流しのしたの骨 の商品レビュー
物語全体の空気感がすごく好き。 たいして何かが起きるわけじゃないんだけど、 とても惹きつけられる。 家族には、それぞれ決まりや定番のものが色々ある。 親の教育方針だけじゃなく日常生活の中のちょっとした決まりごと。 よその家族のそれがすごく新鮮で、少し羨ましいとも思った。 こと子の...
物語全体の空気感がすごく好き。 たいして何かが起きるわけじゃないんだけど、 とても惹きつけられる。 家族には、それぞれ決まりや定番のものが色々ある。 親の教育方針だけじゃなく日常生活の中のちょっとした決まりごと。 よその家族のそれがすごく新鮮で、少し羨ましいとも思った。 こと子の独特な考え方や行動をやさしく微笑んで見守る深町直人もとても素敵。 もっともっとこの先の宮坂家の様子も見ていきたいと思った。
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【本の内容】 いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。 ちょ...
【本の内容】 いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな‘小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。 ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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再読。再読というか何度も読。何度読んでも好き。「平らかな」気持ちになるし、「平らかな心」を得るために前向きになれる。あー、また読んで良かった!
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この本は、実家に帰る電車の中で読んでいた。 家族と自分がどう関わるか、両親の人生と自分の人生をどう考えるか。答えのないことでもやもや。 そんな中で読んでいて、家族とはおかしなこと、うまくいかないこと、どうにもならないことを乗せ、それでも走っていくバスなんだと、思った。 ここ...
この本は、実家に帰る電車の中で読んでいた。 家族と自分がどう関わるか、両親の人生と自分の人生をどう考えるか。答えのないことでもやもや。 そんな中で読んでいて、家族とはおかしなこと、うまくいかないこと、どうにもならないことを乗せ、それでも走っていくバスなんだと、思った。 ここに出ている家族は、毎日同じ朝ごはんをたべる。近所で小さな縁日があれば楽しみにして出かける。ささやかな喜びしかないように見える。しかし、どこかがへんてこりん。 ちょっとずつ、歯車がずれている。それは家族の当たり前、文化。違和感なく、サラサラと日々は流れる。 自分の両親と向きあっていて、 なんでこうなっちゃうんだろう?と、思うけど、家族とはおかしさを含むものだと、思ったら、気が楽になった。
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高校生の頃だったか、地元の図書館で借りて読んだ。そのときは青い表紙のハードカバーだった。文庫はまた違った装丁なんだな。 細かいところは覚えてなかったけど、そよの決心や律の趣味のことは印象に残ってた。再読で気づいたけど、深町直人がスキー場で買ってくるお菓子は「おしどりミルクケーキ...
高校生の頃だったか、地元の図書館で借りて読んだ。そのときは青い表紙のハードカバーだった。文庫はまた違った装丁なんだな。 細かいところは覚えてなかったけど、そよの決心や律の趣味のことは印象に残ってた。再読で気づいたけど、深町直人がスキー場で買ってくるお菓子は「おしどりミルクケーキ」ではなかろうか。 みんながちょっとずつ変わってる。この家族好きだなあと思った。
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おかしな家族のお話。妙ちきりんだけれど平和な家族と、そんな一家の日常に起きる、ちょっとした事件たち。聞いたこともないような常識や習慣だらけの家族なのに、主人公が家族に向ける視線は、どこか自分と通じるところがある。ばらばらなのに繋がっていて、言葉にしなくても分かってしまうのに、それ...
おかしな家族のお話。妙ちきりんだけれど平和な家族と、そんな一家の日常に起きる、ちょっとした事件たち。聞いたこともないような常識や習慣だらけの家族なのに、主人公が家族に向ける視線は、どこか自分と通じるところがある。ばらばらなのに繋がっていて、言葉にしなくても分かってしまうのに、それでもお互いを救いきることはできない。どこにもないようで、実はよく知っている家族のお話。
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ひとつの家族の風景を切り取った物語。語り部は、三女のこと子。 お嫁に行った長女のそよちゃん、少し病んでる次女のしま子ちゃん、しっかり者の中学生の弟の律。そして両親。ボーイフレンドの深町直人。 家族には小さな決まりごとがいくつかあって(誰か家族の誕生日には全員集まる、成人するまでは...
ひとつの家族の風景を切り取った物語。語り部は、三女のこと子。 お嫁に行った長女のそよちゃん、少し病んでる次女のしま子ちゃん、しっかり者の中学生の弟の律。そして両親。ボーイフレンドの深町直人。 家族には小さな決まりごとがいくつかあって(誰か家族の誕生日には全員集まる、成人するまでは仕事をしなくてもいい等)、その秩序をおのおの守りながら暮らしている。 大きな事件は何も起こらない一冊なのだけど(そよちゃんの離婚騒動や、律の停学騒動はあるけれど、みんなどこか冷めていて事件に見えない)江國香織独特のふんわりとした文章に乗せられて、こちらも淡々と読み進められます。 個人的には弟の律とボーイフレンドの深町直人のキャラクターが好き。ちょっと変わり者の律と、とても健全で爽やかな深町直人。 この先もこの家族は、たびたび起こる事件を淡々と受け止めながら温かに暮らしてゆくのだろうな、ということを想像してしまう。そんな穏やかな一冊です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
風変わりな家族の物語。 寡黙な父。 明るくわが道を行く母。 穏やかで優しい長女に、はっきりした、でも不安定な次女。 家族のバランスをとるしっかりものの弟。 そしてマイペースな三女がこの物語の主人公。 現代日本とは思えないくらいの穏やかなスピードで物語は進行し 長女の離婚や次女の自殺未遂、弟の停学、 言葉にすると重い出来事が独特な軽やかなタッチで描かれていく。
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隣のお宅の家族の、外国よりも遠いローカルルール。 家族のなかで大切にしている事を、ひとつひとつ丁寧に綴った物語。 何回も繰り返して読みたくなる面白さです。
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あったかい家族の話。変な習慣なぁと思うところも、実は自分の家族にもきっとそんな変な習慣があって、あー小さいときに戻りたいなぁと思う大好きな一冊。 この物語のお母さんがとても魅力的です。 年末に焼売を作るエピソードが特に好き。
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