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家畜人ヤプー(第1巻) の商品レビュー

3.7

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    15

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    1

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2012/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界観が凄過ぎます。異常です。 ヤプー(日本人)、セッチン(肉便器)、ヤープドック(畜人犬)、チンポー(珍棒)etc。 不明です。 何語?何人?時代は?場所は?すべてが??から始まります。 ジャンルもよくわかりません。SF?ファンタジー?エログロ?スカトロ?SM?鬼畜?神の話? 多分全部含まれますし、日本人(家畜人)の扱いがヒドすぎ。 もう、読みながら想像の限界を超えます。「えっ?えっ?どんな姿形?」となります。 だから1巻だけ読んで即座に漫画版を購入。 これが1950年代に連載されていたものとは更に驚き。 でも50年後にこの本を読む人も多分驚くと思う。

Posted byブクログ

2012/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは、この気持ちはどう言えばいいのか…… どんなに日本が世界で活躍しても、所詮は奴隷以下の家畜として生きている、そう絶望的な気持ちになった。その絶望的な気持ちこそがマゾヒズムの極致であって、この作品の魅力のひとつなのだろうけど。 単純に物語として楽しめる、というレベルは超えている。日本人である主人公、ドイツ人(白人)であるヒロイン。この二人が徐々に、そして決定的に離れていき、主人公がヤプーになるというこの1巻では、同じ日本人としての屈辱的な思いが心を支配する。でもそれでも、いや、それだからこそ、ページをめくらずにはいられなくなる。魔力というよりは怨念に近いものがあった。 日本人である主人公が家畜になっていく様は、序盤で主人公がヒロインに馬をプレゼントするというシーンを思い出すととてもやりきれない。なんという皮肉。 すべてが倒錯するこの作品の世界で、読者はなにを感じればいいのだろう。

Posted byブクログ

2012/11/07

読んでいるうちに日本人は本当に欧米人種より劣った人種であるかのような刷り込みを受けているような気分になる。 作者の想像力、設定の作り込みには畏敬の念を感じるが、その異常性は読む人を極端に選ぶだろう。

Posted byブクログ

2012/09/26

単純に凄く面白い。エログロナンセンス文学として名高いが逆に人間臭さがない分、下手に重たい小説よりもはるかに読みやすい。人間の尊厳なんてものが、同じ人間の中でこそ貶められ快楽にすり替わるということが良く分かる。 ところどころ、何だか未来ではこうなるのかもしれない…と思わず納得してし...

単純に凄く面白い。エログロナンセンス文学として名高いが逆に人間臭さがない分、下手に重たい小説よりもはるかに読みやすい。人間の尊厳なんてものが、同じ人間の中でこそ貶められ快楽にすり替わるということが良く分かる。 ところどころ、何だか未来ではこうなるのかもしれない…と思わず納得してしまうような描写に日本人として厭な汗が額ににじむことだろう。だけど、この本は深く考える必要はないのだと思う。絵空事として笑い飛ばす精神があれば5冊楽しく読める…はずである。

Posted byブクログ

2012/06/13

そこまで書くの!? というくらいの書き込みがたまらない。 沼正三氏の頭の良さがビシバシ伝わってくる。

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2012/03/25

別の件で昨年末の新聞を調べていたら、(2008年)11月30日に天野哲夫が82歳で肺炎のため死去、という記事を見つけました。まったく全然知りませんでした。 三島由紀夫が変名で書いたとか、いや澁澤龍彦だ武田泰淳が、など諸説あるそうですが(今では何人かの作家が協同して、覆面作家とし...

