1,800円以上の注文で送料無料

ハードボイルド/ハードラック の商品レビュー

3.8

35件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2010/05/27

再読。 ばななの作品で一番怖い。 作品全体に何か黒い、霞んだものが覆われている感じ。 別れは誰でせいでもなく ただ季節が終わるように、時間が過ぎるように 2人でいる時期が終わるだけで それは人間の意志ではどうすることも出来ない。 共感。 神様がいるなんて...

再読。 ばななの作品で一番怖い。 作品全体に何か黒い、霞んだものが覆われている感じ。 別れは誰でせいでもなく ただ季節が終わるように、時間が過ぎるように 2人でいる時期が終わるだけで それは人間の意志ではどうすることも出来ない。 共感。 神様がいるなんて思っていないけれど 私たちは何か大きな力に包まれていて その中で出来ることなんてせいぜい限られていて そういう風に人間は転がされ 生かされているのだと強く思う。 ハードラックに出てくる境くんが 知り合いに被りました。

Posted byブクログ

2010/05/01

出版社/著者からの内容紹介 死んだ女ともだちを思い起こす奇妙な夜。そして入院中の姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく「ハードラック」。闇の中を過ごす人々の心が輝き始める時を描く二つの癒しの物語。

Posted byブクログ

2010/03/11

こういう表現が適格かどうか分からないけど、面白かった。 私は、ハードボイルドの方が好きだなと思った。 多分、分かるなと思うことが多かったからだと思う。 私がなにかを感じる力、を手に入れたのも、やっぱり霊感の強い人と 仲良くなってからだった。 今はすっかり薄れているけど、やっぱり...

こういう表現が適格かどうか分からないけど、面白かった。 私は、ハードボイルドの方が好きだなと思った。 多分、分かるなと思うことが多かったからだと思う。 私がなにかを感じる力、を手に入れたのも、やっぱり霊感の強い人と 仲良くなってからだった。 今はすっかり薄れているけど、やっぱり感じるときというのはある。 必ずしも生きている人間の方が怖い、とは思わないけれど、 よく分かる感覚だし、自分の「なんとなく変な気持ちのする日・場所」 っていう感覚は結構はずれていなくて、 大事にしないと、ちゃんと自分の声を聞かないと って思うことが多いので、よく分かった。 ただ、私ははっきり姿を見るのではないので、会話なんかしちゃったら 例え昼間でも部屋には戻りにくいなあという気がするけど。 もちろん千鶴ちゃんを夢で見るように、そういうのってとっても綺麗で 幽霊なんて別に怖い存在ではなくて、ただちょっと世界や存在の仕方が違うだけで、 生きている人でも死んでいる人でもいい人はいい人、悪い人は悪い人なんだから、 千鶴ちゃんの霊が夢に出てきても怖くはなくて、会えて嬉しいと思うだけなんだよね。 ハードラックは、悲しいなと思った。 不思議なタイトルだなと思う。 でもとても合っている。 事故でも病気でも、突然でもこうやってゆっくりでも、 大切な人を失う、しかももう二度と会えない死という理由で失うのは とても辛くて悲しいことだと思う。 どうあがいても事実は変わらない。それがとても辛い。 だけど泣き叫ぶしかない時期というのも確かにある。 それでも人間は、生きていけるんだと思う。 イタリアに行ったり実家に戻ったりすることがひどいのではなくて、 色々なやり方が人それぞれにあって、それぞれのやり方でなんとかクリアしていくのだ。 弟が、一番可哀想だなと思った。 お父さんに殴られちゃって。弟だって辛くて、辛すぎて実家に帰ったけど、 それでは逃げではないと思うから。 でもそれも、仕方ないのだ。お父さんにも、殴る相手が必要だったんだと思うから。

Posted byブクログ

2009/10/04

生死の表裏一体をあつかった短編が2編。 霊感のある恋人の死についてのハードボイルド。 脳死の姉の生についてのハードラック。 生死の呪術的な思想と愛情をうまくつかった感動的な作品ではないでしょうか。ユーミンの楽曲についての言及はどうかと思うけど、かわいい幽霊のような地に足着...

生死の表裏一体をあつかった短編が2編。 霊感のある恋人の死についてのハードボイルド。 脳死の姉の生についてのハードラック。 生死の呪術的な思想と愛情をうまくつかった感動的な作品ではないでしょうか。ユーミンの楽曲についての言及はどうかと思うけど、かわいい幽霊のような地に足着かないふわふわとした素敵な作品。

Posted byブクログ

2012/02/12

「ハードボイルド」は、不思議な力を持った友人を亡くした女性が、 旅先で経験した奇妙な夜のお話。 友人との再会、そして宿泊したホテルで出会った不思議な女性。 ちょっと背筋がぞくりとするけれど、そんな状況の中で、 主人公の女性の女性が巡らす繊細な友への想いは哀しく、 ホテルのおばさん...

