くだんのはは の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2019/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このSF小説の題名にもなっている「くだんのはは」は、ある人物が太平洋戦争末期にある裕福な所で厄介になるが。その他にも収録作品あり。

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2013/03/02

いろいろな意味で超有名な話。 「くだん」 今でも使います・・ あんな恐ろしい話は聞いたことがないのですよ。

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2013/01/20

 ちょっと前に読んだスチームオペラの後書きで、推奨されていた「お糸」が読みたくて図書館で借りた。  女性をテーマにした短編集で構成されており、「お糸」以外は怪奇小説に分類されるのだと思う。後、内容的に「R指定」のものが多数含まれている。  「お糸」は、日本版スチームパンクであって...

 ちょっと前に読んだスチームオペラの後書きで、推奨されていた「お糸」が読みたくて図書館で借りた。  女性をテーマにした短編集で構成されており、「お糸」以外は怪奇小説に分類されるのだと思う。後、内容的に「R指定」のものが多数含まれている。  「お糸」は、日本版スチームパンクであって、江戸時代にテレビとか飛行機(飛行船)が登場する。最後の締めくくりがあっさりしていて、ちょっと残念だったが、発想が斬新でおもしろかった。  なお、最近の売れ筋の小説は、会話が多かったり、段落が短かったりして読みやすいが、この小説はびっしり書いてあり、読む力がないと息切れするかも知れない。町の描写など、ここまで書くのかというぐらい緻密に記述されていて、知らない町だと想像するも大変だった。

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2010/09/01

読了年はおおよそ。 底本は多分角川文庫。そちらで読みました。 この人は怪談と古典を絡めたSFを書かせればきっと世界でいちばんうまい。 戦時中の暗い時勢を背景に、京都のひっそりと広大な屋敷の恐ろしい秘密。犯罪も行われず、呪いも恨みもなく、しかしただひたすらに怖い。 この小説が好きだ...

読了年はおおよそ。 底本は多分角川文庫。そちらで読みました。 この人は怪談と古典を絡めたSFを書かせればきっと世界でいちばんうまい。 戦時中の暗い時勢を背景に、京都のひっそりと広大な屋敷の恐ろしい秘密。犯罪も行われず、呪いも恨みもなく、しかしただひたすらに怖い。 この小説が好きだという方には同著者の「天神山縁糸苧環」もオススメ。

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2009/10/04

【くだんのはは】―短篇。 戦時中の回想。家を焼かれ、元家政婦の伝でお屋敷の離れに身を置かせてもらうことになった僕。刻々と変わる戦況と屋敷内の落ち着き具合のギャップが印象強い。母屋の2階から聞こえてくる正体不明のすすり泣き、血や膿のついた包帯、そして戦況についてのおばさんの正確な予...

【くだんのはは】―短篇。 戦時中の回想。家を焼かれ、元家政婦の伝でお屋敷の離れに身を置かせてもらうことになった僕。刻々と変わる戦況と屋敷内の落ち着き具合のギャップが印象強い。母屋の2階から聞こえてくる正体不明のすすり泣き、血や膿のついた包帯、そして戦況についてのおばさんの正確な予言―。ついに玉音放送のあった日、僕は苛立ちとともに謎の2階へと飛び込み、泣き声の正体を見てしまう。ホラーとしての薄気味悪い一面と、戦時中の生活を描いたリアルな読み物としての一面が上手く絡み合った不思議な雰囲気があり面白かった。(2008.12)

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2009/10/07

7月5日読了。表題の短編を昔何かの短編集で読んだことがあり、面白かったので読んでみた。ホラー小説ではなく怪奇小説というべきか・・・?表題作は改めて読んでも、描写といい展開といい時代設定など背景といい完璧に近い、一級の短編小説だ。小松左京は日本の神話への造詣も深い、インテリだな。こ...

7月5日読了。表題の短編を昔何かの短編集で読んだことがあり、面白かったので読んでみた。ホラー小説ではなく怪奇小説というべきか・・・?表題作は改めて読んでも、描写といい展開といい時代設定など背景といい完璧に近い、一級の短編小説だ。小松左京は日本の神話への造詣も深い、インテリだな。この短編集のテーマは「女」だそうだが、確かに男から見れば女性とはいつまでたってもミステリアスなもの。とはいえ男性から見た女性像というものは、女性が読んだらどう思うものなのだろう・・・?

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2009/10/04

私の父は戦争末期、中国中部を転戦していました。 神戸でクダンが生まれたと言う話をその頃に聞いたことがあると私に話してくれました。 「クダンが生まれたのなら戦争は終わり、帰国できるだろう」と、戦友たちと話していたと。 私がこれを読んでいたとき、話してくれました。 父はクダンが何かを...

私の父は戦争末期、中国中部を転戦していました。 神戸でクダンが生まれたと言う話をその頃に聞いたことがあると私に話してくれました。 「クダンが生まれたのなら戦争は終わり、帰国できるだろう」と、戦友たちと話していたと。 私がこれを読んでいたとき、話してくれました。 父はクダンが何かを知っていたのですね。 そして、クダンが生まれたという噂は現実に広まっていたんですね。 兵庫南部出身の小松左京も噂を聞いていたのでしょう。

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2009/10/07

女シリーズの6篇を中心に、怪異譚敵短編を集めたもの。こうしてテーマに沿って編集された形で読むと、改めて面白い。SFとしては「お糸」がいい。「くだんのはは」はホラーの白眉。

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2009/10/04

とにかく、描写が美しいです。着物や帯の柄まで想像しながら読むことができます。 その描写で、描く幻想の物語は時に切なく、時に恐ろしいものでした。 ちなみに「くだんのはは」の「くだん」とは、人へんに牛と書く「件」という凶事を予言する幻獣のことです。女主人の邸宅に住まわせてもらうこ...

とにかく、描写が美しいです。着物や帯の柄まで想像しながら読むことができます。 その描写で、描く幻想の物語は時に切なく、時に恐ろしいものでした。 ちなみに「くだんのはは」の「くだん」とは、人へんに牛と書く「件」という凶事を予言する幻獣のことです。女主人の邸宅に住まわせてもらうことになった「僕」が出会った不思議な出来事が綴られています。これは、噂に違わず名作でした。件が作り出すエピソードをうまく処理しているな、という感じ。 他に印象に残ったのは「流れる女」です。「私」と義父と息子がそれぞれ心を惹かれた女性に出会い、互いに引き合わせようとするのですが…という話。 わたしの拙い説明よりも、まずは読んでもらった方が早いと思うので、ぜひぜひ読んでみてください。

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