日本海軍の興亡 の商品レビュー
昭和史の専門家の著…
昭和史の専門家の著者が、海軍の起こりから栄光の時代を経て分裂をきたし、勝てぬ戦いに挑み滅するまでを数多の将星たちを通して描く。一通り海軍史を見ることができるので入門に適していると思う。ちなみに著者はいわゆる海軍善玉論には与しない。重大な過誤があったことを指摘する。そして昭和海軍...
昭和史の専門家の著者が、海軍の起こりから栄光の時代を経て分裂をきたし、勝てぬ戦いに挑み滅するまでを数多の将星たちを通して描く。一通り海軍史を見ることができるので入門に適していると思う。ちなみに著者はいわゆる海軍善玉論には与しない。重大な過誤があったことを指摘する。そして昭和海軍の失敗の中にこそ歴史の教訓が詰まっていると考えている。
文庫OFF
海軍のこと、全然わかりません。 山本五十六とか東郷平八郎の名前くらいは聞いたことがありますが、いつの戦争で活躍した人なのかはさっぱり。 だから、読んでも読んでも内容が全然頭に入ってこない。 ごめんなさい。 勉強して出直してきます。 心に残ったのは1922年のワシントン会議での...
海軍のこと、全然わかりません。 山本五十六とか東郷平八郎の名前くらいは聞いたことがありますが、いつの戦争で活躍した人なのかはさっぱり。 だから、読んでも読んでも内容が全然頭に入ってこない。 ごめんなさい。 勉強して出直してきます。 心に残ったのは1922年のワシントン会議での全権大使だった加藤友三郎海軍大臣の国防感。 ”国防は人の専有物にあらず。戦争もまた軍人にてなし得べきものにあらず。国家総動員してこれにあたらざれば目的を達しがたし。……平たくいえば、金がなければ戦争ができぬということなり。 戦後ロシアとドイツとがかように成りし結果、日本と戦争の起こる可能性のあるは米国のみなり。仮に軍備は米国に拮抗するの力ありと仮定するも、日露戦争のときのごとき少額の金では戦争はできず。しからばその金はどこよりこれを得べしやというに、米国以外に日本の外債に応じ得る国は見当たらず。しかしてその米国が敵であるとすれば、この途は塞がるるが故に……結論として日米戦争は不可能ということになる。 国防は国力に相応ずる武力を備うると同時に、国力を涵養し、一方外交手段により戦争を避くることが、目下の時勢において国防の本義なりと信ず。すなわち国防は軍人の専有物にあらずとの結論に達す。“ もともと海軍は、外国から攻められた時の国防のために作られた、専守防衛の組織だったのに。 手にした武器を使ってみたくなるのは、個人も組織も同じらしい。 海軍の面子を保つために、世界的軍縮の波に逆らい、孤立していったこと。 そして、世界の情勢を冷静に判断できる人を、軍の中枢から追い出し、勢いだけで中身のない、自分に都合のいい解釈をゴリ押しすることによって、自ら崩壊していった海軍。 その時々に、きちんと状況判断のできる人はいたけれど、他人の職掌に口を出さないのが海軍の決まり。 ちなみに軍縮派の人たちは賊軍と言われた旧幕臣が多く、艦隊派と言われたイケイケグループは薩長の人が多かったそうです。 やっぱり明治維新は歴史に必要のないテロ行為だったのでは?
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『昭和史1926-1945』を読んで「半藤先生、ずいぶん陸軍嫌いの海軍ageなんだな」と思ったのだが、海軍の歴史にスポットを集中させた本書では、それがさらに顕著。愛憎ないまぜの冷静さを欠いた筆致には、一種異様な迫力がある。
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過去を振り返って失敗の本質を知りえたとしても、その流れをどうしようもなく同じ失敗を繰り返すのでは?と考えさせられる。その流れが"空気"であり、日本人はその"空気"を醸成し易い気質を持っているというのが山本七平「空気の研究」に書かれている。「...
過去を振り返って失敗の本質を知りえたとしても、その流れをどうしようもなく同じ失敗を繰り返すのでは?と考えさせられる。その流れが"空気"であり、日本人はその"空気"を醸成し易い気質を持っているというのが山本七平「空気の研究」に書かれている。「空気の研究」で周恩来が日本人を言う"言必信、行必果"というのが、帝国海軍にも当てはまり面白い。
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名著だとおもう。「海軍」について、明治から昭和まで、連続して描くというのは難しいだろう。本書でも、歴史として語られる明治海軍と、同時代史的な趣のある昭和海軍の間に多少の断絶感を否めないが。 日本海海戦前の連合艦隊首脳のギリギリの決断。軍縮条約の意味。南太平洋海戦での角田提督...
名著だとおもう。「海軍」について、明治から昭和まで、連続して描くというのは難しいだろう。本書でも、歴史として語られる明治海軍と、同時代史的な趣のある昭和海軍の間に多少の断絶感を否めないが。 日本海海戦前の連合艦隊首脳のギリギリの決断。軍縮条約の意味。南太平洋海戦での角田提督。古賀長官の積極果敢な戦法。第一航空艦隊の悲劇。そして、あ号作戦以降は軍の体をなしていなかった日本海軍が、それでも残った水上打撃力を掻き集めてレイテ決戦に臨んだ背景、最後の華とも言えるサマール沖の戦艦群の勇戦などを生き生きと描き、昭和帝の「不適当なりしや否や」という痛烈な言葉に象徴させる手腕は見事。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宮部みゆきの『蒲生邸事件』のテーマにもなっているが、歴史の大きな流れ、特に1つの国家・組織が破綻していく流れというのは、個人ではどうにもとめられないものがある。
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「陸軍が悪玉で海軍は善玉」みたいなフレーズを良く聞くけれど、読む限りでは海軍も陸軍と同じように官僚化していて似たようなもんだったんだな〜と。山本五十六らの抵抗虚しく日本が日米決戦へ向けてひた走っていく件は悔しい思いでいっぱいになる…。 一方で、藤井大佐や角田少将ら立派な海軍軍人...
「陸軍が悪玉で海軍は善玉」みたいなフレーズを良く聞くけれど、読む限りでは海軍も陸軍と同じように官僚化していて似たようなもんだったんだな〜と。山本五十六らの抵抗虚しく日本が日米決戦へ向けてひた走っていく件は悔しい思いでいっぱいになる…。 一方で、藤井大佐や角田少将ら立派な海軍軍人を知ることができたのが収穫。天才と謳われたという堀少将の存在もそう。また他の本で深堀してみよう。山口多聞がさらっとしか登場しなかったのは残念…。 なんにしても半藤さんの本は分かりやすくて読ませる。
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