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桜宵 の商品レビュー

3.5

23件のお客様レビュー

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    2

  2. 4つ

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2023/05/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・十五周年 ・桜宵 ・犬のお告げ ・旅人の真実 ・約束 今回は人の心の暗部をさらすような結末が多くて、しかもちょっといい話系の『十五周年』や『桜宵』にしても、仕掛け人にからめとられたような展開に、心がそう快感を欲してしまう。 例えば親族が一人もいなくなってしまった故郷から都会に出てきたタクシー運転手の日浦。 田舎の息苦しさもしんどいけど、都会の寂しさもつらい。 だけどそれは、自分が選んだ道ではないのか? いいのか、それで?(十五周年) (良い選択だったことが後日わかるけど) 『桜宵』も、自分が夫を残して死ぬとして、そこまでプレゼントというかおぜん立てするのはやり過ぎな気がする。 逆にすべてを知っていて黙って死んでいったのか…とうすら寒い思いがするような気がするなあ。 私だったらそんなことされたら嫌だ。 そして後半の3編はどれも、自分勝手な人物の話。 リストラを進める人事部長がするにはあまりに幼稚な行動と、それを知って足元を掬う人物の嫌らしさ。(犬のお告げ) 誰もがいい人という男が殺される理由というか…この場合のいい人って、都合のいいひとってことで、本人は善人でもなかったし自己中だったね。(旅人の真実) そして自分勝手の最たるものだったのが『約束』に出てくる彼女。 彼女と別れたことが、彼の人生最大のラッキーだったかもよ。

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2016/02/19

バー「香菜里屋」に集う人々をめぐる事件。 東京・三軒茶屋の路地裏にひっそりと佇む 「花の下にて春死なむ」に続く バー「香菜里屋」のマスターが探偵役のシリーズ第2弾。

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2014/12/08

久々に読み返したこのシリーズ。面白かったし、やっぱり食べ物が美味しそう。もっと読みたかったなぁ。まあこれは一応完結してるからまだいいけど…私の好きなシリーズにかぎって完結しないんだよな…不思議(T ^ T)

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2013/09/11

ビアバー「香菜里屋」には、いつも旨い酒と料理と謎解きがあります。シリーズ第2作で、前作より洗練されていますね。安楽椅子探偵ものですが、常連客がいろいろ足を使って調査するので飽きさせないです。今回はカクテルの話もあって幅がありました。それにしても主人の工藤が作るおすすめ料理はどれも...

ビアバー「香菜里屋」には、いつも旨い酒と料理と謎解きがあります。シリーズ第2作で、前作より洗練されていますね。安楽椅子探偵ものですが、常連客がいろいろ足を使って調査するので飽きさせないです。今回はカクテルの話もあって幅がありました。それにしても主人の工藤が作るおすすめ料理はどれも旨そうでたまりません。岩手に出張?したのは驚きでしたが、彼の謎めいたところもまた魅力ですね。

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2013/06/25

いつもながら、マスターの作る料理は本当に美味しそう…。 こんなお店が身近にあったらいいのになぁ。 謎解き自体は、あまりに鮮やかすぎ?てピンとこないことが多いし、 人間の悪意が感じられる話もあり 必ずしも良い読後感とはいえないのだが、 この「香菜里屋」の雰囲気につられて手に取って...

いつもながら、マスターの作る料理は本当に美味しそう…。 こんなお店が身近にあったらいいのになぁ。 謎解き自体は、あまりに鮮やかすぎ?てピンとこないことが多いし、 人間の悪意が感じられる話もあり 必ずしも良い読後感とはいえないのだが、 この「香菜里屋」の雰囲気につられて手に取ってしまう本だ。

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2013/04/28

三軒茶屋駅からちょっと歩いた路地裏に、ぽってりと白く浮かび上がる提灯。 その温かい光のように、訪れたひとの心も胃袋も温めてくれるビアバー、香菜里屋。 『花の下にて春死なむ』に続き、お客たちが持ち込んだ謎を マスターの工藤が鮮やかに解く、香菜里屋シリーズ第二弾です。 明太子の生...

三軒茶屋駅からちょっと歩いた路地裏に、ぽってりと白く浮かび上がる提灯。 その温かい光のように、訪れたひとの心も胃袋も温めてくれるビアバー、香菜里屋。 『花の下にて春死なむ』に続き、お客たちが持ち込んだ謎を マスターの工藤が鮮やかに解く、香菜里屋シリーズ第二弾です。 明太子の生クリームあえや生雲丹を挟んで揚げ、 コンソメスープ仕立てにした4種類の味の揚げ出し豆腐とか 春キャベツとアンチョビの和風パスタとか 相変わらず出てくる料理がとてつもなくおいしそう! 。。。なのですが、困ったことにこのシリーズ、料理はほっこりと温かい味わいなのに 謎解きで見えてくる風景は、思わず身震いしてしまうほど冷たく厳しい場合が多くて。 今回収められている5篇のうち、最初の『十五周年』は珍しく優しい結末で 「おお!ついに香菜里屋シリーズもやわらか路線に?!」と喜んだのですが 次の『桜宵』は、救いがあるとはいえ、ほろ苦い味わい。 最後の『約束』に至っては、苦いどころではなく解毒剤が欲しくなるような重い物語です。 香菜里屋自慢のアルコール度数の違う4種のビールのうち オンザロックのスタイルで供される、最も度数の高いビールさながらに。 ミステリは、人間の本質を鋭く抉ったものに限る!という方はぜひ。 それにしても、北森鴻さんは残念ながらお亡くなりになってしまったけれど 香菜里屋シリーズに登場する料理のレシピ本を どなたか心ある料理研究家さんが出してくださらないかしら、と 夢想してしまう春の宵です。

