東ゴート興亡史 の商品レビュー
民族大移動の時代: ゲルマニアとローマ ドニエストルと国会へ フン禍 東ゴート族とアッティラ プリスクスの記録 アッティラとフン王国の最期 イタリアの東ゴート王国: 手尾デリック、イタリアへ 王位承認交渉 円威外交 宗教問題 テオデリックの晩年と死: 跡継ぎ つづく乱 ユスティニ...
民族大移動の時代: ゲルマニアとローマ ドニエストルと国会へ フン禍 東ゴート族とアッティラ プリスクスの記録 アッティラとフン王国の最期 イタリアの東ゴート王国: 手尾デリック、イタリアへ 王位承認交渉 円威外交 宗教問題 テオデリックの晩年と死: 跡継ぎ つづく乱 ユスティニアヌス一世とその世界: テオドラ ニカの僧堂 対ヴァンダル戦争 破滅への道: アマラスウィンタとテオダハド ウィティギス トティラ テヤ 歴史にifは禁物 ifを想定してみたい誘惑の強さ→古来それが禁物とされてきたのだろうか
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図書館で借りた。 いわゆる古代から中世に切り替わる大変動の時代「民族大移動」だ。北から東から異民族が襲ってきて、ローマの大国を切り崩していった、というのは歴史で学ぶ。歴史の授業ではフランクだランゴバルドだ東ゴート・西ゴートだのと、「たくさん国ができましたね」で流される。そのうちの...
図書館で借りた。 いわゆる古代から中世に切り替わる大変動の時代「民族大移動」だ。北から東から異民族が襲ってきて、ローマの大国を切り崩していった、というのは歴史で学ぶ。歴史の授業ではフランクだランゴバルドだ東ゴート・西ゴートだのと、「たくさん国ができましたね」で流される。そのうちの一つ、「東ゴート」についてスポットを当てたのが本書だ。 イタリア半島を制覇し、王国を建ててフランクに攻められて解体していく。3,400年という期間であり、その興亡史が語られる文庫本。 「はじめに」で記述される酒場の会話が印象的で、私にとっては「民族大移動の時代も、攻める方も攻められる方も、人間だったんだよな」と再認識させられた。どうも遥か昔の教科書の記憶が、非現実的な印象で悪魔のような侵略者と可哀想な被侵略者という構図で凝り固まっていたようで、想像に欠けていたようだ。 この本で「どんな時代だったのか」「人々はどんな思いでいたのか」「アッティラやテオドリックといった人物は人々にどう影響したのか」をプラス知識としてinputされた気がした。
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現時点で、唯一和書で読める東ゴートの歴史本。ゲルマン民族による大移動で、西ローマ帝国が崩壊して、その後、ゲルマン民族の国が乱立した。本書は、東ゴート王国の流れを一通り把握できる。用語、人物名の索引がないのが難点だが、それでも、世界史ではあまり注目されない王国を読めるのは本書は貴...
現時点で、唯一和書で読める東ゴートの歴史本。ゲルマン民族による大移動で、西ローマ帝国が崩壊して、その後、ゲルマン民族の国が乱立した。本書は、東ゴート王国の流れを一通り把握できる。用語、人物名の索引がないのが難点だが、それでも、世界史ではあまり注目されない王国を読めるのは本書は貴重である。最も意外な点として、ゲルマニア、とりわけバルト海では琥珀がよく採れており、言われるほど、ゲルマン人の扱いは悪くなかったということである。
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地図と年表がもう少し充実していてほしい。本編中の人物名や地図の索引、家系図も欲しい…と思うのは欲張りすぎ? ゴートとローマ帝国のつながり、この先何を資料とすればよいか知る、その手がかりを示してくれる。
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タイトル通り、東ゴート族の興亡を描く。 どちらかと言えば、主要人物の行動を中心とした記述。 著者自身歴史学者ではないので、歴史的な考証は行わず、ひたすら東ゴート族の動向を描写する。 日本語で読める一般向け書物で、東ゴート族に特化した本はほかに無いのではなかろうか。 そういう意...
タイトル通り、東ゴート族の興亡を描く。 どちらかと言えば、主要人物の行動を中心とした記述。 著者自身歴史学者ではないので、歴史的な考証は行わず、ひたすら東ゴート族の動向を描写する。 日本語で読める一般向け書物で、東ゴート族に特化した本はほかに無いのではなかろうか。 そういう意味では貴重である。 テオドリックくらいしか知らなかっが、その前後史においても語るべき人物や出来事は結構起こっているし、親ローマ的な政策を取っていた東ゴートが、どのような経緯で東ローマに滅ぼされることになったのかを知れたのは良かった。 一方で、個人の行動や特に軍事的な側面にばかり着目し、統治政策や外交政策等の面から当時の国際関係を捉えるような、一歩引いた記述が少ないのが物足りない。 この時代のゲルマン民族の動向は、常に近隣諸族やローマ・カトリック教会、そして東ローマ帝国との国際関係の中で、絶えず揺れ動いていた時期である。 にも関わらず、重要な戦の布石となる、①東ゴート王家の統治の基本方針や具体的な施策、②近隣諸族の動向とその動機、というあたりにはあまり目配せがなく、東ゴートが戦乱に明け暮れなければならなかった理由が見えづらいし、5~6世紀の戦乱の世を東ゴート王がどのように泳いで渡ろうとしていたかが見えづらい。 (例えば、テオドリックは親ローマ的施策を推進して、法律や税制やその他文化的側面も含め、ローマ文化を尊重していたような記述を他の書物で見たが、本書ではただ東ローマ皇帝から如何にイタリア統治の大義名分を得たか、、、という面しか触れられていない。) そんなわけで、結構詳細に事跡を追っている分、却って「もっと詳しく説明して」と思えてしまう、もどかしい一冊。
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ローマ史を読んでいると実に様々な民族が登場する。 ローマほど多様な民族と関わり合ってきた国は無いのではないだろうか? ローマの歴史に興味があれば、自然とこれらの民族についても知りたくなるのが人情であろう。 ゴート族はゲルマン系の一民族であるが、西ローマ帝国を滅亡させたことで有名で...
