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吉野弘詩集 の商品レビュー

4.3

33件のお客様レビュー

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2016/03/09

疲れた時に最近詩集を開く。 娘に送った「奈々子に」、昔一度読んだ「夕焼け」、 命のつながりをうたった「生命は」と結婚についてよんだ「祝婚歌」 そして「自分自身に」。 “少しの気恥ずかしさに耐え少しの無理をしてでも、淡い賑やかさのなかに自分を遊ばせておくがいい”か。

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2015/07/11

平易な言葉を丁寧に紡いでいる。 読み手によって好みはあるだろうが、有名な『I WAS BORN』よりも、『初めての児に』『夕焼け』『祝婚歌』に胸を打たれた。 年を重ねるとまた違った響き方をするのだと思う。

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2015/04/03

生活の中で、気持ちが塞ぎ込んだりある物事に対してどう振る舞えば良いか解決の糸口が見えず心が晴れない場面がある。そういった様々な考えや悩みを横に置いて、肩の力を抜いて目の前の靄を晴らしたい時に手にしたくなるのが吉野弘さんの詩。 柔らかで優しく時に軽快な言葉の数々と、広々とした自然の...

生活の中で、気持ちが塞ぎ込んだりある物事に対してどう振る舞えば良いか解決の糸口が見えず心が晴れない場面がある。そういった様々な考えや悩みを横に置いて、肩の力を抜いて目の前の靄を晴らしたい時に手にしたくなるのが吉野弘さんの詩。 柔らかで優しく時に軽快な言葉の数々と、広々とした自然の豊かさをもって、気持ちをすっきりさせてくれます。 個人的に好きな「生命は」「祝婚歌」が収録されていて購入したものの、他にも家族の温かなひと時を切り取った「一枚の写真」や京都・北野天満宮の祭神に思いを馳せる「菅公は超多忙」など、知らなかった魅力も知れる良い1冊でした。 余談ですが、自分を鼓舞し背中を押されたい時には茨木のり子さんの詩を手に取ります。

Posted byブクログ

2015/04/02

ありふれた日常の中から宝物を見つけ出し、研ぎ澄まされた言葉でそれを提示する。その言葉たちはときに我々を容赦なく切りつけ、ときに優しく抱擁する。そんな言葉の魔術師ともいえる存在が吉野弘さんだ。そして、そんな吉野さんの作品を集めたのが本書になる。

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2015/03/27

「歌詞をSNSで紹介したら、著作権の侵害で法律に触れる可能性があるから、しない方がいいですよ」 以前親しい友人から忠告されたことがある。 「もしそうだとしても、ボクは断固として紹介するよ。それで法律に触れたら、そのときに考える」 私はそう答えた。 (法的には親告罪であって、訴えら...

「歌詞をSNSで紹介したら、著作権の侵害で法律に触れる可能性があるから、しない方がいいですよ」 以前親しい友人から忠告されたことがある。 「もしそうだとしても、ボクは断固として紹介するよ。それで法律に触れたら、そのときに考える」 私はそう答えた。 (法的には親告罪であって、訴えられた時は著作権侵害になるらしい) 詩は、紹介され、引用され、繰り返し朗読されて初めて詩になるのだ。私はそう信じている。 宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は手帳のメモだった。詩になったのは、谷川徹三さんが紹介して、人々から引用され、私がこの40年の間に何百回も暗唱しているから、名詩なのだ。 吉野弘の「祝婚歌」は、おそらく今まで何万回も祝いの席で朗読されているだろう。 名詩は今頃になって丸善で売り上げ一位になったりするから名詩なのではない。今回初めてこの詩集で知った「初めての児に」「紹介」「夕焼け」「自分自身に」「冷蔵庫に」をこれからも私は紹介することもあるだろう。或いは前から大好きだった「生命は」を私は名詩にするのだ。

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2014/05/27

知人のおススメで読みましたが、 いや~!良かった。 以下に一番好きな詩を抜粋。 ============ 夕焼け いつものことだが 電車は満員だった。 そして いつものことだが 若者と娘が腰をおろし としよりが立っていた。 うつむいていた娘が立って としよりに席をゆずっ...

