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ゴットハルト鉄道 の商品レビュー

4.4

9件のお客様レビュー

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2022/07/05

深夜にふと聞いたNHKのラジオで紹介されていた「隅田川の皺男」 浪人生で身体を売っているウメワカと会社を辞めた女・マユコが出会って…という内容がちょっと面白そうだったので読んでみた。 ファンの方がいらしたらすみません… 私、この本が全く合わなかった…。 小説だと思って読むから...

深夜にふと聞いたNHKのラジオで紹介されていた「隅田川の皺男」 浪人生で身体を売っているウメワカと会社を辞めた女・マユコが出会って…という内容がちょっと面白そうだったので読んでみた。 ファンの方がいらしたらすみません… 私、この本が全く合わなかった…。 小説だと思って読むから理解できないのかも 詩と思ったら? 絵画と思ったら? 理解しようと思うから理解できないのか… 他にも ゴットハルト鉄道 無精卵 と短編があるのだけど… 両方とも理解が難しい… まだ、皺男の方が理解できるかも… おもしろさがわかる人に解説してもらいたい…

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2019/01/29

この短篇集の中で、ゴットハルト鉄道だけが宙に浮いている。 ドイツ語から日本語に訳された小説というのも大きいと思う。続く2作「無精卵」「隅田川の皺男」のような粘着質な湿度がない。雪がさらさらとしているからか。「無精卵」と「隅田川の皺男」には、女との攻防が粘着質に描かれている。まず絶...

この短篇集の中で、ゴットハルト鉄道だけが宙に浮いている。 ドイツ語から日本語に訳された小説というのも大きいと思う。続く2作「無精卵」「隅田川の皺男」のような粘着質な湿度がない。雪がさらさらとしているからか。「無精卵」と「隅田川の皺男」には、女との攻防が粘着質に描かれている。まず絶対に勝てない強い女がひとり以上必ずいて(その人物はひとりではないかと思うくらいに同じ強さを持っている)主人公が翻弄される。主人公は、より弱い者の弱い点を愛想笑いみたいな卑屈さでみつけて、それを少しだけほじくる。女が出てくるだけで、2つの小説はおぞましい回転を始める。

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2015/05/31

面白かった!! 独特の言葉の使い方ゆえか、鮮烈なイメージは湧くけど掴みきれない感じが良い。 三作品とも甲乙つけがたいなー。 他の作品も読んでみたい!強くそう思える作家に久々出会った感じ。

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2014/06/08

作家の川上未映子が、小説を書く感覚を掴むために「ゴットハルト鉄道」を写したというのを読んだのがきっかけで手にとった。 「ゴットハルト鉄道」は紀行文のようで、でも、所々に作者の鋭い感覚が伺える表現がある。それが小説であることを表している。 一番好きなのは「無精卵」どこの国の話なのか...

作家の川上未映子が、小説を書く感覚を掴むために「ゴットハルト鉄道」を写したというのを読んだのがきっかけで手にとった。 「ゴットハルト鉄道」は紀行文のようで、でも、所々に作者の鋭い感覚が伺える表現がある。それが小説であることを表している。 一番好きなのは「無精卵」どこの国の話なのか分からないし、他にも謎が多い。なのに、生々しさがすごい。「隅田川の皺男」でも感じたけど、女の生々しい臭いを感じる。 女というと、花とか石けんの良い匂いのする存在であるかのように表現されることがわりとある。けれど、人間も動物であると気づかされる。作中の女からは獣のような臭いがする。 謎めいた部分が気になって、一気に読んでしまった。

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2013/11/17

多和田葉子さんをちゃんと読んだのは初めてです。 「無精卵」が、言葉は驚くほど滑らかでここち良いのに出てくる人物がみんな不思議でアクが強くて、穏やかに流れる底に蟠っているヒリヒリする感じが何とも言えず魅力的だった。 なんかそんな気がしたんだけど、書き出しがああだし、やっぱりそうだっ...

多和田葉子さんをちゃんと読んだのは初めてです。 「無精卵」が、言葉は驚くほど滑らかでここち良いのに出てくる人物がみんな不思議でアクが強くて、穏やかに流れる底に蟠っているヒリヒリする感じが何とも言えず魅力的だった。 なんかそんな気がしたんだけど、書き出しがああだし、やっぱりそうだったの?という。でもそうじゃなくてもいいや。

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2013/01/03

講談社文芸文庫から出ている多和田葉子の本は、『飛魂』もそうだったけど、表題作より同時収録の短篇や中篇の方が気に入る確率が高いようで、今回も『ゴッドハルト鉄道』より『無精卵』の方が好みだった。 少女性のエロスと残酷さって素敵だよね!

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2012/05/13

感情ではなく身体で知覚していく登場人物。 心という概念が誕生する以前の人間は、おそらくこれほどまでに繊細な肉体を持ち合わせていたのだろうと思いを馳せる。 出逢ったことがない光景の描写なのに、どうしてこれほどまでに脳内で鮮明に再生されるのだろう。 表題作は、特にそういった表現も...

感情ではなく身体で知覚していく登場人物。 心という概念が誕生する以前の人間は、おそらくこれほどまでに繊細な肉体を持ち合わせていたのだろうと思いを馳せる。 出逢ったことがない光景の描写なのに、どうしてこれほどまでに脳内で鮮明に再生されるのだろう。 表題作は、特にそういった表現もないのに、少し霧がかった情景がずっと浮かんでいた。 ドイツ語で綴った自分の作品を初めて翻訳してみた作品でもあるという。 翻訳、とは、表題作同様、長いトンネルの先に現れる景色と向き合うことだとのこと。

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2011/10/25

これは、主にゴットハルト鉄道は、散文で詩だ。しかも、それは単なるイメージの描写ではなく。まるで絡め取られるような、ぬるぬるとした、、押してはいけないボタンを押したい、触ってはいけないものに触りたい、そういう、入っちゃいけない場所に、手招きされているかのような詩だ。客観視できない、...

これは、主にゴットハルト鉄道は、散文で詩だ。しかも、それは単なるイメージの描写ではなく。まるで絡め取られるような、ぬるぬるとした、、押してはいけないボタンを押したい、触ってはいけないものに触りたい、そういう、入っちゃいけない場所に、手招きされているかのような詩だ。客観視できない、自分に強烈なまでに流れ込んでくることば。ちょっと怖かった。でもたぶん、そういう誘惑はなんか気持ちよい。

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2009/10/04

どれも濃密な雰囲気の短編集。ストーリーはグロテスクでさえあるのに言葉選びが美しく、独特の世界に引き込まれるように読んだ。

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