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僧正殺人事件(3) の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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マザーグースの見立て…

マザーグースの見立て殺人が連続する! 果たして犯人の目的は? ダインの最高傑作との呼び声も高い逸品。

文庫OFF

言わずと知れた名作。…

言わずと知れた名作。マザーグースの見立て殺人です。

文庫OFF

2015/08/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ヴァン・ダイン、なにか一言でもしゃべったか?  ヴァンスの問いかけに答えてはいるけど、ここまで徹底的なのもすごいな。ほとんどないものとして書かれてないか? 助手ではない、記録者だ。登場人物一覧にすらいないもんよ。シリーズの途中作だからか、そもそも正確な名前すら分からなかったよ。  翻訳ものがものすごく苦手なので、読み終わるのに時間かかった。三日くらいかかった。  国内ミステリ、新本格を主に読んでるから、こう、なんだろう、いろいろと違和感は多いし、疑問も多い。最後の数学者の心理を推察するヴァンスの高説は必要だったのかしらとか。心理的な推察をここまで組み込むの、今の国内ミステリでやってたらちょっと鼻で笑っちゃうかもしれない。  最後のオチは結構好きです。アーネッソンが好きだったので、「えー……」と思いながら読み進めて、結局「やっぱりね」と。  だって、あれだけ「状況証拠しかない」みたいな感じで話が進んで、その証拠を考えたら、当てはまるの、教授とアーネッソンじゃんね。ヴァンスが事件初期からアーネッソンを容疑から外してた理由が数学者の心理状態?みたいな感じで、そこがやっぱりうーん、と首を捻らざるを得ない。  あと冒頭からすごく「凄惨な事件」って語られてるけど、殺されたの四人、事故死一人、未遂一人で、登場人物たちが嘆いているほどの事件には見えなかった。ずっとその違和感が付きまとってて、このひとたち大袈裟だなぁと思いながら読んでたわ。たぶん、この時代にはそうだったなろうなぁとは思うけど、まだ一人目の時点で「こいつぁややこしくなるぞ」みたいなこと言い出してて、ソースは? 状態。童謡見立てでも、一番の歌詞の見立てで事件が起こって、「もしかして二番に続くんじゃあ……」だったら分かるんだけどね。  個人的に一番どうよと思ったのはやっぱりラストだな。「万事うまくいったじゃないか」って言ってるけどさ。ヴァンス、お前……。いやそのどうよ、って思ったところが一番面白かったんだけどね。たまらなく好きですけどね。  抜粋。  アーネッソンさんのセリフより。 「すぐにお供えしてあげるよ、マデラン。ハンプティ・ダンプティは、きみが忘れずにいてくれたので、お礼を言うでしょう」  アーネッソン、超良い奴じゃん。

Posted byブクログ

2014/10/02

マザーグース系。ご都合主義大歓迎派なんだけど、これあまり好きじゃないやつ。やっぱりアメリカのは合わないんだなぁ。不思議。クリスティを読みたくなった。

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2012/09/13

理系無双で特に終盤は読むのがしんどい。しかし事件そのものに直接関わりあるものではないので、読書自体に負担はなし。マザーグースにばかり気を取られてしまい、「僧正」という言葉がここまで事件に絡んでいくとは思わなかった。結末には、後味の悪さを感じる人もいるかもしれない。犯人の執着や怨念...

理系無双で特に終盤は読むのがしんどい。しかし事件そのものに直接関わりあるものではないので、読書自体に負担はなし。マザーグースにばかり気を取られてしまい、「僧正」という言葉がここまで事件に絡んでいくとは思わなかった。結末には、後味の悪さを感じる人もいるかもしれない。犯人の執着や怨念めいたものが真相と共にあらわになるところ、ヴァンスの犯人に対する冷酷ともとれる姿勢が強烈。

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2011/05/03

 チェスが出てくるミステリーの最高傑作だからいずれ読まねばとは思っていたが、こんな長編を読み切るのはしんどかった。最初の殺人が起きるストーリー初日だけで100ページを超えるのだから。これでも、作者の確立したミステリーの王道は余分な虚飾をはぎ取っている。代わりに、事件に関係あるとは...

 チェスが出てくるミステリーの最高傑作だからいずれ読まねばとは思っていたが、こんな長編を読み切るのはしんどかった。最初の殺人が起きるストーリー初日だけで100ページを超えるのだから。これでも、作者の確立したミステリーの王道は余分な虚飾をはぎ取っている。代わりに、事件に関係あるとはいえ、ずいぶんペダンチックな説明が語られる。  チェスはたしかに重要な要素となっており、タイトルの僧正はもちろんビショップの駒のことで、犯人が手紙の署名に使う謎の名前でもある。さらに、自分の名を冠したギャンビット定跡まで発案したパーディーという容疑者の一人がいて、彼と実在の棋士ルビンステインとのマッチまで出てくる。1敗1分後の最終第3局で白のパーディーが投了した局面(原注より)からの黒のメイトは簡単だ。最後にビショップを使うのがミソ。 45 Rxc2 Nxc2 46 Kxc2 b1Q+ 47 Kxb1 Kd3 48 Ka1 Kc2 49 d3 Bb2#  しかし、最後のどんでん返しは手に汗握るという感じで、新訳もいいからお勧めだ(台詞の処理に関しては不満があるが)。東野圭吾の「鑑賞」と題する解説も、作家の観点から書かれていてとても興味深かった。  著作権が切れているとはいえ私も訳して張り合う気はないが、チェスに関する部分の訳を公開すればおもしろいかもしれない。その間の話はダイジェストにして?

Posted byブクログ