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海の上のピアニスト の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2022/06/20

何度も何度も読み返したくなる作品。 戯曲として書かれたもので、実際イタリアではなんども舞台で上演され、アメリカでも映画化されているらしい。 生まれてから死ぬまで汽船ヴァージニアン号…つまり海の上で過ごした伝説のピアニスト・ノヴェチェントの生涯を、その親友のトランペット吹きが語っ...

何度も何度も読み返したくなる作品。 戯曲として書かれたもので、実際イタリアではなんども舞台で上演され、アメリカでも映画化されているらしい。 生まれてから死ぬまで汽船ヴァージニアン号…つまり海の上で過ごした伝説のピアニスト・ノヴェチェントの生涯を、その親友のトランペット吹きが語っていくという一人芝居の形式。 戯曲だけあって、ついつい途中声に出して読みたくなり、読んでしまった。そしてとても面白い。戯曲は読み慣れていないが一気読みだった。舞台でも見てみたい。 ノヴェチェントの意味は九百。名付け親の船乗り老・ダニー・ブードマンによると、千九百年にあやかったとのことだ。(そのため映画ではナインティーンハンドレッドと呼ばれているとのこと。未視聴です。) 詳細は控えるが、ノヴェチェントの名前にしても、物語にある数々の逸話にしても、ノヴェチェントの最後にしても、何かと心惹かれる、読み応えも深みもある物語だ。 そういえばノヴェチェントが一生を過ごしたヴァージニアン号(処女号)といい、途中ノヴェチェントのピアノの腕前の噂を聞いて勝負にやってくる男が"ジャズの創始者"を名乗っていたりするなど、「始まり」や「原点」といった意味合いの言葉がいくらか出てきたと思うのだが、何か作者には意図があったのだろうか。ちょっと気になる。(他にも気になるところはたくさんあるが) 何度も読まないと理解しきれた気がしない。 けれど一読しただけでも、ノヴェチェントのことが愛おしくなる。最後はもう、もう……… 私は時に超越した存在のようで人間らしくなく、それでいて人間らしいノヴェチェントのことが大好きだ。 個人的に最後はとてもかっこいいと感じた。 とても素晴らしい作品だと思った。読めてよかった。 

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2022/05/01

第2回すみれビブリオバトルで紹介された本。熱いご紹介だったので読みたくなり、Amazonの中古本を注文。ご紹介された通り、忘れられない本となりました。ありがとうございました。 本書はイタリアの人気作家アレッサンドロ・バリッコがひとり芝居の脚本という形で書かれた中編。舞台上演を前...

第2回すみれビブリオバトルで紹介された本。熱いご紹介だったので読みたくなり、Amazonの中古本を注文。ご紹介された通り、忘れられない本となりました。ありがとうございました。 本書はイタリアの人気作家アレッサンドロ・バリッコがひとり芝居の脚本という形で書かれた中編。舞台上演を前提としていることもあり、読んでいるうちに上質の音楽劇を見ているような幸福な気分になりました。 原題は「ノヴェチェント、ある独白」。「ノヴェチェント」というのは900という意味で、1900年に生まれた主人公の名前。本書は海の上で生まれ、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストであるノヴェチェントの生涯を描きます。 冒頭、黒人の船乗りが欧州と米国を往復する大型客船の中に捨てられた赤ん坊の主人公を発見します。船乗りが付けた名前はダニー・ブードマン・T・D・レモン・ノヴェチェントという「完璧」な名前。このエピソードからはまってしまい殆ど一気読みでした。 本書の読みどころは次の通りです。 1)プロットの巧みさ ネタバレをするのでストーリーは書けませんが、プロットは奇想天外。 船から一度も降りなかったノヴェチェントは幸福だったのか?これについての解答は本書に明示されていませんが、私は幸福だったのではないかという感想です。幸福あるいは生きてゆくことの難しさを考えるヒントを本書は与えてくれます。もちろん、ノヴェチェントを臆病と片付けてしまう考え方もあって然るべきですが、重要なのは本書のプロットを味わうことと思います。 2)映画的な表現の美しさ 本書は「海の上のピアニスト」という題名で1998年に映画化されています。映像が自然と思い浮かぶようなシーンも豊富です。乗客が初めてアメリカを見た時の感動、8歳のノヴェチェントが初めてピアノを弾くシーン、大しけの中でノヴェチェントがピアノを操るシーン、ジェリー・ロール・モートン(ジャズの創始者といわれる実在の人物)とのピアノ対決等々。これらがどんな形で映像化されているのか?トルナトーレ監督の映画を見たくなりました。 3)草皆伸子さんの自然な翻訳 繰り返しになりますが、本書は脚本です。したがい、舞台を見るような気持ちで一気に読まれるのがいいかもしれません。昨年、音楽劇として舞台上演されたようですが、どんな音楽が流れたのでしょうか?頭の中で自分勝手な美しい音楽を流しながら読むのも本書の楽しみ方と思います。 (すみれビブリオバトルは月一で開催しています。ご興味のある方はコメントでご連絡ください)

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2020/06/16

乗船した客が産み落として置いて行った赤ん坊が船員に育てられ ピアニストとして育ち一度も船から下船しなかったそんなお話 なぜ船のピアニストは下船しなかったのか あとがきにも書かれているように 自分も映画先で原作後追いの口なのだが 読んで思うことは実写映画 もう一度観たくなりまし...

