老人と犬 の商品レビュー
J・ケッチャム作品と…
J・ケッチャム作品としては、抑え目なようにも感じます。ですが、作品の中で渦巻く感情は正にJ・ケッチャムが描くそれでした。 老人の復讐物語、といえば聞こえがよいのかも知れません。素晴らしいのは、老人の内面描写を淡々と描いているケッチャムの手腕です。 愛犬を目の前で殺されて激昂するの...
J・ケッチャム作品としては、抑え目なようにも感じます。ですが、作品の中で渦巻く感情は正にJ・ケッチャムが描くそれでした。 老人の復讐物語、といえば聞こえがよいのかも知れません。素晴らしいのは、老人の内面描写を淡々と描いているケッチャムの手腕です。 愛犬を目の前で殺されて激昂するのでもなく、じわじわと行動をおこしていく老人。然るべき裁き。 ラストですが、私としてはハッピーエンドだと思います。こじつけなハッピーエンドに辟易している方なら、賛同して頂けるかと思います。実に人間くさい素晴ら
文庫OFF
愛犬と暮らす平凡な老…
愛犬と暮らす平凡な老人が、ある日突然若者に愛犬を殺されてしまう。あまりにも不当な扱いを受け、老人は忍耐強く、執拗に復讐する。納得のいかない所もあるが、最後はとても感動した。
文庫OFF
愛犬を殺された老人の…
愛犬を殺された老人の復讐劇。この老人がハードボイルドでかっこいいです。いきなり犬が殺されて、悲しい気持ちになりますが、ラストは感動です。いかにして復讐を遂げるのか、見所です。
文庫OFF
惹きこまれる復讐物語…
惹きこまれる復讐物語です。あまりの理不尽さに胸が締め付けられるような思いでした。ケッチャムの作品は一級品揃いです。
文庫OFF
題名に惹かれて読みま…
題名に惹かれて読みました。ん~テーマを探すことがナンセンスかも知れませんが主人公が相手の少年や家族に対し「正義」を根気強く諭そうとするところが気に入りました。最後は、世の中って不条理なのよねって感じました。
文庫OFF
愛犬を少年に殺された…
愛犬を少年に殺された老人の復讐。若くない男性が若い女性に愛される展開はよくありますが、もう少し説得力が欲しいなぁと思います。
文庫OFF
老人の相棒の犬を、射…
老人の相棒の犬を、射殺されてしまいます。復習をする老人。他の作品に比べると、暴力は少ないのですが、印象深い本です。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ケッチャムの新境地というか、新たな挑戦という表現が適切だと思います。 オフシーズンから始まった所謂ケッチャム作品を期待しているなら、本作ではその期待は裏切られる。 主人公である老人(ラドロウ)が愛犬(レッド)と共に森の中にある川で釣りを楽しんでいるところから本作は始まります。 そこに現れた3人の少年。 その中の1人(ダニー)はいきなりショットガンを老人に突きつけ、「財布をよこしな」と言い放つ。 ラドロウは下手に抵抗する事もしなかったが、僅かなお金(20〜30$)しか持っていないし、それは道中に止めてきたピックアップトラックの中だと言い、少年たちに車のキーを渡そうとした。 その刹那、ダニーは構えていたショットガンでいきなりレッドの頭を吹き飛ばす。 ダニーと共にその場にいた2人も含め、「ほんとの赤(レッド)にしてやったぞ!」と笑い、去っていった。 ラドロウにとって年老いたレッドは亡き妻メアリとの大切な思い出でもあり、常に側にいてくれる唯一の存在であった。 そんなレッドを目の前で無残に殺され笑いながら去っていった少年たちをラドロウは〝然るべき裁き〟を求め追い詰めていく。 手始めにレッドを撃った少年を突き止めるべく、銃を扱う店を訪れ聞き込みを行う。 