さあ横になって食べよう の商品レビュー
ルドフスキーはオーストリア生まれの建築家。世界各国を旅して、土地の建築や風習を視察した。建物のデザインや機能性より、そこに居る人々に着目し、人体・衣服・生活様式について研究した。当時としては斬新な目の付けどころだったのかも知れない。 本書では、人間の基本的な生活習慣の「食・座・眠...
ルドフスキーはオーストリア生まれの建築家。世界各国を旅して、土地の建築や風習を視察した。建物のデザインや機能性より、そこに居る人々に着目し、人体・衣服・生活様式について研究した。当時としては斬新な目の付けどころだったのかも知れない。 本書では、人間の基本的な生活習慣の「食・座・眠・清・浴」5つの側面から、「忘れ去られた生活様式」を紹介している。全ページの半分近くに、「証拠」として、古今東西の絵画が取り上げられており、楽しく読むことができる。 例えば、最初の章で「食」を取り上げているのだが、読者は「最後の晩餐」がどのように行われていたのか、驚きの事実を知ることになる。テーブルマナー(食事の食べ方や席次の序列)が現代と全く異なるのである。我々が想像する「最後の晩餐」のイメージは、ルネサンス時代にレオナルドダヴィンチの絵画だろう。大きなテーブルがあり、真ん中にキリストが、その周囲に弟子たちが椅子に座っているもの。中世以前は全然違ったようだ。 また、本書の後半「浴」の章では、驚きの結婚披露宴スタイルが紹介されている。 ルドフスキーによれば、建築技術の進歩により、建物の在り方が変わっているのではなく、我々の生活様式の変化に合わせて建物が変わるとのこと。当たり前と思っている生活様式に疑問を抱く(前提を疑う)ことで新たな発見があることを示唆している。次は『建築家なしの建築』を読んでみたい。
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建築家であり批評家でもあるバーナード・ルドルフスキーの本書 家まわりで展開される生活様式に対する批評が、ウィットにとんだ皮肉とともに展開されてます。 主に食・寝・座・清・浴について歴史や文化を踏まえて語られています。 特に印象的だったのは「最後の晩餐」についての説明。 絵...
建築家であり批評家でもあるバーナード・ルドルフスキーの本書 家まわりで展開される生活様式に対する批評が、ウィットにとんだ皮肉とともに展開されてます。 主に食・寝・座・清・浴について歴史や文化を踏まえて語られています。 特に印象的だったのは「最後の晩餐」についての説明。 絵画等で有名なキリスト教の一場面なのですが、ホントの時代背景を考慮すると、「座って食べているのはおかしい」との事。 この時代は「寝椅子に寝っ転がって手づかみで食べる」のがホントで、正しいマナーだった。 常識を疑うことの大切さをあらためて教えられました。 「住まう」事の根本を考えたい人にオススメの一冊です
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