リガの犬たち の商品レビュー
第二弾で、いきなりのスケールの大きさに圧倒。 願わくば、自作ではヴァランダーの相棒がいますように…。 偶然、二作連続で「スウェーデンとバルト三国」が舞台の作品を読了。地図を片手に読んだので、よりこのエリアを身近に感じる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
再読。こんなに激しい展開なのに、ヴァランダーが惚れっぽくてお腹が弱いところだけ覚えていました(前作でも早食いしてお腹を壊していましたね)。既読はここまで。“アルプスでのスキー“で本当は何があったのか、話せる相手は現れるのかな。孤独なヴァランダーに幸あれ。
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「死者ほど雄弁な者はいない」 と言ったのは十四世紀の劇作家ヒマーワリ・メーロンですが、誰にでも亡くなった人に想いを馳せて あの人ならこんな時どうしたろう?とか、あの人ならこんな時なんと言っただろうか?なんてことを考えたことが一度や二度はあったのではないでしょうか 本作の主人公...
「死者ほど雄弁な者はいない」 と言ったのは十四世紀の劇作家ヒマーワリ・メーロンですが、誰にでも亡くなった人に想いを馳せて あの人ならこんな時どうしたろう?とか、あの人ならこんな時なんと言っただろうか?なんてことを考えたことが一度や二度はあったのではないでしょうか 本作の主人公ヴァランダーも亡くなった同僚でもある先輩刑事リードベリに幾度となく意見を求めます 思慮深く冷静で経験豊富でヴァランダーの良き相談相手であり、導き手でもあったこの刑事は時にはその過去の言動から相変わらず有効なアドバイスをくれますが、時には黙して語らずヴァランダーをいなくなってしまった彼に哀愁を募らせます しかし自分にはその沈黙はヴァランダーに独り立ちを促しているように思えました だけど結局ヴァランダーはこの別れから立ち直ることなくぐずぐずと語り掛け続けるのです さらに今回もその惚れやすさにも改善は見られずに、悲しみのさなかにある女性にがっつりと情熱的な片思いをしてわが身を危険にさらします もう本当に男の愚かでどうしもない、そのくせ自分ではわりと悪くないと思ってるという男の痛い部分がよく描かれていて女性には読んでほしくない一冊と言えます 男ってほんとどうしようもない生き物だってことがばれてしまいますので、今後ヴァランダーの物語は「女人禁制」にして頂きたい!ってあれ?男がどうしようもないなんて女性にはすでにばれてます?しかもアダムとイブの時代から?あ、そうなんですね 失礼しました
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スウェーデンのミステリー作家ヘニング・マンケルの''ヴァランダー警部''シリーズ第2作です。 密輸船がバルト海を航行中に救命ボートを発見したが、乗っていたのはスーツを着た男2人で既に死んでいた。ボートはスウェーデン南部の海岸に流れ着き...
スウェーデンのミステリー作家ヘニング・マンケルの''ヴァランダー警部''シリーズ第2作です。 密輸船がバルト海を航行中に救命ボートを発見したが、乗っていたのはスーツを着た男2人で既に死んでいた。ボートはスウェーデン南部の海岸に流れ着き、イースタ署の冴えない中年男ヴァランダー警部が動き出した。 拷問され銃殺された2人は何処かで殺害されボートに捨てられたが、死体を隠す事も無く発見されるのを期待したかの様な手口や男達の身元、拷問の理由等、またしても困難な事件が冬の暗いイースタに降ってきた。 被害者の2人は、ラトビアの首都リガの犯罪者だった。リガ警察からイースタに派遣されたリエパ中佐は事件を引取り帰国した日に殺害され、ヴァランダーが捜査協力でリガへ派遣される事となった。今回の舞台は、バルト三国のラトビアです。歴史的には隣国ロシアに何度も侵攻され蹂躙されてきた国です。 本作は、1992年に刊行されてますがバルト三国は前年にロシアから独立したが共産や軍部の力が色濃く残った時期で物語もそんな政治状況に翻弄される気骨ある市井の人達を巻き込んで起きた事件です。 ヴァランダーは、今回警察官というよりスパイさながらの密入国、不法捜査を行ったが同期は、惚れっぽい性格が原因かも知れない。前作では検事の女性に、今作では被害者の未亡人に心を捉えられ前回同様に告白し無様な結果となる憎めないモテない冴えない中年だった。そんなヴァランダーが好ましいと感じる私でした。
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「刑事ヴァランダー」シリーズ第二弾 どうしようもなく「中年男」の主人公ヴァランダー、余計なお節介なんじゃないかなって思うラトヴィア行き 動機がまたまた「女性」目当てって、なんだかコメディドラマ? いえ、とってもシリアスなミステリードラマで、そのアンマッチが、ヴァランダーの魅力か...
「刑事ヴァランダー」シリーズ第二弾 どうしようもなく「中年男」の主人公ヴァランダー、余計なお節介なんじゃないかなって思うラトヴィア行き 動機がまたまた「女性」目当てって、なんだかコメディドラマ? いえ、とってもシリアスなミステリードラマで、そのアンマッチが、ヴァランダーの魅力かもしれません。 相変わらず推理というより「体当たり」で、映画「ダイハード」のジョン・マクレーン並みのハードワーク なぜ読者が主人公に寄り添う感覚があるかといえば、この物語がヴァランダー一人の目線のみで進行するからかな〜 だから主人公の困惑も疲労感も、すぐに読者に伝染する。 突然のシーンチェンジもなく時系列で進むから、あれこれ頭を働かせることなく一本道で読むことができる。 ぼちぼち好きです。
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ヴァランダーのシリーズ2作目。2作目なのにいきなりスウェーデンを飛び出し、独立後においてもロシア支配が色濃く残るラトヴィアが舞台です。事件の発端は密輸船の乗組員が漂流する救命ボートを発見し回収しようと手繰り寄せたところスーツを着た死体が2体乗っているのに気づき、沿岸まで牽引してき...
