文士と姦通 の商品レビュー
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川西政明「文士と姦通」、2003.3発行。①人妻俊子との姦通で2w牢獄に入った北原白秋。その後結婚、離別。章子と再婚するも、章子も姦通で家出 ②秀しげ子と姦通で中国に逃避した芥川龍之介、自殺の原因もこれか ③佐藤春夫だけでなく、北原白秋にも絶交された谷崎潤一郎、恋愛の機微に疎いのか ④宇野千代の奔放な人生は他を寄せつけずw ⑤岡本かの子の学生や医者への姦通を公認した岡本一平 ⑥窪川鶴次郎の2度の姦通を小説にした佐多稲子、その後稲子も姦通を ⑦波多野秋子と縊死心中した有島武郎 ⑧茶屋の仲居に金を渡し片をつけた志賀直哉 ⑨姪のこま子に手をつけ妊娠させ、3年間パリに逃げた島崎藤村 ⑩「それから」「門」、姦通小説の元祖、夏目漱石。兄嫁登世との姦通は「?」。
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タイトルは刺激的ですが、文士の女関係のスキャンダルと、それを通じて彼らが社会のなかでどういう目で見られていたのかがまとめられています。 この本を読むまでは、1880年制定の刑法における姦通罪が男性優位だったことと、文士といえばクズが多いイメージがあったことから、「男/文士の甲斐性...
タイトルは刺激的ですが、文士の女関係のスキャンダルと、それを通じて彼らが社会のなかでどういう目で見られていたのかがまとめられています。 この本を読むまでは、1880年制定の刑法における姦通罪が男性優位だったことと、文士といえばクズが多いイメージがあったことから、「男/文士の甲斐性」的にとらえられていたのかと思ったら普通に社会から白い目で見られていたのですね。 あと、島崎藤村『旧主人』(1902)が速攻発禁になったことに対して、それから10年も経っていない漱石の門三部作などが社会の禁忌とされなかったことには時代の変化を感じます。ただ、文豪たちが姦通という「戒」を破ることに挑戦したというのはちょっと綺麗に言いすぎかと。
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皆、よく、浮気だの不倫だのする余裕があるなと思っていたけど、その時のアレソレを全て作品に落とし込んでいるところをみると、納得がいくような……?
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作品は好きだが、作家その人自身が好きになれない時がある。 私の場合、谷潤こと、谷崎潤一郎がその代表だ。 何故か。佐藤春夫への妻譲渡事件があるからだ。なんだよ、 自分の奥さんを他人に譲り渡すって。しかも理由が、奥さんの 妹に惚れたからだって。 美しく哀しい『春琴抄』を書いた人は...
作品は好きだが、作家その人自身が好きになれない時がある。 私の場合、谷潤こと、谷崎潤一郎がその代表だ。 何故か。佐藤春夫への妻譲渡事件があるからだ。なんだよ、 自分の奥さんを他人に譲り渡すって。しかも理由が、奥さんの 妹に惚れたからだって。 美しく哀しい『春琴抄』を書いた人は、淫靡で妖しい『痴人の愛』 を書いた人と一緒なんだよな。 妻がいながら、夫がいながら、他の異性と関係を持つ。そんな 文士たちの私生活を覗き見るのが本書である。 ほとんどが男性作家なのだが、女性作家も3人が取り上げられ ている。でも、やっぱり男目線の解釈なんだよな。 だって、だって。島崎藤村なんて姪に手を出して、その姪の 妊娠が判明するとパリに逃走してるのよ。 著者は渡仏した先で苦労した…みたいに書いているけれど、 姪のこま子さんなんて、帰国した藤村に再度関係を迫られ、 最後は行き倒れ。 貧困のなかで妻や子を次々に亡くし、生き残った藤村の子供 たちの面倒を見た人に何をするのさ。キーーーッ。 「落ち着け、自分」と言い聞かせながら読みましたよ。著者は そんな不倫関係が作品を書く原動力になっていると解釈して いる。まぁ、私小説が全盛の時代にはそうだろうな。 でも、やっぱり男の身勝手なんだ。本書で取り上げられている 女性作家だって、岡本かの子を除けば元々の原因を作った のは旦那だしな。 興味深い切り口ではある。でも、女の目線で読んだからなんだ ろうけれど、谷潤と藤村は嫌い度が上昇しました。
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2003年刊行。著者は元河出書房編集者。◆北原白秋、芥川龍之介、谷崎潤一郎ら大正時代の文壇、宇野千代ら女流、島崎藤村、志賀直哉ら文豪の姦通事件の読解を通して、その修羅場が、彼らの作品にいかな影響を与えたかを解説するもの。ただ、名を挙げ功をなしたから姦通が許容されるとか、怨恨が解消されるわけではなく、彼らの苦悩も同情する気にはなれない。そういう感情論からは一歩離れて、彼らの作品の解読の材料として本書は読むべきものなのだろう。
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[ 内容 ] 心中する文士、逃げる文士、うまく立ち回ろうとする文士…姦通が、世の禁忌であり罪悪だったころ、それが白日の下にさらされた時に文士が見せた顔、顔、顔。 明治から昭和にかけて、各時代を代表する文士・男女十一人の姦通をめぐる事跡を、『昭和文学史』を書き上げた「名探偵」川西政...
[ 内容 ] 心中する文士、逃げる文士、うまく立ち回ろうとする文士…姦通が、世の禁忌であり罪悪だったころ、それが白日の下にさらされた時に文士が見せた顔、顔、顔。 明治から昭和にかけて、各時代を代表する文士・男女十一人の姦通をめぐる事跡を、『昭和文学史』を書き上げた「名探偵」川西政明が丁寧に追う。 普段目にすることが少ない、「文豪若かりしころ」の写真も多数収録。 姦通に苦しみ姦通により更なる元気を得た文士が、渾身の力で織り成す人間曼荼羅を堪能できる新書。 [ 目次 ] 大正文士の姦通(二度にわたる姦通事件―北原白秋;「愁人」からの逃避と自殺―芥川龍之介;妻譲渡事件の謎―谷崎潤一郎;「文学の鬼」とヒステリーの相関関係―宇野浩二) 女性作家たちの姦通(楽しく姦通しながら生きていく私―宇野千代;夫公認の姦通―岡本かの子;「くれなゐ」に燃える暗い性―佐多稲子) 文豪たちの姦通(姦通から情死へ―有島武郎;文豪だって妻を裏切る―志賀直哉;妊娠した姪を捨ててパリへ逃げた―島崎藤村;幻の姦通―夏目漱石) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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ま、面白い。 近代作家、作品の源とでも。 アレなタイトルだが何のことはなく、近代作家の私的事情にフォーカスしたトリビア的要素の多い本。 知っている人にはつまらんかな。
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文士たちの生涯を資料をもとに、姦通の体験を軸に据えて描いた本。北原白秋の二度目の妻への手紙を「慈悲」と見るか「傲慢」と見るかは見解の違いかと思いますが、引用されている資料は面白かった……が、絶対に友人に持ちたくない自己中心な人々が大半(特に志賀、藤村辺り)。読んでいるうちにうんざ...
文士たちの生涯を資料をもとに、姦通の体験を軸に据えて描いた本。北原白秋の二度目の妻への手紙を「慈悲」と見るか「傲慢」と見るかは見解の違いかと思いますが、引用されている資料は面白かった……が、絶対に友人に持ちたくない自己中心な人々が大半(特に志賀、藤村辺り)。読んでいるうちにうんざりしないでもない……本を書いた人の力量とは、これは別の問題(素材だから)。
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