昭和史発掘 新装版(1) の商品レビュー
昭和初期の出来事をま…
昭和初期の出来事をまとめたものの第一巻。芥川の自殺に迫る「芥川龍之介の死」や部落差別に抗議した「北原二等卒の直訴」などを収録。
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※このレビューにはネタバレを含みます
予想を裏切らない読みごたえがある。今も政治家の問題が取りざたされているが、これを読むとむしろ今のほうがいいんじゃないかという気さえする。上に立つ者は「燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」の世界観なんだろうな。
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「松本清張」の『昭和史発掘(1)』を読みました。 「松本清張」作品は昨年の12月に読んだ『死の発送』以来ですね。 -----story------------- 厖大な未発表資料と綿密な取材によって、昭和初期の日本現代史の埋もれた事実に光をあてた不朽の労作が新装版で登場。 政界...
「松本清張」の『昭和史発掘(1)』を読みました。 「松本清張」作品は昨年の12月に読んだ『死の発送』以来ですね。 -----story------------- 厖大な未発表資料と綿密な取材によって、昭和初期の日本現代史の埋もれた事実に光をあてた不朽の労作が新装版で登場。 政界に絡む事件の捜査中に起きた「石田検事の怪死」、部落問題を真正面から取り上げた「北原二等卒の直訴」、他に「陸軍機密費問題」「朴烈大逆事件」「芥川龍之介の死」など五篇を第一巻に収録。 圧倒的な面白さ。 ----------------------- 本編に収録されているのは、以下の5編です。 ■陸軍機密費問題 ■石田検事の怪死 ■朴烈大逆事件 ■芥川龍之介の死 ■北原二等卒の直訴 本作品は「松本清張」のライフワークだったらしく、、、 厖大な資料と綿密な取材に基づいて書かれたようで、その考証には、説得力が感じられましたね。 でも、当時の歴史的背景や政治家等の相関関係等をキチンと理解してないので、読後も理解不足は否めない感じです。 興味あるテーマなのに、自分の中で上手く消化しきれないのがもどかしかったですね。 やや文章が難解な面もあるので… 全9巻は、到底、読めそうにないですねぇ。 1巻で断念です。
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開国後の日本国家の陰湿さが機密費事件、大逆事件、検事の怪死、軍隊内の差別問題を通じて展開。芥川の項が必要なのか不明
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★★★2020年1月★★★ さすが清張、暗~い感じがよく伝わってくる。 昭和史の闇の部分を鋭くえぐる作品だ。 昭和2年生まれの祖母の事を思いながら読んだ。戦前という時代は僕には想像がつかない時代だ。 ・陸軍機密費事件 ・石田検事怪死事件 ・朴烈大逆事件 ・芥川龍之介の死 ...
★★★2020年1月★★★ さすが清張、暗~い感じがよく伝わってくる。 昭和史の闇の部分を鋭くえぐる作品だ。 昭和2年生まれの祖母の事を思いながら読んだ。戦前という時代は僕には想像がつかない時代だ。 ・陸軍機密費事件 ・石田検事怪死事件 ・朴烈大逆事件 ・芥川龍之介の死 ・北原二等卒直訴事件 これらの事件を追いながら、歴史の流れを知ることができる。特に印象に残ったのは朴烈だろうか? 差別され、しいたげられた人々の姿がよく映し出されている気がする。
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大逆事件を計画したとされるアナーキスト朴烈のスキャンダル写真 そんなものに振り回されて議会は空転する モラルをめぐるヒステリックな論争のなか、大正ロマンの時代は終わり 田中義一の軍機密費着服疑惑をもって昭和の幕がひらいた 腐敗の時代であった 芥川龍之介は、現実の汚さに耐えられず死...
大逆事件を計画したとされるアナーキスト朴烈のスキャンダル写真 そんなものに振り回されて議会は空転する モラルをめぐるヒステリックな論争のなか、大正ロマンの時代は終わり 田中義一の軍機密費着服疑惑をもって昭和の幕がひらいた 腐敗の時代であった 芥川龍之介は、現実の汚さに耐えられず死を選択し 勇敢に声を上げる者たちは、権力にふみつぶされていった 権力とはなにか? 人々は、天皇こそ権力と信じている しかし堅く守られたその実態を知る者はほとんどなかった
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陸軍機密費問題から始まる昭和歴史発掘。 初めは小難しげで取っつきにくかったのですが、読み進めるうちにだんだんおもしろみが増してきました。 陸軍機密費問題は石田検事の怪死に繋がり、朴烈大逆事件にも絡み・・・・・・と、歴史の中に伸びる一本の柱を想像しながら読み進めました。 恥ずかし...
