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銀の鍵 の商品レビュー

3.2

38件のお客様レビュー

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2012/09/29

角田光代さんの「銀の鍵」を読んだ。 筆者あとがきによると、この物語はアキ・カウリスマキ監督の2002年映画「過去のない男」を観て書いた「感想文」だという。私はこのことを知らないままに本を読んだのであるが、正直あとがきを読むまで、映画を観て書いたということには気付かなかった。角田さ...

角田光代さんの「銀の鍵」を読んだ。 筆者あとがきによると、この物語はアキ・カウリスマキ監督の2002年映画「過去のない男」を観て書いた「感想文」だという。私はこのことを知らないままに本を読んだのであるが、正直あとがきを読むまで、映画を観て書いたということには気付かなかった。角田さんは「オマージュでもない」と書いているが、そう言われると私には、角田さんの「過去のない男」へのオマージュに思えた。 「過去のない男」は素晴らしい映画作品で、私も強く印象に残っている。地味な内容の映画なのであるが、しんみりと心を打つ作品である。主人公の中年男は残酷な悪意で過去の記憶を失う破目になるのが、過去の記憶が無くとも人の「善意」というものの暖かさを理解する部分は失わずにすむらしいと角田さんはホッとしている。私がすごく面白いな(あとがきで)と思ったのは、全く記憶を失ったとしても、善意に触れていると内なるものと共鳴して「善意」を理解する、というようなくだり。角田さんは「性善説ではない」と断わっていて、もっと根源的なものを感じているようである。この感覚には私も非常に共感を覚える。 この映画「過去のない男」は音楽がとても良かった記憶がある。 サウンドトラックCDを調べてみると確かに面白そうだ。 この映画も、もう一度DVDを観てみようかな。

Posted byブクログ

2017/11/09

とっても薄くてサラリと読めそうだったので読んでみました。 あとから、あめん坊さまのレポに気がつき、ナルホド、ナルホドと。 ハッと気がついた「わたし」は、自分が誰で何をしていたのか、さっぱりわからない。言葉も通じない見知らぬ待ちにポツンと一人でいた・・・。 ポケットにはお金もなく...

とっても薄くてサラリと読めそうだったので読んでみました。 あとから、あめん坊さまのレポに気がつき、ナルホド、ナルホドと。 ハッと気がついた「わたし」は、自分が誰で何をしていたのか、さっぱりわからない。言葉も通じない見知らぬ待ちにポツンと一人でいた・・・。 ポケットにはお金もなく、身分証明書らしきものもない、 困り果てたわたし。さあ、どうしよう。 自分がこのような境遇になったらどうしよう。痴ほう症のご老人が名札や住所を書いたメモを身につけているように、いつも何かしら身分を証明するものを持ち歩いていなければならななあ。 と現実的な心配をしましたが、確かに、記憶がなくても人の親切や優しい心はわかりあえるもの。それがあるだけでもなんだか心温まる話でした。 作者の意図は、やはり最後のあとがきを読まないとわかりません。アキ・カウリスマキ監督の最新作「過去のない男」の感想文だそうです。作者の生み出した「過去のない男」といったところでしょうか。 過去への扉を「銀の鍵」と称しているところが女性っぽいですが、小説として読むにはやはりちょっと面白みに欠けるかも・・・。 挿絵つきの中学・高校生向きのエッセイならいいかもしれません。

Posted byブクログ

2012/08/27

フィンランド映画「過去のない男」を見た作者が書いた「映画感想文小説」です。 「過去のない男」のあらすじを読んでみましたが、まずフィンランド映画に親しみがなさ過ぎて興味も持てず、深夜TVででもやれば観てもいいかな、とすら思えませんでした。 そこへ更に「映画感想文小説」ですよ。 作...

フィンランド映画「過去のない男」を見た作者が書いた「映画感想文小説」です。 「過去のない男」のあらすじを読んでみましたが、まずフィンランド映画に親しみがなさ過ぎて興味も持てず、深夜TVででもやれば観てもいいかな、とすら思えませんでした。 そこへ更に「映画感想文小説」ですよ。 作家とは何でも食い扶持にするものだな、と感心します。 映画は見てないし見る気も無いので小説だけを独立させて考えようと思っても、この小説自体角田光代の十八番「読者置いてけぼり」の総体制とも言える仕上がり。 特にラストの「それで終わるの?はぁ!?」と言わせてくれましたし軽くキレましたw この拙いお話でもラストを何とかすれば読後感も良くなるのに、しかしラストをきちんとしてしまうと「この本読むくらいなら『過去のない男』観たほうがよくね?」となりそうです。 角田光代にしか書けないようなラストをちゃんと提示すれば少しはマシになるものを・・・、いやこの読者置いてけぼりこそが角田光代そのものだしな!と自嘲的になってみたりもします。 100%ORANGEの挿絵が好きな人は買いたくなるかもしれませんが、図書館で借りたタダ読みですらむしろ10分少々の時間が惜しくなる本でした。

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2012/02/21

装丁と、100%orangeの挿し絵に魅かれて読みました。 オチが?で、残念です。 でも、途中までは良かった。 「過去のない男」観てみたい。

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2012/01/09

覚えていたり、忘れてしまったもの。 そのどちらでもなくあるもの。 なくしちゃいけない なくせないもの。

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2012/01/07

小さな図書コーナーの隅にあったので読んでみた。ハッピーエンドなのかバッドエンドだったか忘れてしまったけど何だかずっと心に残っている。ぼんやり、良い話だったのを覚えている。

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2011/09/07

100%orangeの挿絵で角田光代の小説、とくれば読まないわけにはいかなくなった。内容は不思議な感じでよくわからないぞ?と思ったら、これって映画の感想文だったのね!だとすると企画自体が面白いと感心。

Posted byブクログ

2010/11/12

『過去のない男』はみてないけど、角田さんと100%ORANGEさんのファンとしてはお宝です。挿絵のすべてが角田ワールドにしっくりきてて、感動!

Posted byブクログ

2010/05/06

アキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」へのアンサーストーリーだそう。 「過去のない男」は見た事ないのだけど、それでも十分味わえる一冊。観たら観たでまた違ったイメージになるだろうから二度味わえてお得ですね。今度観てみよう。 一切の記憶をなくして何故か異国の広場に居る主人公。どこ...

アキ・カウリスマキ監督の「過去のない男」へのアンサーストーリーだそう。 「過去のない男」は見た事ないのだけど、それでも十分味わえる一冊。観たら観たでまた違ったイメージになるだろうから二度味わえてお得ですね。今度観てみよう。 一切の記憶をなくして何故か異国の広場に居る主人公。どこの鍵か分からない鍵をポッケに入れて。 鍵って、どこかに自分を受け入れてくれる場所があるっていう象徴のようなもの。安心感でもあり、縛りでもあり。 100%orangeの挿絵がとてもかわいい。絵本のように薄い本なのでサクっと読める。ゆっくりとお茶でも飲みながら、反芻するように読んでみると楽しいかも。

Posted byブクログ

2010/01/24

あとがきを読むまで何のことやらさっぱりだったのですがあとがきで納得。といっても私はアキ・カリウスマキ監督の「過去のない男」は観ていないんですけど。

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