博士と狂人 の商品レビュー
イギリスの辞書の話なのでちょっと難しくて読むのに時間がかかってしまったり飛ばした所もありましたが、知るべき誕生秘話!
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※このレビューにはネタバレを含みます
2021年4月30日再読 Oxford English Dictionary(オックスフォード英語大辞典)制作にまつわるノンフィクション。編纂作業の中心人物のジェームズ・マレー博士と謎の人物ウィリアム・マイナー、特にマイナーについて語られている。編纂に70年というおよそ現代人が生まれてから死ぬまでの時間をかけて作られた辞典は、作業工程がすさまじいものだった。 物語、というよりは教科書的な記録文書。それでも面白かった。 このところ、「第一に清廉潔白であること」が偉業を成し遂げる人物の最低条件のようになっていると感じるが、それは偉業の数を減少させているとも思う。とても難しい問題。
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実に興味深いエピソードに惹かれて読み始めたが、予想にたがわぬ面白い話だったので満足。偉大な能力を持った人々の話はいつも楽しい。ただ、語同士の関係・変遷を述べているようなあたりは、日本語に翻訳せず原語表記のまま、もしくは元の単語を併記してくれれば把握しやすかったろうという箇所がいく...
実に興味深いエピソードに惹かれて読み始めたが、予想にたがわぬ面白い話だったので満足。偉大な能力を持った人々の話はいつも楽しい。ただ、語同士の関係・変遷を述べているようなあたりは、日本語に翻訳せず原語表記のまま、もしくは元の単語を併記してくれれば把握しやすかったろうという箇所がいくつかあったのは残念。
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OED編纂に携わった編纂主幹と多大な貢献をした篤志協力者の一人の話。 マレーとマイナーそれぞれの過去、編纂に携わるに至った経緯と時代背景の解説に重きを置いている内容。OED誕生秘話、であってOEDの制作の物語ではない。完成まで七十年の歳月が掛かり、両名とも完成を見ること無く志半ば...
OED編纂に携わった編纂主幹と多大な貢献をした篤志協力者の一人の話。 マレーとマイナーそれぞれの過去、編纂に携わるに至った経緯と時代背景の解説に重きを置いている内容。OED誕生秘話、であってOEDの制作の物語ではない。完成まで七十年の歳月が掛かり、両名とも完成を見ること無く志半ばで倒れこの本で語られている伝記もそこで終わっている。OED誕生の物語を読みたいのであれば他の書籍を当たるのがよさそうだと感じた。
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OEDの編纂に関わったある博士の生涯について描かれている本。 Amazonのレビューが絶賛ばかりで、それを見てから読み始めたせいで、絶賛する程ではないように思い、やはりレビューは読み終わってから読むものだと再認識。 多分翻訳ものだというのも一つの理由だとは思うのだけど、中途半端な...
OEDの編纂に関わったある博士の生涯について描かれている本。 Amazonのレビューが絶賛ばかりで、それを見てから読み始めたせいで、絶賛する程ではないように思い、やはりレビューは読み終わってから読むものだと再認識。 多分翻訳ものだというのも一つの理由だとは思うのだけど、中途半端な本に思える。もう少し内容に厚みを持たせても良かったかな。
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OEDの話といったら、堅い話であまり一般の人は読まないであろうが、その編集に協力した人が殺人を犯した精神病院に入っている患者であるというところで読ませる話である。 中国や日本でも同じような話があると思うが思い出せない。
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OEDに関わった人たちの話。日本にOEDに匹敵する辞書がないことが悲しい限り。イギリスだからこそ誕生した辞書なんだろうか。
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原題(THE PROFESSOR AND MADMAN)そのまんまのタイトルに興味を持ち、帯と表紙裏のコメントを読んで「良し、買いっ!」と。 OED(Oxford English Dictionary)という、41万語収録、全12巻、編纂に70年間かかったという他に類を見ない辞...
原題(THE PROFESSOR AND MADMAN)そのまんまのタイトルに興味を持ち、帯と表紙裏のコメントを読んで「良し、買いっ!」と。 OED(Oxford English Dictionary)という、41万語収録、全12巻、編纂に70年間かかったという他に類を見ない辞典がどうやって出来上がったのか、という実話です。メル・ギブソン主演で映画化もされるとか。このOED、単に言葉の意味が書いてあるだけではなく、その言葉がいつ文字として初めて記録されたのか、語源は何で、時代とともに意味や用法がどう移り変わって来たのか、ということを例文を出して網羅している(!!)という猛烈なもの。それは70年かかりますね、というか、良くぞ完成したものだ!こういう、偉業でありながらも同時に珍奇でもあることって、男の人にしかできないんじゃないか。女はキットすぐさま「そんなの無理!」って言うし。 経済的に恵まれずほとんど独学で言語学を学びOEDを編纂する責任者となったマレー博士と、裕福な家庭に育ちながら繊細な性格と時代と戦争体験で(本当の理由は誰にもわからないけれど)精神を病み殺人の現行犯で逮捕され犯罪者が収容される精神病院の独房からマレー博士ら編纂者にボランティアとして協力していたマイナーの、それぞれの人生の物語。そのサイドストーリーとしてOEDがどのように作られたのか、ということも具体的にわかっておもしろい、と、言葉に取り憑かれ気味の凡才は思いました(本当はOEDがメインストーリーで2人の人生がサイドストーリーなんでしょうが、私にとっては逆でした)。
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OEDの編纂に際しての膨大な用例整備に、有名無名の多くのボランティアが協力していたという話は本書を読んで初めて知った。そのボランティア達のうち、巻頭言にも謝辞があげられるほど最も重要な役割を果たした者が殺人を犯した精神をわずらう米国の元軍人であったというエピソードが、著者の丹念な...
OEDの編纂に際しての膨大な用例整備に、有名無名の多くのボランティアが協力していたという話は本書を読んで初めて知った。そのボランティア達のうち、巻頭言にも謝辞があげられるほど最も重要な役割を果たした者が殺人を犯した精神をわずらう米国の元軍人であったというエピソードが、著者の丹念な取材により興味深い物語に仕上がっている。しかし、本書を読んで何よりも印象深く感じるのは、個々のエピソードを超えた、OEDという空前絶後の文化的産物の編纂過程それ自体である。
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