程なくして、それがマコーマック家の長男(ダニー)だとわかり、直接彼等の家を訪ねる。 マコーマック家の主人マイケルにダニエルが私の犬を撃ったと告げる。 マイケルはダニーをその場に呼び問いただすも、ダニーはそんなところに行ってもいないとウソをつく。 ラドロウは正義を求め、自分のやった事を後悔し、常識的な範囲での罰を受けて欲しいと求めるも、マイケルはそれを拒否し、全ては老人の戯言で何の証拠もないと言いはった。 次にラドロウは警察に相談するも、起訴出来るかは微妙だと告げられる。 ラドロウはダニーが犯人である事を証明する手がかりを求め、ときに付き纏いながら行動を続けていく。 有能な弁護士も雇い、力(権力)でラドロウの主張を否定し、名誉毀損や不法侵入などの対抗策を講じながらマイケルも着々とラドロウを黙らせる準備を続けるなか、大切にしてきたラドロウの店が放火により火を放たれ燃えてしまう。 表題にあるように本作の主人公は老人(ラドロウ)と犬(読み終えたからこそ敢えてレッドとは記さない)。 つまり、ラドロウはたった1人でどうやって〝然るべき裁き〟を受けさせるのか。 物語のラストに描かれる仔犬の登場に最後は少し心温まる作品となった本作は、オフシーズンから魅了されたきた私は本作も同様にもっと血生臭く、脳の中をえぐられるような内容を勝手に思い描いていましたが、それは大きな間違いでした。 説明 内容(「BOOK」データベースより) 老人が愛犬と共に川釣りを楽しんでいる。そこへ少年が三人近づいて来た。中の一人は真新しいショットガンをかついでいる。その少年が老人に二言三言話しかけたかとおもうと、いきなり銃口を老人に向け金を出せと脅した。老人がはした金しか持っていないと判るや、その少年は突然、銃を犬に向けて発砲し、頭を吹き飛ばした。愛犬の亡骸を前に呆然と立ち尽くす老人。笑いながらその場を立ち去って行く少年たち。あまりにも理不尽な暴力!老人は“然るべき裁き”を求めて行動を開始する。
Posted by
とにかく訳が綺麗でとても読みやすいです。いきなり惨殺される家族である飼い犬、静かな老人の怒り。家族との絆、現れていく老人自身…。クズとしかいいような少年たちと親への復讐が成功するのか、じりじりする不安を抱えながら完璧なハードボイルドをぐいぐいと夢中で読み進みました。最初の斬殺部分...
とにかく訳が綺麗でとても読みやすいです。いきなり惨殺される家族である飼い犬、静かな老人の怒り。家族との絆、現れていく老人自身…。クズとしかいいような少年たちと親への復讐が成功するのか、じりじりする不安を抱えながら完璧なハードボイルドをぐいぐいと夢中で読み進みました。最初の斬殺部分よりもすべてが落ち着いた後の「あなたがわかる」シーンに号泣してしまいました。残虐非道な話を書く鬼畜系ホラー作家との評判だそうですが、これは異色なのかメインはそこではないです。逆に残虐非道な方もちょっと読んでみたくなりました。
Posted by
初ケッチャム。 スゴ本ブログの「新幹線の通り魔が読まなかった本」という刺激的なタイトルの記事がきっかけ。 ケッチャムに関してはあまりに前情報が多すぎて、恐くて手を出せていないが、これは恐くなさそうだ、というチキンな理由で手に取る。 とても静謐で濃密な文章を堪能できたので、調子に乗...
初ケッチャム。 スゴ本ブログの「新幹線の通り魔が読まなかった本」という刺激的なタイトルの記事がきっかけ。 ケッチャムに関してはあまりに前情報が多すぎて、恐くて手を出せていないが、これは恐くなさそうだ、というチキンな理由で手に取る。 とても静謐で濃密な文章を堪能できたので、調子に乗って他に手を出すとたぶん震えるんだろうな。。
Posted by