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山妣(下) の商品レビュー

3.8

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2012/12/18
  • ネタバレ

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ラストとというか、ラストにつながる部分が今一歩。 確かに壮絶な感じはあったが、引き込まれる感じが薄かった。 あくまでも主観です。

Posted byブクログ

2012/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホラーに勝る怖さがある作品。 3部作で構成されている はじめは男女の性描写もたくさんつらつらと書くので とっつきにくく本当に面白いのかと思ってそれから 1年半くらい第1部の途中で放置をしてしまっていた。 最近思い立って読んでみたら、、、 面白い。 時代は明治の話である。新潟の山奥が舞台。 第1部では、男でもない女でもない主人公(作中ではそういう体の持ち主のことをふたなりと呼んでいる)を中心に話が展開。 特に面白いのは、第2部の主人公の母親の物語である。吉原の遊女であった女の転落していく人生の物語は、惹きつけられるものもたくさんある。その女が山妣になっていくストーリーはとてもよかった。 第3部はかなりホラーに近づいていく感じがするので、私の好みからいくと★-2となった。

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2011/11/14
  • ネタバレ

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 下巻。  予想している結末とではあったんだけど、勢いがすごい。  が、山妣のタイトルにつなげる流れは強引かもなぁと……いろいろひどいことになってるが、読後がさわやか。  さすが直木賞と思った。

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2015/05/11

 坂東真砂子って、子猫殺しで一時話題になった方だったんですね。ダークなイメージは本作品を読んでも違和感はない。純真だからこそ書けるお話だとしたら、そのどんでもない行動も何か意味があるのかも知れない。  下巻の最高の盛り上がりはラストではなく、ごぜの琴が涼之助と別れを惜しむところ...

 坂東真砂子って、子猫殺しで一時話題になった方だったんですね。ダークなイメージは本作品を読んでも違和感はない。純真だからこそ書けるお話だとしたら、そのどんでもない行動も何か意味があるのかも知れない。  下巻の最高の盛り上がりはラストではなく、ごぜの琴が涼之助と別れを惜しむところだろう、結ばれることの無い二人に涙する。またしてもその対極には、妹の妙と大八郎の描写があり、薄っすらと将来に明かりが差し込む。彼らが夫婦になり、次の世代へ命をつなげて行くのだ。

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2021/02/20

坂東眞砂子といや、「四国」「怨念」って感じだったが、本作は「怨念」はあるものの舞台は雪の新潟。 明治〜大正期の東北の農村、鉱山、花街を知る上でもとても興味深い。 フタナリ好きさんでなくても、読む価値はありますね。

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2010/07/30

第116回直木賞。 上巻で張られていた伏線が一挙に雪山に集合。 涼之助とその母、姉、死んだはずの父などなど、入れ替わり立ち代わり再会する。里からは、毎年恒例の熊狩りが始まり、鉄砲を持った若旦那がご乱心。最後は熊を交えての大バトル。 人生を悔やみながら死ぬ者あり、人を誤解したまま死...

第116回直木賞。 上巻で張られていた伏線が一挙に雪山に集合。 涼之助とその母、姉、死んだはずの父などなど、入れ替わり立ち代わり再会する。里からは、毎年恒例の熊狩りが始まり、鉄砲を持った若旦那がご乱心。最後は熊を交えての大バトル。 人生を悔やみながら死ぬ者あり、人を誤解したまま死ぬものあり、人生の巡り合わせを壮絶に表現した長編。

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2010/02/21

面白かった。 得体が知れなくて、遠かった てる が、距離は変わらなくても強烈で、忘れられなくなる。彼女の孤独が一番判る。人に飼われてしまった野生の獣だ。 ひとは色んな顔を持っている、色んな顔が出来る。強いし弱い。 ほんの少しの事で人間はころころ変わる。それは凄く強い事で、誰でも...

面白かった。 得体が知れなくて、遠かった てる が、距離は変わらなくても強烈で、忘れられなくなる。彼女の孤独が一番判る。人に飼われてしまった野生の獣だ。 ひとは色んな顔を持っている、色んな顔が出来る。強いし弱い。 ほんの少しの事で人間はころころ変わる。それは凄く強い事で、誰でも同じ。でも、女だから生き延びたのだと思う。母だから。母は強し、とかでなくて。独りで当たり前で、言葉にはなり得ない濃やかな想いが沢山。

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2009/12/23

直木賞というものは、その作家渾身の最高傑作が満場の賛意を得て射止めるというよりも、幾度か候補に上がって落選した後に、言葉は悪いが“もうそろそろあげとこか”的なタイミングで適当な作品に贈られるケースが多いように個人的に思っていたのだが、この坂東眞砂子の「山妣」に関しては決してそうで...

直木賞というものは、その作家渾身の最高傑作が満場の賛意を得て射止めるというよりも、幾度か候補に上がって落選した後に、言葉は悪いが“もうそろそろあげとこか”的なタイミングで適当な作品に贈られるケースが多いように個人的に思っていたのだが、この坂東眞砂子の「山妣」に関しては決してそうではなく、これぞ直木賞という看板にふさわしい類稀なる傑作である、と痛感した。 ストーリー自体は決して難解ではないものの、重要で重厚なテーマが幾つも、時に独立して、時に絡み合いながら描かれ表現されているという、成分的には非常に複雑な作品。 何本もの太い幹や枝がそれぞれ個別の生命体であるがごとくねじり合いまとわりついている、鬱蒼とした広大な森の深奥に聳え立つ太古の巨木のようだ。 ほんのちょっとしたボタンの掛け違いのようなものが発生し、あるいはそれが積み重なり、境遇と状況はぐるぐると変容してゆく。 ああ、あの時こうしていれば、ああしていなかったら。 私は決して運命論者ではないが、ひょっとしてすべての人間はそれぞれの運命という明白な存在によって動かされているだけなのか? と疑ってしまうことしばしば。 そして、そんな人々を翻弄し呑み込んでいく運命を形作る数々の事象、数々の出来事は、それを観察する者の立場により、いくつもの異なった顔を見せる。 それぞれの些細なボタンの掛け違いは、ある者にとっては毒であり、ある者にとっては薬である。 白は黒。 神は悪魔。 この世は1つかもしれないが、人間が棲む世界というものは人間の数だけ存在する。 誰もが、自分が中心に据えられたただ1つの世界に棲んでいる。 1つの“事実”に対して無限に存在しうる“真実”を灰色に彩るのは、どうしようもなく哀しすぎる肉親の情愛。 浮世のすべてを捨て去り、隔絶された山に生きることを選択した女の母性を、私たちは一体どう受け止めればいいのだろうか? 限定された地域に土着しながら、そういったことを超越したスケールで繰り広げられる伝奇小説は、物語が進むにつれてどんどん加速してゆき、最後にはまさに疾走する。 「裏切らないはずの人が、自分でも気がつかないうちに、誰かを裏切ることになってしまう。世の中とは、そんなものだ」。

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2009/10/07

怪奇ホラーと思いきや、、運命に翻弄された哀しく切ない女の物語。生きることが命がけの時代・・・胸が熱くなった。

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2009/10/04

コテコテの終わらせ方でなくかつ読後感も悪くないというさじ加減はさすが。全体的に連載の回を稼ぐような話の進み具合がちょっと興ざめではあった。

Posted byブクログ