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2014/02/07

香菜里屋シリーズ2冊目、相変わらず出てくる料理が美味しそう。前作よりも作りこまれたというか、話が色々深かった。もちろんすっきり解決、とはいかない話もあり、それがまた面白い。工藤の知り合いの香月が出てきたりと先の展開が気になる。

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2017/09/20

ビアバー香菜里屋で、店主の工藤がグラスを磨く手を止め 小首を傾けた時、またひとつ謎が明かされる。 「桜宵」 一度訪ねてみてください。 亡き妻が夫に残した最後のプレゼントは香菜里屋の名前。 工藤に託された妻の想いとは。 「犬のお告げ」 別名、悪魔のリストランテ、リストラ要員選び...

ビアバー香菜里屋で、店主の工藤がグラスを磨く手を止め 小首を傾けた時、またひとつ謎が明かされる。 「桜宵」 一度訪ねてみてください。 亡き妻が夫に残した最後のプレゼントは香菜里屋の名前。 工藤に託された妻の想いとは。 「犬のお告げ」 別名、悪魔のリストランテ、リストラ要員選びの ホームパーティで起こる人間の歪んだ心が起こす事件。 「旅人の真実」 金色のカクテルに固執する客、何故彼は金色の カクテルが必要だったのか、そしてどうして殺されなければならなかったのか。 「約束」・・・・・ この店がたった一つの旅の思い出。 10年ぶりに再会したかつての恋人、男は昔を懐かしむ為に やって来たが女は自分の幸せを守る為にある物をバックに忍ばせやってきた。 個人的には最後の「約束」が一番好きでした 10年前の約束を守って再会したかつての恋人たちに なんてロマンチックなんだろうと、気持ちがほっこりしましたが きれいなままでは終わらなかった。彼の不幸が私の幸せ・・と かたよった思いに囚われた彼女の心情は理解し難い なんともやりきれない幕引きですが これもまた、香菜里屋ならではなのです。

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2012/11/13

シリーズ。 どこから読んでも設定で戸惑うことがないというのはよいことです。 ていうか、二度借りしちゃいました。

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2012/06/10

アンソロジー「大密室」で北森鴻作品に興味を持ったので借りてみました。 三軒茶屋の路地の奥、等身大の白い提灯が目印のビア・バー「香菜里屋」。ワインレッドのエプロンに描かれたヨークシャーテリアに似た店主・工藤に迎えられ、気負いのない気遣いと、美味い創作料理、度数の異なる4種のビール...

アンソロジー「大密室」で北森鴻作品に興味を持ったので借りてみました。 三軒茶屋の路地の奥、等身大の白い提灯が目印のビア・バー「香菜里屋」。ワインレッドのエプロンに描かれたヨークシャーテリアに似た店主・工藤に迎えられ、気負いのない気遣いと、美味い創作料理、度数の異なる4種のビールと数種のワールドビール、そして常連たちのたわいも無い謎解きにするりと入ってくる店主の鋭い頭脳。ここは、それらに気持ちよく酔うことが出来る店である。 「香菜里屋」の常連でタクシー運転手の日浦は、5年も前に離れた故郷の小料理屋から15周年パーティーに招かれた。しかし行ってみるとどうも様子がおかしく、ある意図が隠されているようなのだ。―― 「十五周年」 亡き妻の手紙に導かれ「香菜里屋」に訪れた神崎は、そこで供された蛸の炊き込み御飯―桜飯―をみた途端気付いたのだ。《御衣黄》、そして妻の残したメッセージを。―― 「桜宵」 入籍を決め、久しぶりに「香菜里屋」を訪れた美野里と修だったが、ふと修が不安を口にした。彼の勤める会社では大規模なリストラが行われ、その選考に犬が関わっているらしいと言うのだ。―― 「犬のお告げ」 「金色のカクテルをください」そんな注文をする客が「香菜里屋」に現われた。銀座や店主に紹介された店でもその注文は適わず、男は捨て台詞を残し立ち去ったらしい。七緒はその行動に疑問を抱く。―― 「旅人の真実」 休暇中の「香菜里屋」店主が臨時シェフとして厨房に入った居酒屋に、待ち合わせの男女が訪れた。かつて交際していた2人は10年前に交わした約束を果たし、この店で再会したのだった。―― 「約束」 以上、5作の短編集。 事件に直接関わったり、現場に行ったりといった捜査は探偵役兼店主・工藤は一切してません。けれど、しっかり推理モノなこの本。私的にはなかなかのオススメです。 彼が結論づける推理やその過程には、「香菜里屋」でなされる気持ちの良い気遣いのように、とても柔らかいものが織り成されている気がしてなりません。切り込むように、切り裂くように出されるものではなく、必要とあらば提示される推論。誰かを傷つけたり、意にそまない推論は決して口に出さないというのも、そう感じる所以なのかもしれません。 多くは語り(れ)ません。でも、是非御一読を。 それにしても、ビア・バー「香菜里屋」…ビール苦手な私ですが、こんな店あったら絶対行きたいですよ。お店で出されるオススメ料理がもう、ね。すっごく美味しそうで…!岩牡蠣。春キャベツとアンチョビソースのパスタ。手羽先と根菜の煮物。 読んでるとお腹が減ってくるんですよねー。あぁ食べたい…。

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