九人と死で十人だ の商品レビュー
創元もハヤカワも今に至るまで文庫化もしていない。初めてお目にかかるHM卿もので、あまり期待していなかったが、どうしてどうして!なぜこの作品が文庫化されていないのか、わからない。いくつかのドタバタ劇のカー=カーター・ディクスンものよりもずっとまとまっている。 犯行のトリックもこの当...
創元もハヤカワも今に至るまで文庫化もしていない。初めてお目にかかるHM卿もので、あまり期待していなかったが、どうしてどうして!なぜこの作品が文庫化されていないのか、わからない。いくつかのドタバタ劇のカー=カーター・ディクスンものよりもずっとまとまっている。 犯行のトリックもこの当時のものなら説得力あり。犯人の背景と動機がちょっと弱いが『魔女の隠れ家』『笑う後家』なんかに比べれば十分読者は納得する。 本当になぜこの作品があまり目立っていないのか、版権独占というのでもなさそうだし、わからない。
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ヘンリー・メリヴェール卿。 船上が舞台のミステリは、森博嗣『恋恋蓮歩の演習』くらいしか思い出せない。本格ミステリとしては初めて読んだかも。 必然的に容疑者の人数が決定されるため、ミステリ向きの設定なのかも。 解説にも書かれているように、トリックの魅せ方・使い方が上手い作品。 メリ...
ヘンリー・メリヴェール卿。 船上が舞台のミステリは、森博嗣『恋恋蓮歩の演習』くらいしか思い出せない。本格ミステリとしては初めて読んだかも。 必然的に容疑者の人数が決定されるため、ミステリ向きの設定なのかも。 解説にも書かれているように、トリックの魅せ方・使い方が上手い作品。 メリヴェール卿の行動や台詞がお茶目。好きな探偵の一人になりました。
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H・M卿ものの船上ミステリー。 今回も練り上げられた謎に舌を巻く思い。 カーを読み始めて納得。カーキチという称号の存在。
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従来概念が通用しない作品。 疑わしい人物が1名いて その人がどーみても怪しく感じますが 疑ってはいけません。 というかそんなやすやすと犯人は でてきませんので。 しかしトリックは大胆不敵。 きちんとヒントは出てはいますが 見逃してしまう人が大半でしょう。 意外性は、というと傾向...
従来概念が通用しない作品。 疑わしい人物が1名いて その人がどーみても怪しく感じますが 疑ってはいけません。 というかそんなやすやすと犯人は でてきませんので。 しかしトリックは大胆不敵。 きちんとヒントは出てはいますが 見逃してしまう人が大半でしょう。 意外性は、というと傾向がわかるから そんなんでもないですね。 しかしメリヴェール卿を狙う 犯人は勇気ありますね。 一度はガツンとやったものの… 及ばずでしたね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
H・M卿シリーズ 第二次大戦中アメリカからイギリスに向かう輸送船内での殺人事件。被害者はジベア・ベイ夫人。社交界の注目を集める夫人の死。夫人と親しくしていたマックス・マシューズ。彼の部屋に潜んでいたヴァレリーの頼み。ジア・ベイ夫人の持つ手紙の秘密。凶器のナイフに残された指紋は乗客9人の誰とも一致しない。10人目の人物の秘密。フランス人大尉バワン殺害事件。夜の甲板で後ろから撃たれ海に転落したバワン。ヴァレリーの嘘と 巻き込まれたケンワージー。指紋の控えを盗み出そうとした犯人。親からの仕送りに頼るケンワージー。床屋に勧められた毛生え薬からヒントを得たH・M卿の推理。 船橋図書館 2011年3月7日再読
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H・M卿のファルス色は、舞台が戦時下ということもあるのか抑え気味だったが相変わらずの筆力と事件の不思議さで一気に読み進められた。 トリックに関して言えば、初期のすさまじいトリックメーカー振りというよりは、解説にもあったけどいくつかのトリックを組み合わせ、またそれを上手く見せるこ...
H・M卿のファルス色は、舞台が戦時下ということもあるのか抑え気味だったが相変わらずの筆力と事件の不思議さで一気に読み進められた。 トリックに関して言えば、初期のすさまじいトリックメーカー振りというよりは、解説にもあったけどいくつかのトリックを組み合わせ、またそれを上手く見せることによりかなり見事な仕掛けになっていると思った。まあそのいくつかは現代の、特に日本人には9割がた分からない(説明聞いてもピンと来ない)ものではあったけど、別にそれは瑕疵にはならないでしょう。発表当時はリアルだったんだろうし。 解決の場面でのH・M卿の話はいちいち感嘆させられた。もやもやが次々に解決され、盲点を突かれ、膝を打って、の連続だった。ラストもカーおなじみのハッピーエンドで「めでたしめでたし」と思いつつ読み終わることができて一安心。
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