株主総会 の商品レビュー
リストラ直前の総務部次長 各田が、株主総会で社長を解任する。 各田の名前で、金融機関などが委任状を出すということから、 発想された物語で、なるほどと思わせる。 1999年の作品なので、現在は織り込み済み何でしょうね。 社長と金融機関の関係が希薄になっている。 銀行は、訴訟を好まな...
リストラ直前の総務部次長 各田が、株主総会で社長を解任する。 各田の名前で、金融機関などが委任状を出すということから、 発想された物語で、なるほどと思わせる。 1999年の作品なので、現在は織り込み済み何でしょうね。 社長と金融機関の関係が希薄になっている。 銀行は、訴訟を好まないというところが落とし所。 それにしても、社長になる自覚と覚悟が、きちんとしないと トップの腐敗を摘発できないものだ。 二十人近い取締役が解任されて、仕事に支障がないというのは、 この取締役は、ほとんど機能していないのかもしれない。 蒔山前社長のワンマンと言える状態で、コーポレートガバナンスが 成り立っていないとも言えそうだ。 そして、弁護士の戦いとなるのが 興味ふかい。 中林弁護士は、企業弁護士として成功者。 大木弁護士は、国際派。 弁護士の経費は、高いねぇ。 勝たなくても、お金がもらえる仕組みが、いいねぇ。 各田の手のうち方が早い。銀行に対するアプローチがうまい。 銀行の保身主義をうまく使い回す。 そして、蒔山があまりにも稚拙な個人の利益の誘導。 多分、ゴーンも グローバル化の中で、巧みにやったんでしょうが まぁ。社長の利益の独占というのは、無理がある。 各田は、うまく不正をあぶり出す。 しかし、不正をあぶり出すことは、 結果として会社の評価を落とすことになる。 仮処分、そして、少数株主。銀行は戦えない。 法定職務代理人は、次の株主総会を開くだけの役割。 定員が足りなくなった時の 仮取締役の任命。 最後の着地点が、そのまま 各田が社長に居座らないのがいいね。 企業弁護士の考えているストーリー編集能力がいいね。
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リストラ対象になった中間管理職が会社を乗っ取るというびっくりなお話。平成11年初版、今では現実となってしまった手法が駆使されている。短いが読み応えあり。
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確かにできないことはなさそうだけど、本書のように「巨悪を糾弾する」という名目がなければ早々に頓挫しそうな気がします。そして、これだけのことをやろうとするにあたっては冒頭の妻の言葉は心強い。
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旧商法時代に書かれた小説。テーマは面白いのだが、所々文章が読みにくい所があったのが残念。単なる文章の構成技術の問題ですが。会社法の勉強している人は無味乾燥な法律が身近に感じるのでオススメ。
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リストラ目前の総務部次長が株主総会で突如社長を解任し、年商二千億の会社を乗っ取った。いったい何が起こったのか?総会屋問題で揺れる日本中の大企業の経営者たちを恐怖のどん底に叩き込んだ衝撃のベストセラー早くも文庫化!現役の超一流弁護士が商法上可能な限り熾烈な攻防を描き、企業に生きる男...
リストラ目前の総務部次長が株主総会で突如社長を解任し、年商二千億の会社を乗っ取った。いったい何が起こったのか?総会屋問題で揺れる日本中の大企業の経営者たちを恐怖のどん底に叩き込んだ衝撃のベストセラー早くも文庫化!現役の超一流弁護士が商法上可能な限り熾烈な攻防を描き、企業に生きる男たちの存在理由を問う企業法律小説。
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「企業は株主のものであり、社長のものではない」 株式会社であれば、商法上の定義はこのようなことになるだろう。 社長とは「株主からの信任を受けて企業を経営している人」に過ぎないのに、誤解している輩も多いようだ。 この物語に登場する木谷産業社長の蒔山は、突然の総務部長の...
「企業は株主のものであり、社長のものではない」 株式会社であれば、商法上の定義はこのようなことになるだろう。 社長とは「株主からの信任を受けて企業を経営している人」に過ぎないのに、誤解している輩も多いようだ。 この物語に登場する木谷産業社長の蒔山は、突然の総務部長の造反に慌てふためき、再度君臨するために策を練る。 しかし既に弁護士を巻き込んだ総務部長は、法律上で理論武装を既に終えている・・。 このやり取りがスピード感にあふれて、思わず読みふけっていた。 弁護士の立場、取引銀行の立場、労働組合の立場・・様々な思惑の交錯。 そして法律の解釈など、なかなか普段は接しない分野も多少理解できるし、非常に刺激的な小説だった。 (この小説が上梓された後に、会社法などで商法が変更になったのかは知る由もないが・・) 総務系の仕事をしている人には、バイブルになる小説かもしれない。
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