私の家は山の向こう の商品レビュー
テレサ・テン。華人世界では?麗君Dèng Lìjūnの名で知られるスーパースターの生き様に触れた作品。台湾軍部のスパイ説や死因を巡る薬物説など、死後もマスコミを賑わせているのは、それだけ熱烈なファンがメチャメチャ多いと...
テレサ・テン。華人世界では?麗君Dèng Lìjūnの名で知られるスーパースターの生き様に触れた作品。台湾軍部のスパイ説や死因を巡る薬物説など、死後もマスコミを賑わせているのは、それだけ熱烈なファンがメチャメチャ多いと言うことだろう。 有田芳生氏といえば、もともとオウムというイメージしかなかったが、何でもコメントする人だなぁという程度の知識でこの本を手にした。しかし氏は本作で、テレサの心の内に大きく影を残した1989年6月4日の天安門事件と、二つの中国の狭間に置かれた歌姫の苦悩を照らし出していく。また、日本では演歌歌手のイメージばかりが残ってしまっている現状にも問題点を指摘している。もっと多様な、もっと真実に近い、もっと等身大の、スーパースター=テレサ・テンを知って欲しいという情熱が伝わってくる。 しかし、正直言って決して文章が上手いとは言えず、もっとぐいぐい引っ張るような文章表現を期待している方には不満が残るかも知れない。それでもなお情熱の方が勝っている作品であるのも事実だ。小生のように貧乏でなければ、ぜひとも単行本をお薦めする。それには生涯一度だけ歌った、タイトル曲「私の家は山の向こう」のミニCDが付いているからだ。アジアを代表する歌姫テレサに出会うきっかけになる一冊。
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パスポート問題と最期のことはずっと引っかかっていて、読んでやっとそういうことか思った。だが淡々と取材内容を連ねながら描かれる悲しき女の一生を読み終えて、結局心に残るのは美しき(悲しき?)歌声という気がする。それでいいんじゃないのだろうか。巻末付録CDに、かの時のライブ歌声と有田氏...
パスポート問題と最期のことはずっと引っかかっていて、読んでやっとそういうことか思った。だが淡々と取材内容を連ねながら描かれる悲しき女の一生を読み終えて、結局心に残るのは美しき(悲しき?)歌声という気がする。それでいいんじゃないのだろうか。巻末付録CDに、かの時のライブ歌声と有田氏のインタビュー音声が収められている。
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