陸軍機密費問題から始まる昭和歴史発掘。 初めは小難しげで取っつきにくかったのですが、読み進めるうちにだんだんおもしろみが増してきました。 陸軍機密費問題は石田検事の怪死に繋がり、朴烈大逆事件にも絡み・・・・・・と、歴史の中に伸びる一本の柱を想像しながら読み進めました。 恥ずかしながら、すべて知らない事件、出来事ばかりでした。 自分の国のことでも、知らないことは多い。いや、知らないことだらけです。 おかげで昭和一桁の時代の雰囲気を、なんとなく感じ取れたような気がします。
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松本清張は読ませます。 東京に出張した折、本を持参するのを忘れ、 車中で読む本を、と、 上野駅構内の本屋で、 この本を手にしました。 本当は、陳舜臣の日清戦争の小説が読みたかったのですが、代打で購入しました。 陸軍機密費問題、石田検事の怪死、朴烈大逆事件、芥川龍之介の死、北...
松本清張は読ませます。 東京に出張した折、本を持参するのを忘れ、 車中で読む本を、と、 上野駅構内の本屋で、 この本を手にしました。 本当は、陳舜臣の日清戦争の小説が読みたかったのですが、代打で購入しました。 陸軍機密費問題、石田検事の怪死、朴烈大逆事件、芥川龍之介の死、北原二等卒の直訴 上記6編が収録されていますが、なかんずく、石田検事、が面白かった。 政治的な機微に触れ消されたのは明白です。 きっと今の世にもあるんだろうなぁ、こういうの。
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数ある松本清張作品の中でも、最も読んでみたいと思っていた作品。 陸軍機密費問題、石田検事の怪死、朴烈大逆事件、芥川龍之介の死、北原二等卒の直訴を収録。 北原二等卒の直訴については、これまで全く知らなかった事実であったので、興味深かった。その他の章についても観察眼が素晴らしく、推理...
数ある松本清張作品の中でも、最も読んでみたいと思っていた作品。 陸軍機密費問題、石田検事の怪死、朴烈大逆事件、芥川龍之介の死、北原二等卒の直訴を収録。 北原二等卒の直訴については、これまで全く知らなかった事実であったので、興味深かった。その他の章についても観察眼が素晴らしく、推理小説を読んでいるかのようだった。
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最近、よくテレビに出演し、当時を語る鈴木宗男の言動に耳を傾ければ、実はこの人、現政権に嵌められたのでは、との疑念が芽生えてくる。 ホリエモンが確信犯であることは間違いなかろう。けれども、いわば一犯罪者にすぎないのを、かくも盛大にさらし者にしてしまう検察に、なんらかの意図があるの...
最近、よくテレビに出演し、当時を語る鈴木宗男の言動に耳を傾ければ、実はこの人、現政権に嵌められたのでは、との疑念が芽生えてくる。 ホリエモンが確信犯であることは間違いなかろう。けれども、いわば一犯罪者にすぎないのを、かくも盛大にさらし者にしてしまう検察に、なんらかの意図があるのは明白。とりあえず、留置場に放り込んで、その言動を封殺し、やり過ごさせる、ってことか。 「日本の黒い霧」から本書へと読み継いでゆくと、 いずれの御方もいい時代に巡り会わせたようで、生きているだけ拾い物、一昔前であれば、線路上でバラバラ死体になっていたり、拉致され二度と日の目をみることなく冷たくなって路上に放置されたり、と有無を言わさず冥途の旅へと追いやられたのだろうから、 なんて実しやかに想像してしまう。 昭和初期の世相を背景に、政界や軍やらの悪党が跋扈する時代の出来事を、清張さん独自の取材でものにした力作。小説ではありません。 以前に取り組んだ折には、現在の新装版より巻数が多く、字も細かだったりし、全巻読破に至らず、中途で放り出してしまった。なので、この1巻目は再読ということになる。 通勤時の慰みとしては少々重い感じはするものの、初読時に比べてスラスラ入ってきます。面白くってね、環状線、2、3周したろかなと思います。さあて、年内に全巻読破できますかな。 (2006年記)
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