沈まぬ太陽(5) 会長室篇

山崎豊子(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 1999/09/10
• JAN: 9784103228189

商品レビュー

2025/11/02

重厚な人間ドラマ。
悪い奴ほどよく眠ると言いますが、金の力で人の人生運命も変えてしまう。
人間の正義感は何処へ行ってしまうのか？
25/11/02 48冊目

2025/09/20

　まあ、最終的にどんな結末になるのか少し期待していたのだが、やはり現実は汚い側が勝利する。青臭い正義を振りかざしても、そんな存在は組織にとって邪魔でしかないというのがこの社会だ。過去に清廉潔白な人が出世した組織はあるのだろうか？小さな組織であればありうるけれど、歴史を振り返ると支配者はいつも冷酷で残虐なことが多い。
　だからこそ、そんな社会の問題をとり上げるこの著者のような存在が必要である。あとがきで書いてあるようにこのように腐敗した社会は20年前(今からだと45年前)に不毛地帯を書いた時から、少しも変わってないと…
せめてこのような本を読む読者の心の中に青臭い正義心がいつまでも沈まないで生き続けることをこの著者は願っているのだと思いました。

2025/08/24

この章では、主人公の存在感が薄れ、別会社から来た国見会長がどうにか企業の立て直しに奮闘する場面が描かれます。

しかしその背後には企業体質の根深い腐敗が浮き彫りにされ、読むほどに重苦しさを感じました。

救いがないように思える展開の中で、わずかながら主人公が前を向こうとする姿に希望の光を見出せたことは、不幸中の幸いでした。

この物語が示すのは、時代や環境が変わっても、人間の本質的な欲望や闇の深さは変わらないという現実です。

読み進める中で、社会や組織、文化の暗部に直面しながらも、それを自らの学びとして捉えることの大切さを実感しました。