1,800円以上の注文で送料無料

数学を使わない数学の講義 の商品レビュー

3.7

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/12/02

日本には論理がない、ということが一貫して主張されている。著者の学問的なバックグラウンドは凄まじく多様で、自主ゼミからは橋爪大三郎や宮台真司が輩出されたと聞いて納得。 非常に日本を俯瞰した考え方をされているが、それもアメリカで学問の研鑽を積まれたからだろうと想像がつく。 【メモ...

日本には論理がない、ということが一貫して主張されている。著者の学問的なバックグラウンドは凄まじく多様で、自主ゼミからは橋爪大三郎や宮台真司が輩出されたと聞いて納得。 非常に日本を俯瞰した考え方をされているが、それもアメリカで学問の研鑽を積まれたからだろうと想像がつく。 【メモ】 ・存在問題とは、 ★果たして存在するのかどうか ★存在するとして与えられた方法で解を見つけることができるかどうか ・日本人は無規範民族→何もかも曖昧 ・日本では「所有」では絶対ではない ex.創業家というだけで、大株主でもなく、経営者でもないのに発言権が強い ・科学であるかないかのけじめは研究対象にあるのではなく、方法にある ・批判とは一種の継承である

Posted byブクログ

2019/10/15

杖の師匠に紹介され、その題名に興味を持った一冊。 読んだのは10年くらい前だが、実家に帰省した際に面白かったのを思い出してもう一度読んで見た。「数学を使わない数学とはなんぞや」と思ったが、要するに数式やグラフなどを使わずに数学の話をするということらしい。ただ、最終章で少しだけ数式...

杖の師匠に紹介され、その題名に興味を持った一冊。 読んだのは10年くらい前だが、実家に帰省した際に面白かったのを思い出してもう一度読んで見た。「数学を使わない数学とはなんぞや」と思ったが、要するに数式やグラフなどを使わずに数学の話をするということらしい。ただ、最終章で少しだけ数式が出てくるのだが、これはやむをえないだろう。 著者は数学科出身の経済学者であり、政治学者でもある。内容は一貫して集合と論理に関する講義であるが、身の回りの具体例をあげながら非常にわかりやすく述べられている。中には少々下品な内容もあって、苦笑してしまうこともある。全体的に内容も面白いし、日常生活において本書のような考え方を身につけることで様々な場面で役に立つのではないかと思った。 日本人全てが数学や論理に弱いというのは言い過ぎな気がするが、確かに文化としてあまり欧米のような合理性を重んじたものではないことには同意できる。特にユダヤ教やイスラム教のような宗教を理解する背景に欠けているのはよくわかった。食物規定とか一夫多妻制を誤解している日本人は極めて多い。またこの本では、ギリシャ的精神に始まる欧米のものの見方・考え方が、数学の論理によって見事に説明できることがわかる。 印象に残ったのは最後の第5章である。数値化すると物事を客観的に見ることができるとは良く言われることであるが、実際に数値化して意味のあるものは何かということが明確にわかる。経済学は馴染みがないのだが、アローの背理については、個々の要素が合理的であっても全体としては不合理が起こるというのが、まさに人間社会だと実感させてくれた。

Posted byブクログ

2019/08/05

ギリシャの公理主義が数学の原点。 存在問題がクリアされていることで、やる気を増進できる。 原爆の開発、ペニシリン、100M9秒台など。 小野小町は穴がなかった。待ち針の語源。 現代では数学=集合学、集合学=論理学。 ワルラスの一般均衡論は、多次元方程式で表せれば循環論にならず、解...

ギリシャの公理主義が数学の原点。 存在問題がクリアされていることで、やる気を増進できる。 原爆の開発、ペニシリン、100M9秒台など。 小野小町は穴がなかった。待ち針の語源。 現代では数学=集合学、集合学=論理学。 ワルラスの一般均衡論は、多次元方程式で表せれば循環論にならず、解を見出せる。

Posted byブクログ

2017/12/27

尊敬する上司からの紹介。 アクの強い数学論。とはいえ、わかりやすい。 存在問題の応用思考→解が存在するか、解くことができるか

Posted byブクログ

2016/09/13

タイトルからすれば、話を余計にややこしくしているのだが、数学については先ず、解の存在問題を考える事が重要だという話は面白い。しかし、数学といっても、論理学が中心なのと、実社会における事例への当てはめには、例外がすぐに思いつくような内容もあり、読み難い。実社会を数学的に整理しようと...

