楽しめた。 展覧会のために集められた、超がつく名画の作品群を見ながら「この中に贋作が」とお約束の言葉を残して殺されてしまう主任。殺人犯人誰よ?贋作どれよ!という、ふたつの軸を追うことになる。 正直贋作については「そっちそっち」と言いたくなることもあり、さほど意外ではなかったのだが、オチが多少読めても楽しく読める。もともとこういう薀蓄シリーズが好きだからってこともあるだろうけど、これはまたシリーズ読むだろうな。

Posted byブクログ

2012/08/02

贋作や美術史というテーマが大好きなので読んでみたが、 自分の求めているものとは多少ズレがあったものの、それなりに楽しんで読めた。 主人公が実に市井の人、という感じでよいと思う。

Posted byブクログ

2012/01/29

エンターテイメント性が高く、読んだあと何かしらの知識が身に付いているミステリを書いているという作家さん。まさにそういう小説が大好きなので、楽しませていただきました。贋作の謎については「なんでそっちを調べないんだろう」と早い段階で気になってしまい、それほど意外という感じは受けません...

エンターテイメント性が高く、読んだあと何かしらの知識が身に付いているミステリを書いているという作家さん。まさにそういう小説が大好きなので、楽しませていただきました。贋作の謎については「なんでそっちを調べないんだろう」と早い段階で気になってしまい、それほど意外という感じは受けませんでしたが。それにしても展覧会のために8ヶ月のヨーロッパ休暇…。休暇といえども仕事しなきゃいけないのはもったいないし、滞在費負担しなくていいのは羨ましい。

Posted byブクログ

2011/08/09

ナチスに掠奪され、その後変換された貴重な絵画の展示会の手伝いに向かった主人公。 しかし展示予定品の中に贋作があることを主張した主任が不可解な死を遂げるにしたがって、その真相を突き止めていく。 小説の軸は2本。どれが贋作なのか?犯人は誰なのか? 小説という世界の中では実際の絵を提...

ナチスに掠奪され、その後変換された貴重な絵画の展示会の手伝いに向かった主人公。 しかし展示予定品の中に贋作があることを主張した主任が不可解な死を遂げるにしたがって、その真相を突き止めていく。 小説の軸は2本。どれが贋作なのか?犯人は誰なのか? 小説という世界の中では実際の絵を提示するわけには行かないので、文章のみで贋作の存在を推理していくことになる。 フェルメールやルーベンスなど比較的有名な画家の名前を持ってきてはいるが、やはり視覚的情報がないというのはなんともじれったい。 そして犯人探しが脇に追いやられているので、最後に両方の犯人が一気に分かる当たりで取ってつけたような気分になってしまう。 オチもイマイチ。取ってつけたよう。 伏線が巧いこと張れていないので、なんか納得できなかった。 ついでに言えば主人公のプライベートなことに枚数を裂く割にはその性格や個性がが事件解決に関わってこないので、無駄なページに思えてしまう。 このキャラクターでなければ事件が動かないと言うほどキャラがたっていないんだよな。 登場人物と話が溶け合っていないようで、あまり話しに入り込めなかった。 題材的には好みだっただけに残念だ。

Posted byブクログ

2009/10/04

学芸員の資格取っておけばよかった!と思わせるような美術館の裏話も丁寧に描かれている。ただ爆弾に狙われるような仕事なら嫌だが(笑) レンブラント、という単語を聞くと落ち着かなくなる方へ。

Posted byブクログ