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花嫁のさけび の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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情緒を前面に出した作…

情緒を前面に出した作品を得意とする著者ですが、この作品は技巧的な面が強いです。それもさすがに一級品ですが。

文庫OFF

伏線の張り方が見事な…

伏線の張り方が見事な作品。トリックの明かし方にもこだわりを持つ著者らしい。

文庫OFF

2022/07/25

「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』を読みました。 「泡坂妻夫」作品は初めて読みますが、、、 他の作家さんのミステリー作品中に(どの作品か失念しました… )、「泡坂妻夫」作品が紹介されていて気になっていた作家です。 -----story------------- 「...

「泡坂妻夫」のミステリー作品『花嫁のさけび』を読みました。 「泡坂妻夫」作品は初めて読みますが、、、 他の作家さんのミステリー作品中に(どの作品か失念しました… )、「泡坂妻夫」作品が紹介されていて気になっていた作家です。 -----story------------- 「わたし、本当に今幸せなのよ。  これ以上、何もいらないの。  早馬さんだけがいればいいの」 ―映画スター「北岡早馬(はゆま)」との結婚で「伊津子」は幸せの絶頂にあった。 しかし彼女を迎え入れた「北岡家」の人々は皆、「早馬」の先妻「貴緒(たかお)」のことが忘れられぬ様子であり、最愛の夫もその例外ではなかったのだ。 謎の自殺を遂げたという貴緒の面影が色濃く残る邸で、やがて悲劇の幕が切って落とされる…。 技巧の限りを尽くした本格ミステリー。 ----------------------- 「アルフレッド・ヒッチコック」監督作品の『レベッカ』を彷彿させる導入から、中盤以降の予想外の展開が面白かったです。  ■一章 花嫁の輝き  ■二章 亡妻の恋歌  ■三章 花嫁の毒杯  ■四章 亡妻の饗会  ■五章 花嫁の叫び  ■終章  ■解説 日下三蔵 貧しい電話交換手の「伊津子」は、人気俳優で資産家の「北岡早馬」に見染められ後妻として結婚… 「北岡家」の荘厳な邸宅に入居するが、そこには事故死したとされる先妻「貴緒」の影が色濃く残っていた、、、 「北岡家」に関連する誰もが「貴緒」の美しさや素晴らしさを称え、世話係の「荒垣佐起枝」は「貴緒」を思慕の念を抱き続けており、「伊津子」は「貴緒」の幻影に悩まされる。 ここまでの展開は『レベッカ』のイメージそのままで、その後も『レベッカ』のような展開を想像してしまったのですが、、、 その後、毒杯ゲームで「佐起枝」が毒殺され、邸宅内で「貴緒」と深い仲だったと思われる「三栗」の遺体が発見されたあたりから、『レベッカ』の展開とは全く異なってきます。 「貴緒」の死は事故だったのか?自殺だったのか?無理心中だったのか?それとも殺人? いやぁ、まさかの展開でしたねぇ。 広い意味では叙述トリックに分類されるんでしょうね、、、 終始「伊津子」の視点で描かれながら、心理描写が巧みに排除され、言動のみに限られて記述されているので、完全に騙されちゃいましたね。 『レベッカ』を知っている… という先入観もミスリードの要因ですね、、、 でも、こんな騙され方は好きです。 心地良く騙されましたね。 あと、物語の中で撮影が進む映画『花嫁のさけび』での「早馬=鉄也(殺人犯)」という役柄が、終章で効果的に使われており、ミスリードさせる要素のひとつになっていました。 これも巧いなぁ… と感心しました。

Posted byブクログ

2020/01/23

トリッキーな、または大胆な発想で読者を悦ばせることが多い泡坂作品の中ではオーソドックスなタイプ。味付としては人気俳優を登場人物に配し、その特色豊かな芸能界をスパイスとしている。 しかしよくよく考えてみると犯人は主人公とも云うべき伊津子なのだから、例のアレのオマージュかとも思える。...