タイトルからすれば、話を余計にややこしくしているのだが、数学については先ず、解の存在問題を考える事が重要だという話は面白い。しかし、数学といっても、論理学が中心なのと、実社会における事例への当てはめには、例外がすぐに思いつくような内容もあり、読み難い。実社会を数学的に整理しようとしても、変数が多く、それこそ二元論的に解釈するのは不可能だ。読んでいて、この人本当に数学を学んだ人かな?と思い、経歴を調べたほどだ。一応、学部時代に数学科を出た上、きらびやかな学歴が並ぶ。 さてさて、私が言いたいのは、かつて藤原正彦が国家の品格で述べたように、論理が正しくとも、その起点となる情緒の正しさがどうかという事。それとデータ量の無限性においては、定量的整理は、前提主義にならざるを得ないという事だ。当然、著者もこの点、GNPや物価指数に対して指摘をしている。であれば、この指摘に至るまでの試みに無理がある事も、恐らく自覚しているだろう。大衆向けに面白おかしく演出したが故に無理が出たのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/09/03

 数学的思考で経済学や社会情勢などを考えてみる一冊。  やぁ、いままでになかった考え方を脳内にインストールした感があるぞ。  なんかそういう「脳にインストールする感じ」の読書というのは比較的気持ちが良いんじゃ。

Posted byブクログ

2014/07/04

数学を使わない、というより数字を使わないと言ったほうが適切なのではないだろうか。とても読みやすかった。数学が嫌いな人に読んでほしい。

Posted byブクログ

2014/06/28

数学は苦手。でも、数学をに興味がある。そんな人のための数学入門書。堅苦しい計算式はほとんど出てきません。それよりもむしろ、数学的な発想とは何か?それが世の中でどのように役立っているのか?という今までにない視点を与えてくれます。語り口も明快かつ軽快。2時間くらいあれば、読めてしまえ...

数学は苦手。でも、数学をに興味がある。そんな人のための数学入門書。堅苦しい計算式はほとんど出てきません。それよりもむしろ、数学的な発想とは何か?それが世の中でどのように役立っているのか?という今までにない視点を与えてくれます。語り口も明快かつ軽快。2時間くらいあれば、読めてしまえます。

Posted byブクログ

2012/08/05

―――――――――――――――――――――――――――――― 日本人が数学力を失ったらどうなるか?経済成長は止まり、国防すら危うくなる事は間違いない。1 ―――――――――――――――――――――――――――――― 現代数学においては、「論理(ロジック)と集合とは、まるで同じもの...

―――――――――――――――――――――――――――――― 日本人が数学力を失ったらどうなるか?経済成長は止まり、国防すら危うくなる事は間違いない。1 ―――――――――――――――――――――――――――――― 現代数学においては、「論理(ロジック)と集合とは、まるで同じものを指す」ということである。 その萌芽というか起源は、古代ユダヤ教とギリシャに求められるのである。70 ―――――――――――――――――――――――――――――― 神との契約と宗教の内容とが、まったく一致している。しかも、この神との契約が、すなわち社会的な規範であり、のちに法となって定着する。 日本ではどうかといえば、神との契約という概念が、古来、そもそも皆無である。だから、西洋的な法という考え方もなければ、規範という考え方もない。71 ―――――――――――――――――――――――――――――― 見掛けは厳格なようだが、その実、ユダヤ教ほど生っちょろい宗教はないとも言える。 しかし、ユダヤ教の中にも例外はある。『ヨブ記』がそれで(…)必要十分条件を満たしたのに救済されないのは論理的におかしい、神の契約違反ではないか、というわけである。158 ―――――――――――――――――――――――――――――― 国民の一人ひとりはことごとく戦争を望んでいないとしても、国家自身が戦争を欲するということはあり得る。 「戦争をする」という行為は、国家の命題であって、個々人の命題ではない。271 ―――――――――――――――――――――――――――――― 欧米が契約社会であるのはご存知のとおりだが、この「契約の精神」は、まさに数学の「集合論」そのものなのである。274 ――――――――――――――――――――――――――――――

Posted byブクログ

2011/11/15

憲法学の権威が数学の論理を分かり易く講義してくれる。社会学者に数学を理解していない者が多い事に対する思いもある。 文体は平易だが内容は高度である。ところどころに、張り紙で張り出してあるエッセンスがいい。 「公理主義のおかげで学問とはすべて仮説であるという考え方が徹底した」 「...

憲法学の権威が数学の論理を分かり易く講義してくれる。社会学者に数学を理解していない者が多い事に対する思いもある。 文体は平易だが内容は高度である。ところどころに、張り紙で張り出してあるエッセンスがいい。 「公理主義のおかげで学問とはすべて仮説であるという考え方が徹底した」 「相手を批判するということは、同時に相手の学説を継承を意味する」 「マンデヴィルのジレンマ★個人の悪徳は全体の美徳である」

Posted byブクログ