新々百人一首 の商品レビュー
丸谷才一さんが25年の歳月をかけて、個人的に選んだ王朝和歌百首。一つの和歌を、ここまで深く語ることができるのか、と驚いております。王朝和歌を語りつつ、横展開で、江戸時代の俳句、芭蕉のおくの細道の発句、魚の目に泪、の意味についても色々と考察をされておられます。丸谷さんの選球眼の良さ...
丸谷才一さんが25年の歳月をかけて、個人的に選んだ王朝和歌百首。一つの和歌を、ここまで深く語ることができるのか、と驚いております。王朝和歌を語りつつ、横展開で、江戸時代の俳句、芭蕉のおくの細道の発句、魚の目に泪、の意味についても色々と考察をされておられます。丸谷さんの選球眼の良さ(和歌を選ぶセンスの良さ)、そして、一つの和歌をめぐる深い考察に★5つであります。
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百人一首って要するに、詩のアンソロジーなんだよね。小倉百人一首に遠慮しないで、ほんとならみんなそれぞれの百人一首を自由に組んでみたってかまわないんだ。 もちろん千年受け継がれてきた小倉百人一首は超ものすごいし、自分なりの百人一首を組むにはそれなりにがんばらなくっちゃだめだろうけど...
百人一首って要するに、詩のアンソロジーなんだよね。小倉百人一首に遠慮しないで、ほんとならみんなそれぞれの百人一首を自由に組んでみたってかまわないんだ。 もちろん千年受け継がれてきた小倉百人一首は超ものすごいし、自分なりの百人一首を組むにはそれなりにがんばらなくっちゃだめだろうけど。
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一家に1冊、と言いたいところですが、残念ながら現在、文庫版しか入手できず、上下2分冊、になってしまいます。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
屏風歌詠みの紀貫之―― -2005.11.11記 読んでいると、採り上げられた歌の解説に、よく屏風歌であると指摘する箇所が出てくる。屏風歌とは、一言でいえば、屏風絵に画讃として色紙型に書き込まれた歌のことだ。屏風絵-屏風歌の多くは、四季あるいは十二ヶ月の情景をあらわしている。四季折々の情景が、季節の順に画面右方から左方へと散りばめられ、各情景は、添えられた屏風歌とともに鑑賞される。描かれた情景を見、歌を読み、その情景のなかに入り込んでいくとき、画中人物には血が通い、生きる時間が流れはじめ、風景は瑞々しく生動してくるだろう。また、屏風絵全体を大きく眺めわたせば、その四季共存の光景は、彼岸ではなく此岸としての理想郷にほかなるまい。 この屏風絵-屏風歌が盛んになるのは、唐風の絵画から脱して、国風文化としての大和絵が成立してくる9世紀以降、古今集成立前夜頃であろうとされる。 考えてみれば、その古今集もまた、屏風絵-屏風歌の構造と同型のものではないか。四季折々の歌が配され、自然を愛で人生を観じ、或は恋に悩み恋に生きる姿が謳歌される。 丸谷才一によれば、古今集編者紀貫之の「貫之家集」888首の約6割は屏風歌であるとされ、屏風絵の画讃の歌詠みとして貫之は当世流行の職業的歌人でもあったろう、としている。
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いまちょっとずつ読んでいる、楽しい。蒙を啓くとはこのようなことなのか。日本の文化や精神が、すこしずつ沁み込んでくるような感覚。
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