自由と社会的抑圧 の商品レビュー
1934年、ヴェイユ25歳頃の著作だが、すこぶる読みにくかった。 彼女はここでマルクス批判を試みており、たとえば「生産力の無限の増大」という根拠のない信仰を、マルクス自身もマルクス主義者も猛進していた、と指摘する。 生産至上主義という考えはなるほどおもしろく、技術革新から、エネル...
1934年、ヴェイユ25歳頃の著作だが、すこぶる読みにくかった。 彼女はここでマルクス批判を試みており、たとえば「生産力の無限の増大」という根拠のない信仰を、マルクス自身もマルクス主義者も猛進していた、と指摘する。 生産至上主義という考えはなるほどおもしろく、技術革新から、エネルギー問題といった方向へも思考が発展する。結局、マルクスがかかげた共産主義の理想とは「ようするに恒常永久運動のユートピアと完璧に類比的なユートピアである」(P35)とヴェイユは言う。 当時はまだなかった太陽発電や、今話題の?原子力発電などを考えても、彼女が当時考えたエネルギー問題はリアルである。 また、「権力なるものは存在せず、ただ権力への奔走だけが存在する」(P56)という権力論もなかなかおもしろかった。 ただ、先に書いたように、この本はとにかく文章が読みにくく、それは翻訳のせいもあるかもしれない。
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ヴェイユの人となりが出ている本だと思います。 読んでみると理想論すぎるという印象を受けると思いますが、その骨子は、自由を目指す思考に支えられながら行動(努力)するということだと思います。現実に疲れ果てている時にこの本を読めば、多分投げ出してしまいたくなるくらいに、ある意味で青い...
ヴェイユの人となりが出ている本だと思います。 読んでみると理想論すぎるという印象を受けると思いますが、その骨子は、自由を目指す思考に支えられながら行動(努力)するということだと思います。現実に疲れ果てている時にこの本を読めば、多分投げ出してしまいたくなるくらいに、ある意味で青い、純粋な理想を語っていると思います。 逃れられない現実の軛に関しては深く触れられておらず、乗り越えられるようなものとして書いているので、その辺がちょっとナイーブな印象を受けてしまう。
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