共生虫 の商品レビュー
私、村上さんのほんはちょっとついていけない気がしている。村上はるきさんと同様のあることについて語りすぎ口調があって「もうそのことについてはいいよ」といいたくなるときがある。
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ネット社会が舞台。 引きこもっていたウエハラを殺人に導いたのは、共生虫と言う名の使命感だったのか。 全ての事に動揺を見せず、疑いも持たない、ウエハラの無駄のなさは、無知から来る強みのように思えた。
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ネットを知らない引きこもりの男がネットを知る。素直すぎるがゆえに、散在する情報がそのまま彼の行動を支配する。 「やり遂げた」主人公の高揚感が不気味で恐ろしいが、不思議と清々しさも感じる。 一定のエリア内でしか動いていない主人公の一挙手一投足を、まるで大冒険のように描くところも、...
ネットを知らない引きこもりの男がネットを知る。素直すぎるがゆえに、散在する情報がそのまま彼の行動を支配する。 「やり遂げた」主人公の高揚感が不気味で恐ろしいが、不思議と清々しさも感じる。 一定のエリア内でしか動いていない主人公の一挙手一投足を、まるで大冒険のように描くところも、滑稽さと不安感を煽る。 一方で、もっとエンターテイメントとして、真相解明にコミットしてくれても良いかなと思う。不完全燃焼感と村上春樹感を凄く感じた。
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2000年発表、村上龍著。引き籠もりウエハラは体内に宿った「共生虫」をきっかけにしてインターネット上で謎の組織インターバイオと繋がりを持つ。外に出るようになった彼はインターバイオとのメールでのやり取りを通し、やがて殺人を犯すにいたる。 面白いといえば面白いのだが何かが物足りな...
2000年発表、村上龍著。引き籠もりウエハラは体内に宿った「共生虫」をきっかけにしてインターネット上で謎の組織インターバイオと繋がりを持つ。外に出るようになった彼はインターバイオとのメールでのやり取りを通し、やがて殺人を犯すにいたる。 面白いといえば面白いのだが何かが物足りないと感じた。村上龍の文章は、特に暴力描写や性描写になると異様なまでの生々しさを帯びる。それがこの小説にはあまり感じられなかった。おそらく著者は実際にこういう引き籠もりになったことがないのだろう。引き籠もりのことをある程度調べて、後は推測で書いた感がある。だから文章もストーリーもどこかぎこちない(例えば、引き籠もりの話なのにゲームや漫画などのサブカル的な要素が全く描写されていない点。主人公がゲームをしていたという事実自体は書かれているにもかかわらず)。 この小説を書いたあたりから著者が本格的に年をとってきたことが影響しているのかもしれない。私は村上龍が好きなのであえて言いたい。もっと皮膚に食い入るような文章を書いてくれ、と。
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不思議な感覚の作品。読み進めるうちにその独特な世界観にどんどんと引き込まれていった。今読むからこそ感じるのは、この作品が書かれたのが90年代末になるので、インターネットもこれから社会に浸透していくような未熟な時代に、これから始まるネット社会の到来を予期するばかりでなく、そこに蔓延...
不思議な感覚の作品。読み進めるうちにその独特な世界観にどんどんと引き込まれていった。今読むからこそ感じるのは、この作品が書かれたのが90年代末になるので、インターネットもこれから社会に浸透していくような未熟な時代に、これから始まるネット社会の到来を予期するばかりでなく、そこに蔓延る新たな社会的問題を先読みし、警鐘するかのような鋭さがあると個人的に感じた。
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歪みに歪んだ主人公の描き方が不気味で良い。人間の皮を被った怪物のようなその人物像と、タイトルの「共生虫」という言葉がもたらすイメージが妙に符合している様に感じる。
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言葉には 何らかの意味を 伴って 表現される。 暗号じみた 記号のような言葉が どんな意味を持っているのか? そのことを 記号から離れて 考えてみる。 「ひきこもり」という状態は、 物理的な意味で 穴倉の中にいるような 穴倉に生息する 生物 の状態を言うのであろう。 しかし、そ...
