友がみな我よりえらく見える日は の商品レビュー
自尊心って人が生きて行くうえで欠かせないものだと思う。 人が傷ついた自尊心を回復しようとするとき、著者の「心はギュッとつかまれたような感じになった」と書かれてあるが、とても共感出来る。
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いただいてからずっと本棚に仕舞ってあった一冊 なぜ彼があたしにこの本をくれたのかがちょっとわかった気がした 現代に生きる様々な人たちと彼らが背負う陰を、彼らと全く同じ、水平な目線で見詰め、見たものがそのままそっくり描かれている。 とてもよかった 村上龍の解説も好し。
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「背がひくい」「太っている」「お金がない」。 人は誰しも劣等感を抱き、自分の不運を嘆きながらも日常を生きている。 この本に描かれているのは、そんな、ある意味では普通の人たちである。 然しその劣等感は、事故により視力を失ったとか、一度は小説で有名になりながらも今はコンビニで廃棄弁...
「背がひくい」「太っている」「お金がない」。 人は誰しも劣等感を抱き、自分の不運を嘆きながらも日常を生きている。 この本に描かれているのは、そんな、ある意味では普通の人たちである。 然しその劣等感は、事故により視力を失ったとか、一度は小説で有名になりながらも今はコンビニで廃棄弁当を漁るとか、妻を亡くしたとか、一言ではいえないような種類のものばかりだ。 誰もが自分の劣等感に対して、「背は低いけどファッションセンス最高!」「私はちょっと太めだけど優しさなら誰にも負けない」「お金じゃ買えないものがある」とか、劣等感に折り合いをつけて生きている。 この本に書かれている人たちも、派手な劣等感を抱きながら、いろんな手段で折り合いをつけて日常を生きている。 派手な劣等感を抱えている人を書くと湿っぽくなりがちだけど、この著者は全く乾いた感じでその姿を描いている。 そして、この本を読んだ後は、泣くでもなく、喜ぶでもなく、怒るでもなく、勇気が出るとかほんのり暖かくとか、そんな読後感を突き抜けた、全く新しい不思議な読後感を抱かせてくれる。
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「コレ、読んでみて。ちょっといいよ! お薦め!」 先日、妹に薦められて持ち帰った本。 タイトルは「友がみな我よりえらく見える日は」 上原 隆 著(幻冬舎アウトロー文庫) 仕事の合間に読むのに丁度いいと思い職場に持っていった。 小説かと思っていたらノンフィクションだった。 それも...
「コレ、読んでみて。ちょっといいよ! お薦め!」 先日、妹に薦められて持ち帰った本。 タイトルは「友がみな我よりえらく見える日は」 上原 隆 著(幻冬舎アウトロー文庫) 仕事の合間に読むのに丁度いいと思い職場に持っていった。 小説かと思っていたらノンフィクションだった。 それも未知の世界の話しではなく、 ごく身近な人間のルポルタージュであった。 現にそこいら中にいそうな日本人の… 平凡に生きている私たちの誰もが 傷、悩み、痛み、諦め、憤り、 劣等感、疎外感、孤独、、、、 そういったやるせない気持ちを隠し持っている。 そこに焦点を当ていろいろな人の話を見聞きしたものが この本になっている。 私は自分が辛い気分の時、町の中でよく思うことがある。 あの大勢の人たちの中にもまた私のように やるせない気持ちを抱えて歩いている人もいるのだろうか?と… ここで言うところの「私のやるせなさ」とは 誰もが口にしないくらいの取るに足らないものなのだが。 そんな心にさまざまな人間模様が描かれたこの本は 何かを訴えかけてくれた。 一気に読んでしまい、 あとがきを見てみるとこんなことが書いてあった。 ~人が傷つき自尊心を回復しようともがいている時、 私の心は強く共鳴する。 中略 人はみんな自分をはげまして生きている。~ ああ、その通りだと思う。 自分の励まし方は人それぞれ違うのだけれど… 「人は自分がつちかってきたやり方によってのみ困難な時の自分を 支えることができる」 これは本文中の言葉である。 この本に登場する人は誰も特別な人ではない。 どこにでも居る人達だ。 そのどこにでも居る人達誰もがみんな何かを背負って歩いている。 私たちは悲しいかな人の心の中まで知ることは出来ない。 けれどそういう人達の真実を垣間見たときに 自分が励まされる気がする。 「この世の中に自分ひとりではないのだ」と。 少なくとも私にはそれが力になる。 あとがきの一番最後にこうある。 「私は今後もひとりひとりの生身の人生と向き合うような 仕事を続けていきたいと思っています。 話を聞かせてくださる方がいましたら、ご一報ください。 e-mail: uehara@××××.ne.jp 」 (e-mailは保護のため、あえて公表しませんが 実際の本には書いてあります。)
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不思議な本だった。決して面白い本ではない。どちらかと言えば気持ちが沈むような寂しさがある一冊。でもその弱々しさの中にも固い信念のような、人間の奥底にある力強さを感じられたような気がする一冊。
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上原隆さん作品を読むのはこれが三作目。人々が直面する不幸を、戦後民主主義が悪いとか、経済不況や精神的支柱の不在を持ち出して分析するのが政治学や経済学や社会学といった学問だとしたら、上原さんの本は文化人類学的なアプローチに近いのかと思った。 市中の人に対面したときに、彼は自分の持...
上原隆さん作品を読むのはこれが三作目。人々が直面する不幸を、戦後民主主義が悪いとか、経済不況や精神的支柱の不在を持ち出して分析するのが政治学や経済学や社会学といった学問だとしたら、上原さんの本は文化人類学的なアプローチに近いのかと思った。 市中の人に対面したときに、彼は自分の持つ価値観や考え方のディシプリンを彼らに当てはめて分析したり、判断することをしない。彼らの外見から言動まで、どこまでもディスクリプティブだ。 そして私が彼から学ぶのは、物語の終わらせ方。結論がない。でもその文章は終わる。ただその人の物語は、ずっと続いていることをちゃんと示唆してくれる終わり方。 以前の「喜びは悲しみのあとに」レビューはこちら。 http://booklog.jp/users/saereal/archives/4344405005
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ひきこもり時代にお世話になった。文章に作者の個性がない、とてもいい意味で。前向きに生きよう!みたいな押し付けがましさが嫌な人にも。
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ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL……人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。読むとなぜか心が軽くあたたか...
ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL……人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。読むとなぜか心が軽くあたたかになる、新しいタイプのノンフィクション。
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人は自分で培ってきたやり方によってのみ、困難な時の自分を支えることができる。 私よりひどい生活をしている人もいっぱいいる。私よりも孤独な人もたくさんいる。私より大きな不安を抱えている人もいる。そういう人と比べたら、私はまだずっとまし。
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ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL…人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。 読むとなぜか心が軽くあたたか...
ホームレス同然の生活を続け妻子からも捨てられた芥川賞作家、アパートの五階から墜落し両目を失明した市役所職員、その容貌ゆえに四十五年間、一度も男性とつきあったことのない独身OL…人は劣等感にさいなまれ深く傷ついたとき、どのように自尊心をとりもどすのか。 読むとなぜか心が軽くあたたかになる、新しいタイプのノンフィクション。
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