異星の人 の商品レビュー
地球を旅する異星から…
地球を旅する異星から来た人が、人々との触れ合いの中で、小さな奇跡を起してゆく。この作家は、25年ぐらい前は、こうした上質なSFを書いていたのだ。
文庫OFF
だいぶ昔に読んだ、オムニバス形式のSFもの。 『謎の大型爬虫類調査のため、中央アフリカ・ウガンジ奥地へ向かったアメリカの生物学調査隊が、目的を遂げたとの連絡を最後に、消息を絶った。』 こんな始まりなのでロスト・ワールドみたいなのかな?と思っていたら。 ジョン・エナリーには凄く引か...
だいぶ昔に読んだ、オムニバス形式のSFもの。 『謎の大型爬虫類調査のため、中央アフリカ・ウガンジ奥地へ向かったアメリカの生物学調査隊が、目的を遂げたとの連絡を最後に、消息を絶った。』 こんな始まりなのでロスト・ワールドみたいなのかな?と思っていたら。 ジョン・エナリーには凄く引かれました。 SF としては入門書みたいな部類に入ると思いますが、読み終えて温かい気持ちになれる本です。
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アフリカ、探検、謎の大型爬虫類のキーワードに引かれて読む。結局、恐竜物語でも探検記でもなかった。辺境の地を舞台にした連作集。1話毎に語り手が変わるが、金魚鉢を外から覘くかのようなもどかしさを感じる。語り手と読み手の間にある奇妙な距離感。やがて語りし者と語られし者の立場が反転・・、...
アフリカ、探検、謎の大型爬虫類のキーワードに引かれて読む。結局、恐竜物語でも探検記でもなかった。辺境の地を舞台にした連作集。1話毎に語り手が変わるが、金魚鉢を外から覘くかのようなもどかしさを感じる。語り手と読み手の間にある奇妙な距離感。やがて語りし者と語られし者の立場が反転・・、全作を通して登場する異星の人の視点を通して物語が語られていくかのような錯覚に陥る。我らが青き母なる星を彷徨い続ける、遥か彼方からの来訪者にして優しき観察者。たいして期待せずに読みだしたが思わぬ掘り出し物。20世紀の『死神の精度』
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※このレビューにはネタバレを含みます
だが、この惑星の○○は・・・ あのCMを見ると何故かこの本を思い出す。中高生の頃はSFを読むのが好きで平井和正の狼男と筒井康隆の超能力お手伝いさん、そして本書の宇宙人ジャーナリスト、ジョン・エナリーは当時自分の中で三大SFヒーローだった。夢中になって読んでいたはずなのに・・・何故かストーリーをほとんど覚えていなかった。それなのにジョン・エナリーの人となりは記憶していた通りだった。不思議なことに。 アフリカの内戦、南米のインディオの末裔と移住者との争い、ヒマラヤのイエティー探索隊、バリアリーフでサメを捕獲する女性の前に、新宿のヒッピーのアジトに、世界中のあらゆる場面に出くわすジョン・エナリー。この惑星の人類の野蛮なところ、残忍なところを傍観しながらも、愛情をこめて係わっていく。
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中学の時に始めて読んだんだと思う。 ジョン・エナリーは、地球に調査に来ている異星人。 いろいろな事件に巻き込まれるが、人間とは違う身に付けている能力のおかげで、その事件の真の悲しみを感じながら解決していく。 オムニバス形式となっていた独立した数話としても読める。 徐々に人...
中学の時に始めて読んだんだと思う。 ジョン・エナリーは、地球に調査に来ている異星人。 いろいろな事件に巻き込まれるが、人間とは違う身に付けている能力のおかげで、その事件の真の悲しみを感じながら解決していく。 オムニバス形式となっていた独立した数話としても読める。 徐々に人類に肩入れしていくエナリー。 調査員としての任務の続行と人間の命を天秤に掛けたあげくに、その能力を失う。 それでも人間への想いのゆえに、新たな事件により最後には命を失う。 最後、その勇気を称えた友人の言葉。 「さよならジョン・エナリー。この地球(ほし)が君にとって真の故郷となるように。」 感動のSFです。
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