言葉には 何らかの意味を 伴って 表現される。 暗号じみた 記号のような言葉が どんな意味を持っているのか? そのことを 記号から離れて 考えてみる。 「ひきこもり」という状態は、 物理的な意味で 穴倉の中にいるような 穴倉に生息する 生物 の状態を言うのであろう。 しかし、それだけでは 正確に 「ひきこもり」 を表現したことにはならない。 外部とのコミュニケーションを拒絶することに 「ひきこもり」の特徴が存在する。 「ひきこもり」は 「ひきこもり」の状態を 言葉で説明する必要はない。 もっとも コミュニケーションのスツールである 言葉を 拒絶することであり、 言葉を使って ひきこもり を説明することは 矛盾しているのである。 そして その唯一の発露が インターネットという手段が 引きこもりを脱出するひとつの手段となる。 リアルでない もうひとつの向こう側の世界と 交信することで ひきこもりの 存在空間は 飛躍的に拡大する。 それは 意識とコミュニケーション の拡大である。 実在的なことはいらない。 現実というものは 消去されてもいい。 物理的な世界から 非日常的な空間に 紛れ込んで あらゆることが 発信でき 受信もできる。 そこで積み重ねられた 非日常は日常を超えて肥大する。 共生虫で、 ウエハラは、中学生のときから 「ひきこもり」をはじめて 八年になろうとする青年である。 誰とも口をきかず、外に出歩くこともなく、 一日じゅうテレビを観たりゲームをしたりする 母が連れて行く病院にいくのが 現実で 現実は 抗ウツ剤 をウエハラ にくれる。 ウエハラは 現実のかかわりの中で 抗ウツ剤を飲む。 現実に関心をなくしているウエハラは ニュースキャスターのサカガミヨシコを知り、 そして サカガミヨシコに興味を持つ。 そのためにノートパソコンを買ってもらい、 インターネットで彼女のホームページにアクセスするようになる。 そこから ウエハラの世界は 非日常の世界が 広がっていくのである。
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やっぱり龍さんは安定の面白さ。 初めて「透明に限りなく近いブルー」を読んだとき。大学1年生の時でした。皮膚感覚的な痛さ。後味の悪さ。村上龍はちょっとキツイ、合わないかも。と思ったものでしたが、何作か読んで行くうちに、スカッとするようになりました。笑 村上龍作品を楽しむには、ある...
やっぱり龍さんは安定の面白さ。 初めて「透明に限りなく近いブルー」を読んだとき。大学1年生の時でした。皮膚感覚的な痛さ。後味の悪さ。村上龍はちょっとキツイ、合わないかも。と思ったものでしたが、何作か読んで行くうちに、スカッとするようになりました。笑 村上龍作品を楽しむには、ある種の慣れが必要なんじゃないかと思います。 今回、共生虫を読みながら、毒ガスを使うシーンでは、私の中の野次馬がウエハラに「いいぞ!もっとやれ!」と野次を飛ばしていました。 しかしながら、世の中にウエハラのような人がいるとしたら、結構本気で怖い。 街には不審者や、ちょっと変わった人も居ますが、相手も人間ですし、危害を加えてくるような存在ではないだろうとたかをくくっている部分がありました。 ウエハラのような人は、こちらの理解の範疇を超えているので、当人の中で理論が成立して物事が生じてしまう怖さがありますね。 世の中の引きこもりな方々を敵に回した小説なんじゃないの?と、穿った見方もしてしまいましたが。笑 全体的には比較的ライトで面白い小説だと思いました。 2000〜2006年くらいのインターネットの雰囲気がとても懐かしくて、その点でも好きです。ただ題材がネットなので、この小説が古臭くなるのが不安です。
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ひきこもりの少年がインターネットで知り合った人たちからの不確かな情報をつなぎ合わせて、狂人と化していく様を描いた作品。 狂人と化すというか、元々狂ってるっぽくて十分素質のある少年なんだけど。 人って、ほんのちょっとのきっかけで狂うことができると思うんだけど、それって誰にでも起こ...
ひきこもりの少年がインターネットで知り合った人たちからの不確かな情報をつなぎ合わせて、狂人と化していく様を描いた作品。 狂人と化すというか、元々狂ってるっぽくて十分素質のある少年なんだけど。 人って、ほんのちょっとのきっかけで狂うことができると思うんだけど、それって誰にでも起こりうることなのかしら? それとも、元々素質のある人に限ってのことなのかしら? 先日も渋谷駅で男性が刺される事件が起きて、「体がぶつかったから刺した」ってことらしいけど、それってもう狂ってるよね? どうしたらそんな風になっちゃうのかな? 残念ながら、この作品にそのお答えはない(笑)。 いつものグロテスクな村上作品。
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引きこもりウエハラ、ホント狂ってる・・・最後はどうなるのかと期待したが、後味悪すぎ。好き嫌い分かれますね。
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