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もののけと日本人 の商品レビュー

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2012/01/16

古代から現代にかけてのモノノケと日本人のエピソードを中心に、精神的構造を解説した書。 古代はアニミズムの社会が精霊と人間を共存させた社会。 平安期からは精霊が怨霊となり、人間を脅かす世界。 中世は力のある人間が怨霊と対峙する世界。近世は、怨霊を合理的に捉えようとした時代という視点...

古代から現代にかけてのモノノケと日本人のエピソードを中心に、精神的構造を解説した書。 古代はアニミズムの社会が精霊と人間を共存させた社会。 平安期からは精霊が怨霊となり、人間を脅かす世界。 中世は力のある人間が怨霊と対峙する世界。近世は、怨霊を合理的に捉えようとした時代という視点はほぼ納得する。 怨霊が、不可思議な力として恐れられる一方、法律では裁かれない人々を裁く社会の不条理を是正する力であったという意見は慧眼だと思いました。 それゆえ、江戸時代の人たちのモラルを支えていたのがモノノケであったという意見も素晴らしい。 ただ、現代人の感覚から当時を解説するより、当時の視点でモノノケを捉えたほうが、もっと驚きがあったような気がします。 解説より、イメージで伝えるほうが読み応えあったあかも。

Posted byブクログ