メディア・コントロール の商品レビュー
Sat, 21 Aug 2010 「そして,民主主義のもう一つの概念は,一般の人々を彼ら自身の問題に決してかかわらせてはならず,情報へのアクセスは一部の人間のあいだだけで厳重に管理しておかなければならないとするものだ.」 ざっくり差し込んでいる. ノーム・チョムスキーといえ...
Sat, 21 Aug 2010 「そして,民主主義のもう一つの概念は,一般の人々を彼ら自身の問題に決してかかわらせてはならず,情報へのアクセスは一部の人間のあいだだけで厳重に管理しておかなければならないとするものだ.」 ざっくり差し込んでいる. ノーム・チョムスキーといえば生成文法で有名な言語学者.それが,メディア批判とはどういうことか?と思ったが,納得いった. あまり知らなかったが,知識人としてこういう批判を長くやっているらしい. 民主主義社会における.メディアの言語活動やそれに基づいた大衆誘導はウヴェ・ペルクゼンの 「プラスチック・ワード―歴史を喪失したことばの蔓延」でも,指摘されていた. チョムスキーは,大衆誘導の仕組みを赤裸々に指摘する. よく考えると言語学とマスメディア批判は言語活動を軸として,接点が大きい.ということか. チョムスキー談 「二大政党といっても財界という党の二つの派閥に過ぎない」 投票に行きさえすれば,民主主義国家の一員として施政側にコミットしていると考えるのは,現実のダイナミクスを理解できていない. それで実現される民主主義とは,結局冒頭のチョムスキーの語るものにすぎないだろう. 第二次大戦でアメリカが日本に勝ったのは, 「情報」に対する取得能力,操作能力が圧倒的に卓越していたからだと思う. 「戦争と情報」など 現代でもメディアを通した情報戦は続いている. 情報人材として,改めて思う,せめてもの救いは ブログやYoutubeのようなメディアは,これまでのようなメディアコントロールを困難にする・・・. それが,よりよい民主主義社会の構築に向かうエンジンになってくれることが期待される.多分,情報革命の真の成果は政治の革新にあらわれる. とりあえず,一読をオススメする.
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メディアの責任ってなに?自分等になんの関係あんの?と思う方に読んでもらいたい。戦争と民主主義、メディア、これらは遠くの出来事のようで身近だと思えます。 アメリカが言うテロとは、罪とは、??です。ただし、日本も加担してることは間違いなく、憲法改正案があるなか、本書にでてくる、買っ...
メディアの責任ってなに?自分等になんの関係あんの?と思う方に読んでもらいたい。戦争と民主主義、メディア、これらは遠くの出来事のようで身近だと思えます。 アメリカが言うテロとは、罪とは、??です。ただし、日本も加担してることは間違いなく、憲法改正案があるなか、本書にでてくる、買ったもの勝ち、負ければ罪を認める姿勢ほ子供でもダメとわかりそうなのに、、、 そして、言論統制などされていない、知識人やメディアが伝えるかもしくは、個々人が得にいけば多くのことは公であるというアメリカ、やはりメディアが伝道師となり伝える責任は大変なものだと思う。
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NHK出版の"知の逆転"をきっかけに、チョムスキーを読んでみた。メディアコントロール、火星人のジャーナリスト、辺見庸との対談、という構成からなる。 扱われるテーマは、イラク、湾岸戦争、テロなどである。 人々をコントロールする最良の方法は、恐怖に陥れることであ...
NHK出版の"知の逆転"をきっかけに、チョムスキーを読んでみた。メディアコントロール、火星人のジャーナリスト、辺見庸との対談、という構成からなる。 扱われるテーマは、イラク、湾岸戦争、テロなどである。 人々をコントロールする最良の方法は、恐怖に陥れることである、と。我々がメディアリテラシーを求めない限り、"民主主義"という隠れ蓑において、容易にコントロールを受けてしまう。 ふと、秘密保護法案と、メディアが組めば、"最強のコントロール"になるのではないか、とも危惧が生じてしまった。
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アメリカ政府の対外政策を徹底して批判するチョムスキーの姿勢はこないだのサイードと一緒で好きなスタンス!アメリカの言論統制なんて統制のうちにも入らない。という話は特に読んでて刺激的だった!
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メディアについてわかっているつもりでも、ここまで深く指摘されると、何もわかっていなかったのではないかという気になります。
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<印象に残ったところ> 情報公開もちゃんとしてて、言論の自由が保証されている環境の中でも、メディアによって情報がコントロールされることで、知らぬ間に多くの犠牲者を生み出している可能性があるということ。 近現代世界史を忘れてしまっていて、ヤバい!もう一度読みます。
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米国の哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者。 マサチューセッツ工科大学教授であるノーム・チョムスキー氏の著書。 そして米国の軍事行動を批判し続けてきた。 正直、前半は面白くなくて、読み飛ばしましたが、終盤の逸見氏との対談の部分から面白くなり、イラク戦争に関して述べている事柄に...
米国の哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者。 マサチューセッツ工科大学教授であるノーム・チョムスキー氏の著書。 そして米国の軍事行動を批判し続けてきた。 正直、前半は面白くなくて、読み飛ばしましたが、終盤の逸見氏との対談の部分から面白くなり、イラク戦争に関して述べている事柄について、”本当?”と思えることを述べている。 そんな米国の外交について理解する事ができます。日本に対してもこれに法っているのかもしれないと思い、もっと調べてみたい気持ちとなりました。
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同時代的なことを話題にしている著書は,書かれた後の世の中の動きがそのまま「著者の予想があっていたかどうか」の検証となります。 「歴史の見方考え方」を養うときには,そんな本の読み方も必要でしょう。 福島原発事故後の「後出しジャンケン」のような本の出版を見るにつけ,社会を見る眼...
同時代的なことを話題にしている著書は,書かれた後の世の中の動きがそのまま「著者の予想があっていたかどうか」の検証となります。 「歴史の見方考え方」を養うときには,そんな本の読み方も必要でしょう。 福島原発事故後の「後出しジャンケン」のような本の出版を見るにつけ,社会を見る眼の大切さを感じました。 チョムスキーは,まれに見る「知識人」ですね。日本にはこんな人いるのかなあ。本多勝一くらいか…。
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この本は他に優れたレヴューがたくさんありますので、簡潔に スゴイなこの本は、今の日本にまともな知識人がどれだけいるか? こころもとない所です。 今月(2012年10月9日)に出る『アメリカを占拠せよっ!』も是非読んでみたい。
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新書なのでさらっと読めた。 単純な善悪の二項対立では語れない政治的意図による大衆へのメディアコントロール。 他人の罪をみつけること、責めることはたやすい。 しかし重要なのは自分を見つめること。 統制からの解放軍がやがて新たな統制へと変貌し続ける可能性を見越して自分の目で現実を見極...
新書なのでさらっと読めた。 単純な善悪の二項対立では語れない政治的意図による大衆へのメディアコントロール。 他人の罪をみつけること、責めることはたやすい。 しかし重要なのは自分を見つめること。 統制からの解放軍がやがて新たな統制へと変貌し続ける可能性を見越して自分の目で現実を見極める努力をやめないことが重要かなとおもった。 少なくとも今世紀はそうした懐疑の視点を持つことを許されるほどには国民は多様化しているし、多様な組織化も許されている。 最適環境は自分の成長度によってたえず変わるし、そうやって変わっていくことを楽しめれば現代に生まれたことがきっと幸運であるとおもえる。
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