別の件で昨年末の新聞を調べていたら、(2008年)11月30日に天野哲夫が82歳で肺炎のため死去、という記事を見つけました。まったく全然知りませんでした。 三島由紀夫が変名で書いたとか、いや澁澤龍彦だ武田泰淳が、など諸説あるそうですが(今では何人かの作家が協同して、覆面作家としての沼正三を作ったということで落ち着いているようですけれど)私の中では天野哲夫=沼正三、つまりこの本の著者です。 世紀の奇書『家畜人ヤプー』は、1956年から「奇譚クラブ」というSM雑誌で連載されたという出自を持ち、超SFであると同時に、変態趣味に耐える超SMでもあるところに大きな特徴がありますが、俯瞰すると太平洋戦争敗戦後のアメリカ白人支配を体験したマゾヒストの妄想というのが本質的なことがらのように思われます。 詳細な梗概は、私が書くのもはばかられますが、乱暴に言ってしまうと、未来の宇宙帝国は白人女性が支配する世界で、日本人男性は家畜として、たとえば人間便器として使われるという、一般の日本人の男性にとって反ユートピア、でもSM愛好家にとってはユートピアという、ややこしい一応SFです、これは。 SFにどっぷりとのめり込んでいた中学生から高校生の頃にどこからか入手して、1970年刊行(都市出版社)のこの本を読んだ私は、いったいどういう感想を抱いたか、たいへん興味のあるところですが、残念ながら記憶の引き出しには何も入っていません。 その頃の読書ノートには「『家畜人ヤプー』読了、表現そのものはスペースオペラの奇想天外さよりは真実性がある感じ、云々」などと偉そうに、SMも知らない未熟者が、涼しい顔して書いているだけです。本当はかなり驚いたはずのくせに、ね。 尚、私のように都市出版社版で読まれた方がおありなら、ひと言。この初版が決定稿ではなく、その後出版されるたびに改稿されたそうで、ですから最後の発行の当該書=幻冬舎版が最終稿だということです。要は内容が少しは違っているということで、ということは是が非でもアウトロー文庫を読まなくては! ※2012年3月25日、数カ所の文章を推敲してから更新したら、すべて消えてしまいました。ということで新規登録みたいになってしまいました。 更新する前に念のためワードに入れていましたので、全体の文章は無事でした。例のヨムナビには、たなぞう時代のコメントはカットされているので、貴重なコメントは消えてしまいました。

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2012/02/08

(全5巻版まとめて) ただただ奇書。澁澤訳のサドのように、非常にしなやかな文体で描かれるビザールなSF大作。映像を思い起こさせる(思い起こしたくもないところ多々)描写の連続に、人体改造で作られる人間家具など、発想が凄まじい。内容も耽美でミステリアスながら、Amazonでプレミアが...

(全5巻版まとめて) ただただ奇書。澁澤訳のサドのように、非常にしなやかな文体で描かれるビザールなSF大作。映像を思い起こさせる(思い起こしたくもないところ多々)描写の連続に、人体改造で作られる人間家具など、発想が凄まじい。内容も耽美でミステリアスながら、Amazonでプレミアがついていたりと別の意味でもミステリアス。最終校なので、この間亡くなった人が加筆したもの。民明書房ばりのデタラメ説明には失笑。5巻も有っていまだ未完。しかし何が奇書って、当初全1巻だったものが、すぐに2巻組になり、5巻組に加筆されているのに、作家が不詳だというところであろう。嫌悪感も伴い、万人向けとは言い難いが、読書家は一度読むべき価値はある。

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2011/12/22

期待したほどの面白さではないような気がする。ただ、設定の細かさは作者の知識の豊富さの顕れだと思う。しかし、いかんせん文体が・・・。沼正三の正体は三島だという俗説があったらしいが、それはやはり違うと感じる。文体なんてある程度いじることができるとしても。

Posted byブクログ

2011/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後まで全て読みました。 すみません、めちゃめちゃ面白いです(← --------------------------------------- 倒錯した性の世界は置いておいたとして もう、ここまで倫理の破壊された それも日本人の尊さが蹂躙され尽くした小説を 日本人が書いているかと思うと 言葉にならないこみ上げて来るものがあります。 --------------------------------------- でも薦めません。良い子の読む内容じゃないので…。 (だけどべらぼうに面白かった。) 夢に見そうな程夢中になった作品は久しぶりでした。 --------------------------------------- マンドラゴラの設定だったかな。 もう普通にSFの設定も超面白いですよ。 --------------------------------------- この作品も、第二次大戦が生んだ作品の一つですね。 本当に複雑な気持ちになりますが 大団円のアレ(東条英機の…)の情景を読んでいて この作者が戦争で味わった 恨み、屈辱、(そして倒錯)を感ぜずにいられませんでした。

Posted byブクログ

2011/08/25

世界をつくるというのはほんとうに大変なことで、骨身をけずってもけずっても時間が足りない。この本だって読んでる最中から足りない足りないというイメージがこぼれでてばかり。ほんの中身がどうこうというよりは、情熱とイメージ力にこころうたれる。偏執的な部分はあるけど、非常に冷静。でもイース...

世界をつくるというのはほんとうに大変なことで、骨身をけずってもけずっても時間が足りない。この本だって読んでる最中から足りない足りないというイメージがこぼれでてばかり。ほんの中身がどうこうというよりは、情熱とイメージ力にこころうたれる。偏執的な部分はあるけど、非常に冷静。でもイース人とヤプーと黒奴の関係性・歴史など説明部分が長くて、もうちょっと読みたかったです。 人の肌の着物とかどんなかんじだろう。2000年後の未来、楽しみです(でもわたしはヤプーだから、人の肌の着物はきれなくて、ヤプムになるしかないのか。)

Posted byブクログ