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寺山修司少女詩集 改版 の商品レビュー

4.3

90件のお客様レビュー

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2015/09/29

 初めて読んだ寺山修二の本が「家出のすすめ」だったせいだろうか。  あれから彼のどの著書を読んでも、寺山修二に対するイメージは「家出少年」のまま変わることがなかった。「身捨つるほどの祖国はありや」と彼が詠んだ歌があまりにもインパクトが強かったせいもある。    だがこの本を読むこ...

 初めて読んだ寺山修二の本が「家出のすすめ」だったせいだろうか。  あれから彼のどの著書を読んでも、寺山修二に対するイメージは「家出少年」のまま変わることがなかった。「身捨つるほどの祖国はありや」と彼が詠んだ歌があまりにもインパクトが強かったせいもある。    だがこの本を読むことにより、また一つ別のイメージも定着することになる。  どこかテネシーウイリアムズの戯曲「ガラスの動物園」の主人公の少年を思わせるような、センチメンタルで繊細な少年である。    この詩集は、今にも壊れそうな美しい硝子細工のような心を持った少年の、アイロニーに満ちた叙情詩である。  「ヒスイ」という一編の詩がある。 「だがヒスイは買うにはあまりにも  高価すぎて  ぼくはあまりにも  貧しかった  だからこそぼくは歌ったのだ  せめて言葉の宝石で  二人の一日を  かざるために」  寺山修二は言葉こそが唯一無二の宝石になりうると信じていた一人なのかもしれない。全編に、宝石のような言葉が散りばめられてある。    手のひらに宝石を   それは君がくれた、たったひとつの言葉  エメラルドのラブレター        

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2015/04/21

透明で瑞々しいけど残酷な世界観。宝石の名前のついた詩はどれも好き。キラキラしてるけど最後に裏切られる。バイブル。

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2015/03/18

どきりとさせられる言葉が随所にみられ、瑞々しい感性にも触れられた。「そう 恋のまたの名はおばけだよ」などなど思春期に読んでいたらもっともっと心にきたであろう。でも読めて良かった。次は音読したい。

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2014/07/09

大変、美しい詩集でした。 この詩集を読むまで、はっきりいって私は詩に興味がなかったのですが、この詩集が持つスケールの大きさ、瑞々しさ、優しさ、美しさに心惹かれて、少しだけ詩を読むようになりました。

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2014/07/01

自分的には、もっと短歌的なものを・・・ って書こうと思ったのですがこれ詩集ですね 短歌集を買えばいい話ですよね

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2014/09/02

どうしても 宝石を手に入れることのできないぼくが かなしい だが 宝石を欲しがるぼくの心が もっとかなしい 「宝石」

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2014/03/16

愛や恋、海などを題材にした詩が多いのが印象的である。他にも短い物語なども見られる。 詩人の表現力の高さには驚かされるばかりである。身近な題材であるが、それをとことん追究する様子は一種の哲学のように思える。

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2013/10/02

短歌、俳句、詩、演劇と多彩なシーンで活躍していた寺山修司だが、今回は「少女詩集」。寺山本人が編集したのか、出版社によるものかは不明だが、タイトルに見られるように、比較的わかりやすい詩を集めている。ここでの詩のタッチは、中原中也の詩にもっとも近いかと思われる。「なみだ」、「海」、「...

短歌、俳句、詩、演劇と多彩なシーンで活躍していた寺山修司だが、今回は「少女詩集」。寺山本人が編集したのか、出版社によるものかは不明だが、タイトルに見られるように、比較的わかりやすい詩を集めている。ここでの詩のタッチは、中原中也の詩にもっとも近いかと思われる。「なみだ」、「海」、「宝石」、「愛」がキー・コード。また、篇中のいくつかの詩は天井桟敷のテラヤマ・ワールドを思わせるものや、「時には母のない子のように」など、カルメン・マキとアンダーグラウンドの時代を彷彿とさせるものもあって今は亡き寺山を偲べるものだ。

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2013/11/20

現実と非現実の狭間が不明瞭でかつ、不明確であるがゆえに無限の事象を目の当たりに出くわしてしまう詩集作品。奇才ならではの視点に圧巻、この人の目となりたかった。

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2013/05/19

これもまた読み応えのある詩集でした。 寺山修司って方は、すごい才能の持ち主だったってことが たった一冊のこの詩集で、誰にでも難なくわかるのです。 難しい言葉はありません。 誰もが奥底に潜ませる匣に持っているような さみしさや悲しみ。 追っても戻らぬ大事にしていたなにか。 今、...

これもまた読み応えのある詩集でした。 寺山修司って方は、すごい才能の持ち主だったってことが たった一冊のこの詩集で、誰にでも難なくわかるのです。 難しい言葉はありません。 誰もが奥底に潜ませる匣に持っているような さみしさや悲しみ。 追っても戻らぬ大事にしていたなにか。 今、夜の隅から捧げたくなるような愛の言葉とか 冬の海と空の風景とか 巴里のあやしげな裏町やサーカスや 良くできた機械人形に眩惑されるような 取り返しのつかない酩酊感があるだけです。 おそらく私もあなたも、よく見知っているはずです。 扉を開けて、無垢で凶暴で、切なかった頃に 出会いにいらしてください。 お勧めです。

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