沈まぬ太陽(5) の商品レビュー
会長室篇終了。 勧善懲悪で物語が進むわけではまったくないので、読後感もよくはない。けれどこれこそノンフィクション所以で、゛世界で一番危険な動物゛について目をそむけたくなるくらい克明に描写している。 終盤、成田空港で運び屋のインドネシア人が補導され、行天に特捜部から電話がかかってき...
会長室篇終了。 勧善懲悪で物語が進むわけではまったくないので、読後感もよくはない。けれどこれこそノンフィクション所以で、゛世界で一番危険な動物゛について目をそむけたくなるくらい克明に描写している。 終盤、成田空港で運び屋のインドネシア人が補導され、行天に特捜部から電話がかかってきたところで暗に事態の好転を示しているのかもしれないけど、これは単に作者なりの付け足しにすぎないと感じた。 あくまでも物語をうまくまとめるためにそういった描写が必要であっただけで、一連の汚いやり取りは今も未解決のまま残っているのではとおもう。 社会とは、会社とはこういう部分を少なからずはらんでいることを知っておくことはとてもだいじ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
国見会長の指示に従い恩地は子会社の不正を調査した。かなりの利権や不正が行われているようだ。政治家,官僚も絡みそれらを暴くのは容易ではない。真正面から会社の問題を正そうとする国見会長の行動に対し総理も不安を抱き辞任に追い込む。恩地は再びナイロビへと追いやられる。
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とうとう読み終えた… 途中で映画も観たが、やはりこのすごい構成力には全く及んでおらず… 当たり前と言えば当たり前なんだけど。 会長室篇は途中何度も挫折しかけたけど、最後の国見会長の辞任のスピーチなんかは泣いてしまった。 細井ノートも、自分が告発したものがどれだけの影響力があるか、...
とうとう読み終えた… 途中で映画も観たが、やはりこのすごい構成力には全く及んでおらず… 当たり前と言えば当たり前なんだけど。 会長室篇は途中何度も挫折しかけたけど、最後の国見会長の辞任のスピーチなんかは泣いてしまった。 細井ノートも、自分が告発したものがどれだけの影響力があるか、生きて確かめて欲しかったし、ほんと、企業戦士の恩地さん!私には全くあなたのような生き方は不可能だと思った。 いっぱいいっぱい色んな思いがあるが、本当に、読んでよかった。 もっとたくさん知らなければならない事が、世の中にはあるのだという事を知った。
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ここで終わりかあ、という感じの最終巻。それぞれの人物の後日談などが知りたい感じですね。▼映画で恩地役の渡辺謙は『ダレン・シャン』ではミスター・トール役で出ていますが、つい「恩地さん…」と思ってしまいます。図書館予約数は4(2010/03/22現在)です。
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一体、どんな結末になるんだろうとドキドキしながら読みました。 こんな結末なのね・・・何だか中途半端だけど、これが現実なのだな。
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日本航空に会長として乗り込んできた伊藤淳二が、日本航空を立て直そうとするが、あまりの腐敗と政治からの介入に志半ばで、辞めさせられてしまう。沈まぬ太陽を読んでいると、監査役の大切さを痛感させられる。監査がしっかり行き届いていれば、会社、職員、組合などを腐敗させずに、きちんと管理する...
日本航空に会長として乗り込んできた伊藤淳二が、日本航空を立て直そうとするが、あまりの腐敗と政治からの介入に志半ばで、辞めさせられてしまう。沈まぬ太陽を読んでいると、監査役の大切さを痛感させられる。監査がしっかり行き届いていれば、会社、職員、組合などを腐敗させずに、きちんと管理することができると思った。
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ようやく最終巻を読み終えた。個人的には物語はハッピーエンドで終わってほしいのだが、ここまで現実を描いてきた本だけあって、それはあり得ないかもと思っていたが、幕を引くことなく締めくくられていた。 しかし、それが現実であろう。ハリウッド的な、ハッピーエンドが待っているというスト...
ようやく最終巻を読み終えた。個人的には物語はハッピーエンドで終わってほしいのだが、ここまで現実を描いてきた本だけあって、それはあり得ないかもと思っていたが、幕を引くことなく締めくくられていた。 しかし、それが現実であろう。ハリウッド的な、ハッピーエンドが待っているというストーリーばかりではおかしすぎる。人の人生において終わりはいつなのか、死が終わりなのであろうか、いや、そうではない気がする。その人に関わってきた人が、その人について思い続ける限り、また、何らかの関連でこの世が動かされている限り、肉体は存在しなくなったとしても、まったく無くなったと言うことではないのであろう。 マスコミや、官庁の良くない側面も多く垣間見ることができたが、これはいかにしても改善しきれない問題のように思える。1人の人間が、自分の本当に持つ力を超えたところまで影響力を持つことができ、勘違いをしてしまう仕組みが起こる状態では、誰しもが陥るかもしれないワナなのかもしれないと思えた。 そのワナを作らない仕組みを作ろうと必死に仕組みを作ろうとしているが、果たしてその追いかけっこはいつまで続くのであろうか。社会構造そのものの変更が必要なのであろう。しかし、果たしてそれも万全たる解決策とも思えないような気もするが。 何はともあれ、主人公である、恩地元は紆余曲折悩みながらも、一途な道を歩み続ける。自分の立場に置き換えても、いろいろと考えさせられる本であった。 この本の舞台となった会社は、昨日事業再生ADRを申請、受理された。映画の上映といい、たまたまこの本を読み始めたことといい、何か運命的な巡り合わせにように思える。
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祝映画公開。 小説として評価するなら☆2個くらいかな… 脚色があってフィクションである以上、小説として評価するべきなんだとは思うけど、だけどでもジャーナリズムとして評価したっていいじゃない。 以下ネタばれ。 結局(4)で危惧したことが現実になってしまった。 なんも解決しな...
祝映画公開。 小説として評価するなら☆2個くらいかな… 脚色があってフィクションである以上、小説として評価するべきなんだとは思うけど、だけどでもジャーナリズムとして評価したっていいじゃない。 以下ネタばれ。 結局(4)で危惧したことが現実になってしまった。 なんも解決しないまま終わりとか。 いやそれどころか、会長は更迭され、主人公は再びアフリカに飛ばされるとか、よりヒドい方向に振っておしまい。 救いもなにもなく、小説としては体をなしていないと思うなぁ。 ただ山崎さん自身の文章力とか分析力とか構成力などの技術は半端ないし、事件に対する態度や姿勢も著しく高く評価するけどね。 続きは現実の世界で、といったところか。 企業年金のこととかが言われているけど、裏で動いた金を全部回収すれば数千億くらいは返ってくるんじゃないの? がんばれ前原さん。
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既得権益の防衛合戦。 理想は欲望の前に無力ということを思い知らされた。 JAL行かなくて良かったw
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週刊新潮連載時、週刊新潮がJAL機内から姿を消したというエピソードを持つ『沈まぬ太陽』。報復人事、御巣鷹山、利潤追求…、その人間模様と社会性、壮絶な事故の描写は他の追随を許さない生々しさがあります。『白い巨塔』の財前&里見助教授を彷彿とさせる恩地&行天の対決も怖い…。巻末の取材協...
週刊新潮連載時、週刊新潮がJAL機内から姿を消したというエピソードを持つ『沈まぬ太陽』。報復人事、御巣鷹山、利潤追求…、その人間模様と社会性、壮絶な事故の描写は他の追随を許さない生々しさがあります。『白い巨塔』の財前&里見助教授を彷彿とさせる恩地&行天の対決も怖い…。巻末の取材協力者と主要参考文献の一覧も圧巻です。
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