帽子収集狂事件(7) の商品レビュー

ジョン・ディクスン・カー(著者),森英俊(訳者)

2018/02/04

『乱歩絶賛』の売り文句が効き過ぎ、評価がおかしくなっているのではと思われる本作。

直前に読んだ『皇帝のかぎ煙草入れ』が読みやすかったのに、この本はいまいち読みづらい。探偵役のフィル博士の言動が道化っぽく秘密めいていて真意がつかめないのだ(ある種の名探偵の型ではあるかも）それにロンドン塔という舞台がわかるようでわからない(例えば現在、復元された日本の城がどういう立地にあるかを海外の人に言葉で説明するのは難しいように、この物語の時代の周辺の風景がどうも想像しづらい)

それでもやはり『マッド・ハッター』『ロンドン塔』『異様な凶器』は魅力的だし、登場人物達はキャラがたっている。謎解きの材料はフェアに提示されていて鮮やか。ハードルが上がり過ぎていなければ楽しめるミステリー。

2014/10/02

カー初読み。解説に出てきた有名どころを読もう！と思うくらいにはおもしろかった。ロンドンで、謎深い殺人事件（と書いてファンタジーと読む）が起こると、ときめきますな…ウフフ！

2013/05/23

さすがに名作でした。フェル博士と巡査部長との絶妙のコンビの捜査は鮮やかです。でも、帽子との繋がりは...

2009/10/04

カーの作品はストーリーも面白く非常に読みやいのだが、リアルタイムで楽しめなかった点に自分の未熟さを感じてしまった。読み終えてからいろんな事柄がじわじわと効いてきて、時間が経ってから事件の真相に納得できた。時間の経過と場所の把握に労力を費やしすぎて、当初は単調な展開に思えたものの、最後はそのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる。ラストの展開もまたよし。フェル博士とハドリー警部（？）の推理合戦も面白かった。