ヴァランダーのシリーズ2作目。2作目なのにいきなりスウェーデンを飛び出し、独立後においてもロシア支配が色濃く残るラトヴィアが舞台です。事件の発端は密輸船の乗組員が漂流する救命ボートを発見し回収しようと手繰り寄せたところスーツを着た死体が2体乗っているのに気づき、沿岸まで牽引してきたこと。歯の治療痕などから死体はラトヴィアのギャングであることがわかり、かの国の警察に引継ぎをするべく一人の刑事に来てもらいます。お互いに得意でもない英語で言葉少なに会話し黙って酒を飲んだリエパ少佐とヴァランダーはお互いに尊敬の念と親近感を持ちます。ラトヴィアに引継いだのでこれで一件落着したはずが、帰国したその日にリエパ少佐の身に起きたことによりヴァランダーは全く知らない土地であるラトヴィアに呼ばれ、良く状況がわからないまま大きな渦に巻き込まれてしまいます。距離的には近いラトヴィアとスウェーデンですが政治状況も歴史も社会制度も全然違っていて、ラトヴィアでは軍の支配の名残なのか警察の階級も大佐・中佐・少佐と称されているのでした。短い親交ながら信頼に足る人物とお互いに認め合ったリエパ少佐への義理という細い糸の繋がりだけで、土地勘も無く誰が敵で誰が味方なのかもわからないなかで、ほとんど不可能なのではないかというミッションを与えられて奮闘するヴァランダーの様子は、サスペンスの要素もあり、アクションもありながら、哲学的な思索もあって、不思議な作品でした。読み始めたばかりのシリーズでこの展開で少し戸惑いましたが、面白かったです。
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シリーズ2作め、ラトヴィア国なんて、本当に良く知らないから、世界地図見ながら、成る程ねぇ、こーゆー地理関係なのか!なんて感じ入りながら、読了! ラトヴィアで、事件解決なんて、ヴァランダー刑事さすがです!
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刑事ヴァランダーシリーズ第2作。 ある冬の早朝、スウェーデンの海岸に救命ボートに乗った二つの死体が漂着する。 彼らは誰で、一体どこから流れ着いたのか。 捜査協力のためバルト三国はラトヴィアの都市リガから、スウェーデンのイースタに派遣された警察官、リエパ中佐。 その彼が帰国...
刑事ヴァランダーシリーズ第2作。 ある冬の早朝、スウェーデンの海岸に救命ボートに乗った二つの死体が漂着する。 彼らは誰で、一体どこから流れ着いたのか。 捜査協力のためバルト三国はラトヴィアの都市リガから、スウェーデンのイースタに派遣された警察官、リエパ中佐。 その彼が帰国当日に殺害され、今度はヴァランダーがリガへ向かい・・・ 1990年代、ペレストロイカの煽りで揺れ動くラトヴィア国家。 その病巣を暴くべく革命を企てる活動家たちと協力しながら、事件解明へ動くヴァランダー。 活動家たちとヴァランダーの接触は絶対に知られてはならない。そのために、現実とは思えない(いや小説なんだけども)危険を冒しながら体当たりの捜査を進めるヴァランダーの活躍と、ド派手なアクションシーンに今作もアドレナリン全開! 行ったこともないのに、想像の中でのラトヴィアの暗く寂しい風景が頭を離れない。 はぁー、面白かった・・・。
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途中からソ連が崩壊する前後のラトヴィアを舞台にした物語に転換。旧共産圏社会が興味深いことと、ヴァランダーがラトヴィアに潜入した後のスリルある展開が面白い。翻訳が優れているためか読みやすかった。シリーズ1作目よりこちらの2作目のほうが個人的には好き。
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キナ臭い世界(社会)情勢をテーマにしているもののそうした問題性を映した物語としては凡庸というか残念な作の印象。ルポ(報道)が伝えるところの圧政(暴政)の現状など易く知ることが出来るワケで、そこ(ラトヴィア)に招かれてほとんど旅行客然の主人公の暢気さに対しては、いくらなんでも・・の...
キナ臭い世界(社会)情勢をテーマにしているもののそうした問題性を映した物語としては凡庸というか残念な作の印象。ルポ(報道)が伝えるところの圧政(暴政)の現状など易く知ることが出来るワケで、そこ(ラトヴィア)に招かれてほとんど旅行客然の主人公の暢気さに対しては、いくらなんでも・・の認識(思慮)の不足がうかがえるように思われた(言い過ぎか?)。しかしそれでも惚れっぽい主人公ヴァランダーの人間臭さの魅力はよくとらえられ、また物語展開の緊張感あるその最中にも巧くユーモアを織りこんだ筆致はよかった。終盤は緊迫感ある展開で惹きこまれはしたのだけれどやはりもう少し物語に厚みが欲しかった。
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