きのね(下) の商品レビュー
凄まじい作品。一人の女性を軸に綴られる人々の人生のなりゆきにどんどんとのめり込む。まさに命を燃やして生きていて、自分もそうありたいと強く思わせられる。この作品を知れてよかった。
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歌舞伎役者の家に女中として入った娘光乃と当代一の歌舞伎役者との物語。 知らずに読み進めるうちに、歌舞伎役者の雪雄の姿が今の市川団十郎となっていく。 まさしく11代目市川団十郎の物語だったのだが、主役は妻の光乃。 二人の子をなしながら、いかに献身的夫を愛した女性だったかが描かれる。...
歌舞伎役者の家に女中として入った娘光乃と当代一の歌舞伎役者との物語。 知らずに読み進めるうちに、歌舞伎役者の雪雄の姿が今の市川団十郎となっていく。 まさしく11代目市川団十郎の物語だったのだが、主役は妻の光乃。 二人の子をなしながら、いかに献身的夫を愛した女性だったかが描かれる。 雪雄が光乃に「歌舞伎を観て一番面白かったのは?」と尋ねると「きのね」と答える。 拍子木「柝」の音色の事だと知り笑い転げる雪雄。 多分彼はここで光乃に惹かれたのだろう。
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話しがステキで涙が出ます。。 市川海老蔵の祖先のお話。。 これは世に広げたいと思うほどの本。 その時代の女の生き様、梨園の運命がまざまざと読んでわかります。 これは、中々出会えない本です。
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面白かった。今の時代でいうならパワハラ、ドメスティックバイオレンスだけどそれでも愛が上回れば、それは愛しかない…。自分が光の立場なら愛を貫き通す自信はないが…。
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個人的に、宮尾登美子ブームが来そう。 主人公の生き様に、読後もなお心が揺さぶられ、そのなかでこの感想を書いているけど、言葉にすると薄れてしまい、消しては書いてを繰り返している。 初めは、よくある女性の生き様とか、シンデレラストーリーとか、男女のドロドロ話かと思っていたけど、そ...
個人的に、宮尾登美子ブームが来そう。 主人公の生き様に、読後もなお心が揺さぶられ、そのなかでこの感想を書いているけど、言葉にすると薄れてしまい、消しては書いてを繰り返している。 初めは、よくある女性の生き様とか、シンデレラストーリーとか、男女のドロドロ話かと思っていたけど、そうではなかった。 こうした人(主人公)だからこそ梨園の妻になるのだろうし、そうあって欲しいとも思うけど、その壮絶な裏側を知ったら、羨ましいとはとても言えない。 覚悟と忍耐。何事もこれにつきるんだろうし、それが一番難しいことだなと。肩書きや欲に埋もれず、自分の信念を貫き通せる女性でありたい。
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11代市川団十郎の生涯、団十郎に仕え後に正妻となる 光乃の話でした。 昔の女性の立場を大変だったと感じました。 ましてしきたり等難しい役者の家、そこで団十郎にただただ尽くして過ごした光乃、素晴らしい人だったと思います。 歌舞伎の世界を知る事ができ大変興味深く読みました。
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下巻。 全然この作者の方のことを知らなかったのだが、そこそこ有名なのですね。 上巻は少しテンポ悪かったが、下巻は色々事件があって比較的あっさり読んでしまった。 作中ではおみつの内心描写しかないが他の登場人物の心情もその行動などから分かりやすく伝わってくる。 雪雄もここまで...
下巻。 全然この作者の方のことを知らなかったのだが、そこそこ有名なのですね。 上巻は少しテンポ悪かったが、下巻は色々事件があって比較的あっさり読んでしまった。 作中ではおみつの内心描写しかないが他の登場人物の心情もその行動などから分かりやすく伝わってくる。 雪雄もここまでくると愛着が持てる。
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愛する男性の正妻の座を手に入れても忍耐の連続で、耐え忍ぶ光乃の姿が重苦しい。 雪雄の光乃に対する愛情は、女性としての愛よりも無自覚だけど母親を求めているかのようで、依存しているようにも見えて、玉の輿といってもいい結婚の筈なのに全然羨ましいとは思えなかった。 でも、自分の命と引き換...
愛する男性の正妻の座を手に入れても忍耐の連続で、耐え忍ぶ光乃の姿が重苦しい。 雪雄の光乃に対する愛情は、女性としての愛よりも無自覚だけど母親を求めているかのようで、依存しているようにも見えて、玉の輿といってもいい結婚の筈なのに全然羨ましいとは思えなかった。 でも、自分の命と引き換えにしてもいいと思える程の相手と巡り合えて、夫婦になれたことに関しては羨ましいことだと思った。
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読み終えたのは12代目が亡くなるちょっと前だったので、結構前です。女中として雇われた、美貌でも才気煥発でもない少女が、憧れて見上げていた坊ちゃんに見初められ…といっても全然シンデレラストーリーになってない。現実は過酷。主人公にとってこの人生は幸せだったのか?と、イマドキの感覚で私...
読み終えたのは12代目が亡くなるちょっと前だったので、結構前です。女中として雇われた、美貌でも才気煥発でもない少女が、憧れて見上げていた坊ちゃんに見初められ…といっても全然シンデレラストーリーになってない。現実は過酷。主人公にとってこの人生は幸せだったのか?と、イマドキの感覚で私などは考えてしまうのですが、「与えられた役割を生き切る」という幸せもあるのだと感動させられます。
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主人公、光乃の子どもを産んで以降の人生を描く下巻。 まさに波乱万丈ですが、光乃の生き方はその是非を別にしても、一本芯が通っていて感動的でさえあります。 実際の成田屋の家系、11代目は早世で12代目(この方も早世でしたね。もっと長く生きていていただきたかった)は大変な苦労をしたと聞...
主人公、光乃の子どもを産んで以降の人生を描く下巻。 まさに波乱万丈ですが、光乃の生き方はその是非を別にしても、一本芯が通っていて感動的でさえあります。 実際の成田屋の家系、11代目は早世で12代目(この方も早世でしたね。もっと長く生きていていただきたかった)は大変な苦労をしたと聞いています。 いろいろな慣習・しきたりがある梨園のなかで12代目のお母さまはどれだけ苦労したのだろうか、とこの物語を読んであらためて思いました。 あくまでフィクションですから、そこは割り切って読む必要がありますけれどね。
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