ポピュラー音楽の世紀 の商品レビュー
各国の音楽の歴史がまとめられている。正直なところ情報が多すぎて、吸収しきれない。 ジャズの土台となった音楽的な直接要因は、ブラスバンド、ラグタイム、ブルースの3つで、ハーモニーなどヨーロッパ音楽の理論も入り込んだ。 サンバは、田舎からリオの郊外に来た黒人工場労働者が行っていた...
各国の音楽の歴史がまとめられている。正直なところ情報が多すぎて、吸収しきれない。 ジャズの土台となった音楽的な直接要因は、ブラスバンド、ラグタイム、ブルースの3つで、ハーモニーなどヨーロッパ音楽の理論も入り込んだ。 サンバは、田舎からリオの郊外に来た黒人工場労働者が行っていたどんちゃん騒ぎの民俗芸能のようなものだったものが、ポピュラー音楽に転換したもの。 タンゴは、キューバから伝わったアバネーラに、アフリカ系の祭りの踊りなどが混じり合って生まれたダンスに合うように作られたもの。 20世紀にドイツから伝わったバンドネオンが導入され、歯切れのいいビートに乗せて演奏されるようになった。 ソウルは、モータウンに代表される滑らかで耳障りのいいのが売り物の1960年代以降の黒人音楽。 ジャマイカのレゲエは、ニューオリンズあたりからのラジオの電波に接しているうちに、リズムアンドブルースを自分たち流に手直しして歌うようになったもの。 サルサは、プエルト・リコからの移民たちの音楽。 ヒップ・ホップは、リズムアンドブルースの模倣から出発したジャマイカ黒人文化に、黒人音楽の方が逆影響されたもの。
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音楽の聴き方、感性が変わるほどの素晴らしい音楽本です。 ひと言で言えばアメリカ中心主義、あるいは商業主義による音楽の搾取構造の告発。アメリカの自文化主義によって、アフロアフリカンをはじめ、カリブ海や南米の大衆音楽は常に剽窃される形で商品化され、搾取されてきたことを20世紀末に書...
音楽の聴き方、感性が変わるほどの素晴らしい音楽本です。 ひと言で言えばアメリカ中心主義、あるいは商業主義による音楽の搾取構造の告発。アメリカの自文化主義によって、アフロアフリカンをはじめ、カリブ海や南米の大衆音楽は常に剽窃される形で商品化され、搾取されてきたことを20世紀末に書いた筆者は本当に偉大な音楽評論家だと思う。欧米以外にも、ロックやジャズ以前にも、ポピュラー音楽は存在していることを、非常にコンパクトな必要最小限の記述でありながらも、歴史や世界各地の匂いのようなものを感じさせながら教えてくれる。
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内容が濃く、様々な示唆に富む、良い本。著者の持つ歴史観・音楽観に基づいた一貫したトーンで書かれており、良い意味で、常に背後にある種の主張が感じられ、それが読み物として読みやすい。カバーしてる範囲が広い(20世紀、全世界)ので、書いてある内容をすべて短期間に消化して記憶に残して「読...
内容が濃く、様々な示唆に富む、良い本。著者の持つ歴史観・音楽観に基づいた一貫したトーンで書かれており、良い意味で、常に背後にある種の主張が感じられ、それが読み物として読みやすい。カバーしてる範囲が広い(20世紀、全世界)ので、書いてある内容をすべて短期間に消化して記憶に残して「読み終わる」ことは不可能であり、座右に置いておいて事あるごとに該当箇所を読み返したくなる一冊。
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アメリカは最初から音楽はビジネスだった。ポップ音楽もビジネスだから下から上がってきたものではない。 アメリカのレコード産業のビジネスのやり方は楽譜出版社が試み始めた音楽の商品化のシステムを発展させたもの。 バンドブーム、80年代。ダンス系、アンダーグラウンド、サブカルチャー
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題名からアメリカのポピュラー音楽を解説するものだと思っていたが、あに図らんや南米、中南米、アフリカ、アジアを含め全世界のポピュラー音楽を取り上げている.著者の調査力に驚嘆したが、本書の内容をもっと"ポピュラー"にしていく必要性を痛感した.私の好きなジャズも従来...
題名からアメリカのポピュラー音楽を解説するものだと思っていたが、あに図らんや南米、中南米、アフリカ、アジアを含め全世界のポピュラー音楽を取り上げている.著者の調査力に驚嘆したが、本書の内容をもっと"ポピュラー"にしていく必要性を痛感した.私の好きなジャズも従来にない新たな視点からの解説があり、楽しく読めた.
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地元の図書館で読む。期待以上の出来です。正直、あまり期待していませんでした。ブルース、ジャズもよくわからない僕には、敷居が高いと思っていました。再読の価値があります。
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世界のポピュラー音楽について詳細に説明している。 特に、世界的な影響をあたえたさまざまな地方の音楽についても言及している。 『ミュージック・マガジン』という雑誌があったことは覚えていません。 ごめんなさい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
10年以上前の本だが、最近のポピュラー音楽がなぜつまらなく、使い捨てにされているのかという問いに対するひとつの答えがここにある。 本当は、音楽ってもっと身近で生活に密着してるものだったはずなのに…。
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中南米音楽の比重が高い反面、反米主義/反商業主義っぽい人なので、バランス的にどうなのか不安。「オーティスは真のソウルだが、モータウンは甘い音楽」という古くさい認識もどうかと思う。でも、面白かった。
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音楽が流通に乗るようになってからの歴史を追い、各地域のポピュラー音楽を網羅してくれている。タテ(時代)とヨコ(地域)の関係がつかみやすく、いい感じのガイドブックとして機能している。 それにしてもこの人アメリカ嫌いすぎだろうと思った。ちょっと欧米かぶれてる位が日本人としての自然なメ...
音楽が流通に乗るようになってからの歴史を追い、各地域のポピュラー音楽を網羅してくれている。タテ(時代)とヨコ(地域)の関係がつかみやすく、いい感じのガイドブックとして機能している。 それにしてもこの人アメリカ嫌いすぎだろうと思った。ちょっと欧米かぶれてる位が日本人としての自然なメンタリティだと思うのだが(少なくとも音楽の趣味においては)。 蛇足:あまりにも昔取った大学の講義と内容が似ているので焦る。遊園地化して久しい今どきの大学ではポピュラー音楽史の講義というものが設置されていることも珍しくなく、まぁ要するに自分以下の年代の人には「一般教養でありそうな内容」といえばピンとくるだろうという話です。 300円。
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