ローマ史を読んでいると実に様々な民族が登場する。 ローマほど多様な民族と関わり合ってきた国は無いのではないだろうか? ローマの歴史に興味があれば、自然とこれらの民族についても知りたくなるのが人情であろう。 ゴート族はゲルマン系の一民族であるが、西ローマ帝国を滅亡させたことで有名である。 ゴート族は、西ゴート族と東ゴート族に分裂しそれぞれ異なる行動をとる。 この本では、主に東ゴート族を扱っている。 ページ数も手ごろで、東ゴート族の起源から彼らの王国の滅亡までの歴史を知ることができるる良書だと思う。 この本を読むといかに東ゴート族の歴史が波乱に富んでいたかが実感できる。 北欧から南ロシアまで移動したかと思うと、遊牧民のフン族に蹂躙され、一時期彼らと行動を共にしたり。 その後、イタリアに渡り西ゴートの王国を滅ぼし、東ゴート王国を建国するが、東ローマ帝国に滅亡させられてしまう。 しかしながらもし東ローマ帝国にユスティアヌスのような強力な皇帝が出ず、彼らが少し運に恵まれていたなら彼らの王国は、さらに長く存続していたかもしれない。
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つとにヨーロッパの歴史の舞台から退場し去ったゲルマンの一部族、ゴート族。その初期の移動から、かつてのローマ帝国の本拠地イタリアに名君テオドリック王の下で東ゴート王国を築きながらも、ビザンティン帝国に滅ぼされるまでの苦闘と盛衰の歴史を、書き下ろしで描く壮大な歴史読物。
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西洋史は現代政治までつながるので 勉強した方がいいね。 あと外人との駆け引きとして宗教分析もね。
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西ローマ帝国を滅ぼしたオドアケルを倒し、イタリアに王国を築いたテオドリック大王からその後ユスティニアヌスの東ローマ帝国に滅ぼされるまでの東ゴートの興亡史。とにかく闘いの連続で読んでいて目が回るほど(笑)基本的には「力ある者が隙あらば頂点に立つ」という原則に実に忠実な民族と言えそう...
西ローマ帝国を滅ぼしたオドアケルを倒し、イタリアに王国を築いたテオドリック大王からその後ユスティニアヌスの東ローマ帝国に滅ぼされるまでの東ゴートの興亡史。とにかく闘いの連続で読んでいて目が回るほど(笑)基本的には「力ある者が隙あらば頂点に立つ」という原則に実に忠実な民族と言えそうかな。西はフランク、東はビザンツに挟まれたゴートの民族がイタリアを席巻し、案外良政を敷いていたというのもちょっと意外。だからテオドリックは「大王」と尊称されているワケか…結構知らない空白の時間をわかりやすく知ることができた。
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150年ごろスカンジナヴィアに起源を持つゴート族がドイツ、ポーランド地方に移住してきた。気候の寒冷化によるものと言われている。時はながれローマ帝国の東西分離とフン族の侵入、そして西ローマ帝国を滅亡させ、イタリアの支配者として絶頂を迎えて滅亡するまでの500年を記した歴史書。ハイラ...
150年ごろスカンジナヴィアに起源を持つゴート族がドイツ、ポーランド地方に移住してきた。気候の寒冷化によるものと言われている。時はながれローマ帝国の東西分離とフン族の侵入、そして西ローマ帝国を滅亡させ、イタリアの支配者として絶頂を迎えて滅亡するまでの500年を記した歴史書。ハイライトは約100年足らずの興隆と凋落。あまりにも短い覇権であったが、短いだけにめまぐるしい。ゲルマン民族とフン族の違い、ゲルマン民族のローマ化。東ローマ帝国(ユスティニアヌス帝)のローマ復興の思惑と東ゴート族のイタリア王国化、東ゴート族同士の権力闘争・・・。 東ゴート族は東ローマ帝国に紛糾され、フランク王国に侵食され、ついにスラブから移動してきたロンゴバルド族に滅ぼされた。ロンゴバルト族は北イタリアを支配し現在のロンバルディア地方にその名を残す。南イタリアは東ローマ帝国の支配下に。そのロンゴバルド族もフランク王国に滅ぼされることに。それによりカール大帝のローマの戴冠へ・・・。こうして歴史は続くのであった。 こんなにヒーローが多いとイタリアの歴史の授業は大変じゃろうな。
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