トリッキーな、または大胆な発想で読者を悦ばせることが多い泡坂作品の中ではオーソドックスなタイプ。味付としては人気俳優を登場人物に配し、その特色豊かな芸能界をスパイスとしている。 しかしよくよく考えてみると犯人は主人公とも云うべき伊津子なのだから、例のアレのオマージュかとも思える。技法としては故人となった貴緒を実に魅力的に描くことで伊津子を透明な存在にしているところが秀逸だ。 ただ、泡坂妻夫が書く話なのかどうか。

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2013/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前妻の影に怯えながら事件に巻き込まれる主人公・・かと思ったら! いろいろな伏線には全く気づかなかった上にどこか違和感を感じつつも主人公の気持ちが出ていないことにも全く気づいてなかった。 作中に出てくる映画が誤認を強調してくれてて見事だった。 面白かった。

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2013/01/31

映画スターと結婚し大邸宅に住むことになった花嫁が亡妻の影に怯えるという「レベッカ」をモチーフにした作品。 意外な結末で面白かった。 (図書館)

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2012/10/09

スター俳優と結婚した若き花嫁。 しかし夫や周囲の人々の心には前妻の影が未だ濃く残っている……。 新妻が裕福な夫の家で肩身の狭い思いをしていたり、何かと華やかだった前妻と比べられたりしているのが昔のサスペンスドラマっぽくて良いです。そこに前妻の死の疑惑や、複雑な人間関係、新たに起...

スター俳優と結婚した若き花嫁。 しかし夫や周囲の人々の心には前妻の影が未だ濃く残っている……。 新妻が裕福な夫の家で肩身の狭い思いをしていたり、何かと華やかだった前妻と比べられたりしているのが昔のサスペンスドラマっぽくて良いです。そこに前妻の死の疑惑や、複雑な人間関係、新たに起きた殺人事件が絡んで一層不穏な空気に包まれていくのが楽しくて堪りません。 前妻の存在感がとにかく凄く、故人なので本人は登場しないのに周囲の人々の話からその人が形作られていくのは不気味です。しかも皆が彼女を褒めるものだから怪しくて仕方ない。夫も屋敷の人々も何かを隠しているようで緊張した雰囲気が最後まで続きます。 そして良質なサスペンスを楽しんでいたら、最後には本格ミステリの技巧にがつんとやられてしまいまいした。 切なさがこみ上げるラストに至るまで、気を緩めることの出来ない良作です。

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2012/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

良い人・悪い人がはっきりと書かれている作品。 まず、文章が淡々として違和感がある。解説を読むと「第三人称同一視点で書かれた小説の、その視点に立つ人物が犯人」という珍しい技法なのだそう。 そう、主人公伊津子の視点なのに、伊津子の気持ちが出てこない。台詞しかない。殺人があっても、気味悪いと思ったとか、怖くなったという記述が一切無い。だから主人公が何考えているか分からない不気味な小説。それもそのはず。主人公が犯人なんだから。そうして、この技法で謎解きも、過去にさかのぼるのではなく、主人公の台詞として明らかになる。変

Posted byブクログ

2011/05/05

やや「レベッカ」を彷彿とさせそうな雰囲気のミステリ。嫁いだばかりの若い後妻、謎の死を遂げた先妻、そして巻き起こる事件、と道具立てが揃っています。毒杯ゲームなどロジックの要素も持ち込まれているけれど、心理面のインパクトが大きかったです。犯人が判明する箇所は、まさかの展開。だけど思え...

やや「レベッカ」を彷彿とさせそうな雰囲気のミステリ。嫁いだばかりの若い後妻、謎の死を遂げた先妻、そして巻き起こる事件、と道具立てが揃っています。毒杯ゲームなどロジックの要素も持ち込まれているけれど、心理面のインパクトが大きかったです。犯人が判明する箇所は、まさかの展開。だけど思えば、妙だと引っかかった部分は伏線でしたね。 作中作「花嫁の叫び」もなかなか魅力的な物語のような気がします。全部通して読んでみたい。

Posted byブクログ

2009/10/04

ヒッチコックの『レベッカ』を彷彿とさせる。大好きな映画なので、これをなぞるように展開していく序盤はわくわくし通しだった。事件へ繋がる導火線はそこら中にあり、どこから点火するかは作者次第。もうすでに魅了されているのだが、事件が起こるとさらに深部へと引きずり込まれていった。この作者の...

ヒッチコックの『レベッカ』を彷彿とさせる。大好きな映画なので、これをなぞるように展開していく序盤はわくわくし通しだった。事件へ繋がる導火線はそこら中にあり、どこから点火するかは作者次第。もうすでに魅了されているのだが、事件が起こるとさらに深部へと引きずり込まれていった。この作者の“らしさ”が全て盛り込まれている。サプライズには正直驚いた。ある意味、新鮮な驚きだったが、物語とは無関係な部分でしばし思案してしまった。伏線の張り方やそれの収拾は丁寧で細やか。それまでの展開にインパクトがあったため、謎解きは一見地味に見えるが、ぼけっと読んでるとエラい目に遭う。

Posted byブクログ