「ハードボイルド」は、不思議な力を持った友人を亡くした女性が、 旅先で経験した奇妙な夜のお話。 友人との再会、そして宿泊したホテルで出会った不思議な女性。 ちょっと背筋がぞくりとするけれど、そんな状況の中で、 主人公の女性の女性が巡らす繊細な友への想いは哀しく、 ホテルのおばさんとの会話はどこか温かい。 「ハードラック」は、死に向かって一歩一歩近づいていく姉と、 その現実を迎え入れ、淡々と準備を進める妹や両親。 「みかんの見せた光景」が、自分にも分かるような気がして、 あまりに切なくて主人公のようにわあっと泣きたくなった。 主人公が姉を喪った11月のように、澄んだ空気の中で紡がれる、 静かで寂しい、秋の終わり、冬の始まりのような物語。 「死」という重いテーマの中にも、 読後には救いや一筋の希望を感じるのが吉本作品の個性であり、 彼女が読者に語りかけたいことなのだと私は思う。 「ハードボイルド」では、 「ハードボイルドに生きてね。 どんなことがあろうと、いばっていて。」 と友人が最期の電話で主人公に向けた言葉であり、 「ハードラック」では、どんな状況に立たされたとしても、 たとえそれが哀しい別れの場であっても、 そこに新たな人との出会いもあり、 ちゃんと心を通じ合わせる事が出来るのだと、 いった真実であったり。 彼女の作品には、闇の中にも灰色の重たい雲の中にも、 必ずどこかに「光」が潜んでいる。

Posted byブクログ

2009/11/01

買ったときに、「本の手触りがいいな」と思いました。 相変わらずすいすい読んだんだけど、軽々しい小説ではないし、読んでいて気分がよくなれる小説でした。 オチは私的にはハッピーエンドにあまり思えないんだけどね…。

Posted byブクログ

2009/10/07

やっぱり、泣いてしまう。 よしもとばなな、は。 根本的な部分に行き着くから。 愛する愛されることに。 生きることに。

Posted byブクログ

2009/10/04

「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」 最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。 死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す...

「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」 最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。 死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す人々の心が光り輝き始める時を描く、二つの癒しの物語。 ちょっとだけアムリタを彷彿とさせる。 不思議で、柔らかい人間ばっかり出てくる、とてもとてもばなならしい作品。 ほんとは強いはずの感情をとても静かに描いている。 なのに涙が溢れる。

Posted byブクログ

2009/10/04

「ハードボイルド」では、主人公「私」が旅の途中で無気味な夜に迷い込み、火事を引き起こしたり、幽霊を見たりする。その夜は、かつての同性愛関係にあった千鶴の命日で、「私」は千鶴の夢を3回見るが3度目にようやく本当の千鶴を夢に見る。邪悪な祠を見つけてしまってから、真っ暗で絶望的な夜に取...

「ハードボイルド」では、主人公「私」が旅の途中で無気味な夜に迷い込み、火事を引き起こしたり、幽霊を見たりする。その夜は、かつての同性愛関係にあった千鶴の命日で、「私」は千鶴の夢を3回見るが3度目にようやく本当の千鶴を夢に見る。邪悪な祠を見つけてしまってから、真っ暗で絶望的な夜に取り込まれてしまった主人公の姿を淡々と描く。やっと朝が来て、「私」はその夜から解放され、最後に夢で見た本当の千鶴の美しい面影を胸に一日を始める。 「ハードラック」では、主人公の姉が、結婚退職するために徹夜で引き継ぎ作業をしていて倒れ、脳幹が死に、何の手立てもなく脳死を待つ期間を描いている。お見舞いに来続けた姉の婚約者の兄・境くんと主人公は親しくなり、この悲痛な期間を二人とも経験する。やがて姉は死に、残されたMDを聞きながら主人公と境くんは道を歩き、季節が変わったら恋人になろうと決意する。

Posted byブクログ

2009/10/07

死んだ女ともだちを思い起こす奇妙な夜。そして入院中の姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく「ハードラック」。闇の中を過ごす人々の心が輝き始める時を描く二つの癒しの物語。

Posted byブクログ