乗船した客が産み落として置いて行った赤ん坊が船員に育てられ ピアニストとして育ち一度も船から下船しなかったそんなお話 なぜ船のピアニストは下船しなかったのか あとがきにも書かれているように 自分も映画先で原作後追いの口なのだが 読んで思うことは実写映画 もう一度観たくなりました

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2019/01/06

よくわからないなぁ。映画でも観たらわかるのかな? なんだろうなぁと思いながら読みました。短い小説なのであっという間に読み終わったけど、んーと思いました。 他の人の感想も後で読んでみます。

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2015/08/22

神様の弾く鍵盤を見た海上のピアニスト、ノヴェチェントがダイナマイトの上で語った独白に、ぞっとした。自分は敢然と立ち向かう勇者なのか、それとも……。彼は果たして唯の臆病者だったのか。否。「下船するわけ無いだろう」

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2013/08/25

海のうえで生きたピアニスト。船とともにあったピアニスト。 彼の作り出す音楽は不思議な力をもっていて、その場限りのもの・・・つまり「それまでになかったもの」で、「これからも残らないもの」だった。 この物語の最大の問いは、「かれが陸へ出られなかったのは何故か」というものだとおもい...

海のうえで生きたピアニスト。船とともにあったピアニスト。 彼の作り出す音楽は不思議な力をもっていて、その場限りのもの・・・つまり「それまでになかったもの」で、「これからも残らないもの」だった。 この物語の最大の問いは、「かれが陸へ出られなかったのは何故か」というものだとおもいます。彼のもつ不思議な能力、感覚は、わたしたちが暮らすこの世界をどのように見たのか。 彼は、88という限られた鍵盤を通して世界を旅することさえできました。なぜなら、その船には世界から来た人たちが残していった「世界」があったから。そんな彼は、この世界を「無限の鍵盤」だといいました。あまりに膨大な選択肢に満ちたこの世界。優れた感覚を持った彼にとって、それはあまりに膨大すぎる世界だったのでしょう。そして、自分はそんな世界では生きてゆけないと悟るしかなかったのだと、ぼくは思います。 そんな彼を意気地なしと断ずることは簡単です。けれどぼくは、彼に一つの共感も覚えます。この膨大な世界のなかで、なぜ自分はいまこの場所に留まっているのかと考えたとき、自分の存在というものが揺らぐような思いがします。ほかの人生があったのではないか、この人生が正しいのだろうか・・・そう考えたりするのです。それは、人生の成功や失敗に関係なく生まれる問いです。 船とともに消えていった彼の問いかけを見逃してはならないと思います。

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2011/07/25

映画は観てないはずだ。確か、新作紹介か何かで映画評論家の誰かが紹介し抜粋シーンを見ただけだったはずなのに、その時の印象的なシーンが、ほとんどこの話のすべてだったのでびっくり。 全編通して、戯曲と言うより長い詩を読んでいるような、謳いあげるような語り口がとても魅力的だった。 (あと...

映画は観てないはずだ。確か、新作紹介か何かで映画評論家の誰かが紹介し抜粋シーンを見ただけだったはずなのに、その時の印象的なシーンが、ほとんどこの話のすべてだったのでびっくり。 全編通して、戯曲と言うより長い詩を読んでいるような、謳いあげるような語り口がとても魅力的だった。 (あとがきを見たら、バリッコの語り口には妙に人を惹きつける何かがある、というようなことが書かれてあった。納得。)

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2009/10/07

イタリア文学。 図書館でかりました。 なんか淡々とストーリーが展開していったので、これを映画にしたらどうなるんだろうっておもった。

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2009/10/04

大西洋を果てしなく往復する豪華客船ヴァージニアン号に置き去りにされた小さな命。彼の名はナインティーン・ハンドレッド=1900。時が世紀の変わり目を告げる1900年に、この船で拾われた彼はこう名付けられた。海で生まれ船の上で生きたピアニストの愛の奇跡。

Posted byブクログ

2009/10/04

一人芝居の台本。 そう書いてあったから、軽く音読してみた。 芝居を見てみたいし、演じてみたいとも思った。

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