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自民党の研究 の商品レビュー

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「権力」とは何か。「…

「権力」とは何か。「自民党」とは何かがわかる。

文庫OFF

2016/07/16

栗本慎一郎は文化人類学者で、自民党議員として活躍した5年間に起こった自民党内部の様子を文化人類学的視点から描いており、とても面白かった。ただこの本はもう絶版となっており、今回古本で買った。小泉純一郎が総理大臣になる直前の自民党内部の様子なら知ることができる(小渕恵三が総理だった時...

栗本慎一郎は文化人類学者で、自民党議員として活躍した5年間に起こった自民党内部の様子を文化人類学的視点から描いており、とても面白かった。ただこの本はもう絶版となっており、今回古本で買った。小泉純一郎が総理大臣になる直前の自民党内部の様子なら知ることができる(小渕恵三が総理だった時代)。 読んでてとても驚いたのは、自民党には本当に理念や政策が全くなく、議員たちはそのようなものは「上から降ってくるもの」だと考えているところ。「なんとなく」の雰囲気で動いている自民党議員たちの実態には衝撃を受けた。自民党議員がやっている(いた)ことは、票を固めるために地元の冠婚葬祭、盆暮れ正月に地元を歩き回り挨拶をすること。自民党議員にとってどんな政策が得意かということは全く問題なく(むしろそういう理念や政策を強く持っていることの方が邪魔になるらしい)、何回当選したかで決まっていく人事。実質的に政策は省官庁の官僚が主導権を握り、国会議員はそれを後追い的に理解し国会答弁を行うというもので、じゃあそもそも国会議員ってなんなの? という素朴な疑問が湧いてしまう。このような自民党の組織体質は、結局は人や情のつながりでしか形成されておらず、この20世紀末の自民党の体質は、現在の全体主義的な動きの俎上を作り上げているのだなと思った。

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2014/02/13

経済人類学者で、自民党の衆議院議員でもあった栗本慎一郎が、自由民主党というシステムの「論理」を読み解いた本です。 本書で考察されているのは、小渕敬三内閣の頃の自民党です。田中角栄、金丸信、竹下登の流れを引く経政会が最大派閥だった頃の自民党に見られる、日本的集団主義の論理を解説し...

経済人類学者で、自民党の衆議院議員でもあった栗本慎一郎が、自由民主党というシステムの「論理」を読み解いた本です。 本書で考察されているのは、小渕敬三内閣の頃の自民党です。田中角栄、金丸信、竹下登の流れを引く経政会が最大派閥だった頃の自民党に見られる、日本的集団主義の論理を解説し、さらに自民党にまつわるカネや官僚との関係についても触れられています。ただ、そんなに目新しい主張はなかったように感じました。 第二次安倍内閣を擁立する現在の自民党は、イデオロギー的な保守の色彩をかなり強く打ち出している点で、本書が考察の対象としている、派閥の論理が何よりも優先されていた頃の自民党の姿とはかなり違っているような印象です。小渕内閣以降の自民党が日本的集団主義の論理からアメリカ型の新保守へと舵を切ったことについて、「自民党としても戦後保守政治としても、きわめて大きな転換なのだ」と著者は述べていますが、この見通しはその後の自民党の動向を正確につかんでいるように思えます。

Posted byブクログ

2010/06/04

[ 内容 ] 日本最強の権力集団に「潜入」した人類学者が、いまだ知られざる「権力の秘密」を明かす。 この集団に日本を任せても大丈夫なのか? 知られざる総裁選の裏側、小渕恵三、加藤紘一、小泉純一郎、田中真紀子…彼らの実像とは。 あなたの中の「自民党度」がわかる。 [ 目次 ] 序...

[ 内容 ] 日本最強の権力集団に「潜入」した人類学者が、いまだ知られざる「権力の秘密」を明かす。 この集団に日本を任せても大丈夫なのか? 知られざる総裁選の裏側、小渕恵三、加藤紘一、小泉純一郎、田中真紀子…彼らの実像とは。 あなたの中の「自民党度」がわかる。 [ 目次 ] 序章 自民党がわかれば、日本がわかる 1章 自民党は、人と集団のつながりを最重視する 2章 論理なき集団の論理 3章 癒着か共生か―自民党と官僚の関係 4章 自民党は、社会主義政党である 5章 自民党を動かす「見えないシステム」とは 終章 自民党が沈み、日本は焦土と化す [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted byブクログ