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渇きの街 の商品レビュー

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2011/09/19

北方謙三は、私の好きな逢坂剛や船戸与一や佐々木譲のいつもそばにいるのに、何故か今まで触手が伸びなかったのです。 すでに重鎮どころか、大御所というほどの大活躍されていて、最近では水滸伝が大ブレイク中ですね。 でも私は読んだことがありませんでした。実は今回も読もうとした訳ではなく...

北方謙三は、私の好きな逢坂剛や船戸与一や佐々木譲のいつもそばにいるのに、何故か今まで触手が伸びなかったのです。 すでに重鎮どころか、大御所というほどの大活躍されていて、最近では水滸伝が大ブレイク中ですね。 でも私は読んだことがありませんでした。実は今回も読もうとした訳ではなく、日本推理作家協会賞全集の読破、を実行していて、たまたま遭遇したのでした。この賞に選ばれていることも知りませんでした。 これは1985年の、作者38歳時の作品です。でも、御免なさい、残念ながらあんまり興奮しませんでした。 生島治郎や結城昌治や佐野洋や三好徹に痺れた目には、いかにも力不足の力んだ未完成な小説に見えたのですもの。 けっして独自の世界を作っているとも思えませんでしたし、暴力なら暴力で、もっともっと、目の覚めるような暴力を、とか、思ったものでした。 そして、生島治郎の上海みたいに、臭いまで漂ってくる位に書いてとは言わないけれど、せめて大沢存昌くらいの雰囲気作りはしてほしいと渇望しました。 新宿鮫は、彼が長年、たしかに新宿で遊んだ、その成果が活き活きと生かされていることが、強く感じられます。まさか、それで直木賞までとるとは、お釈迦様でも気が付かなかったでしょうけれど。 長らく一部の少数マニヤにしか読まれていなかった、不遇の時間が吹き飛んで、大ブレイクしたことを、そのマニアの一人だった私は、大喜び・大絶賛したものです。 それはともかく、本作品は、とびきりのハードボイルドを期待していたのに、全然そうじゃなかったばかりでなく、未発酵の未成熟な習作みたいな【ちょっと言いすぎで、ごめんなさい。深夜プラス1に行った時に睨まれるかもしれませんね。くわばら・くわばら、身内の悪口めいた、めったなことは言わない方がよかったのに、と後悔しています】もので落胆しました。 ええっと、北方謙三もっと探索開始!します。膨大な彼の足跡に分け入って、私自身の満足できる作品を探しますので、そんなに怖い顔をしないで下さいな。

Posted byブクログ