知人のおススメで読みましたが、 いや~!良かった。 以下に一番好きな詩を抜粋。 ============ 夕焼け いつものことだが 電車は満員だった。 そして いつものことだが 若者と娘が腰をおろし としよりが立っていた。 うつむいていた娘が立って としよりに席をゆずった。 そそくさととしよりが坐った。 礼も言わずにとしよりは次の駅で降りた。 娘は坐った。 別のとしよりが娘の前に 横あいから押されてきた。 娘はうつむいた。 しかし 又立って 席を そのとしよりにゆずった。 としよりは次の駅で礼を言って降りた。 娘は坐った。 二度あることは と言う通り 別のとしよりが娘の前に 押し出された。 可哀想に 娘はうつむいて そして今度は席を立たなかった。 次の駅も 次の駅も 下唇をギュッと噛んで 身体をこわばらせて――。 僕は電車を降りた。 固くなってうつむいて 娘はどこまで行ったろう。 やさしい心の持主は いつでもどこでも われにもあらず受難者となる。 何故って やさしい心の持主は 他人のつらさを自分のつらさのように 感じるから。 やさしい心に責められながら 娘はどこまでゆけるだろう。 下唇を噛んで つらい気持ちで 美しい夕焼けも見ないで。

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2014/04/20

内容(「BOOK」データベースより) 社会のあり様や働き人の暮らし、家族の営みや自然の移り変わりを、日々を生きる者の飾らない眼差しでとらえ、深く柔らかくそしてユーモラスに練り上げた言葉でうたう詩人・吉野弘。名詩「I was born」や「祝婚歌」など、やさしく誠実な者たちの魂の...

内容(「BOOK」データベースより) 社会のあり様や働き人の暮らし、家族の営みや自然の移り変わりを、日々を生きる者の飾らない眼差しでとらえ、深く柔らかくそしてユーモラスに練り上げた言葉でうたう詩人・吉野弘。名詩「I was born」や「祝婚歌」など、やさしく誠実な者たちの魂の重力を探った戦後五十年にわたる詩群のなかから代表作品を選び、季節・生活・言葉遊びなどテーマごとに配置する。

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2014/03/09

I was bornを教科書で知り、衝撃と切なさを同時に感じ、すごいものを読んでしまったと思ったけれども、誰が書いた詩なのかも曖昧なままそれきりになっていた。吉野弘を知ったのはもっと後で、映画「空気人形」のなかで「生命は」が読み上げられるシーンで大泣きした時。再び吉野弘の詩に感動...

I was bornを教科書で知り、衝撃と切なさを同時に感じ、すごいものを読んでしまったと思ったけれども、誰が書いた詩なのかも曖昧なままそれきりになっていた。吉野弘を知ったのはもっと後で、映画「空気人形」のなかで「生命は」が読み上げられるシーンで大泣きした時。再び吉野弘の詩に感動した。 心を揺り動かされた二作を手元に置いておきたくて買ったけれど、どの詩もよかった。 「夕焼け」の美しさや、優しい女の子に対するまなざしのあたたかさなど。読み進めるうちに少しずつ心がじんとしていく。 また、漢字遊びがたまらなくおかしい。 『自我を折ることが出来て 初めて祈ることが出来る』(折と祈) 人のあるべき姿を、漢字を通して教えられている気がしてハッとした。

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2013/08/20

名前だけしか知らなかったけど図書館でこれと目が合ったから読んでみた。先にひとこと言うなら夏の夕暮れのなかの帰り道に歩きながら読むに相応しい作品だった。 平易な言葉でありふれた日常の隙間を埋めているという印象をうけた。難解なものよりこうした視点で語られるものが詩なのかなと改めて思わ...

名前だけしか知らなかったけど図書館でこれと目が合ったから読んでみた。先にひとこと言うなら夏の夕暮れのなかの帰り道に歩きながら読むに相応しい作品だった。 平易な言葉でありふれた日常の隙間を埋めているという印象をうけた。難解なものよりこうした視点で語られるものが詩なのかなと改めて思わされた。こちらの視線まで透き通ってきたのではないかと多いなる勘違いをさせてくれた。俺は漢字遊びなど好みではないものも多く載っていたけれど読んでよかったなとしみじみと久々に思った。 奈々子へ、譲る、父、祝婚歌、夕焼け、早春のバスの中で、白い表紙が好き。父、夕焼けは特に素敵だった。

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2012/10/30

映画「空気人形」で「生命は」という詩と出会って、この大きくて優しい、世界を包み込むような視点で書かれた作品は、一体どんな人が書いたのだろうってすごく気になって、この詩集を手にしました。「夕焼け」を読んでみたら、タイミング・内容ともにストレートにその時の自分のど真ん中に入ってきて、...

映画「空気人形」で「生命は」という詩と出会って、この大きくて優しい、世界を包み込むような視点で書かれた作品は、一体どんな人が書いたのだろうってすごく気になって、この詩集を手にしました。「夕焼け」を読んでみたら、タイミング・内容ともにストレートにその時の自分のど真ん中に入ってきて、思わず図書館で涙をこぼしそうになったほどです。一度きりの人生、大切に生きなくちゃ・・・と心に誓いながら、世の中の混沌とか矛盾とかを素直に受け入れられるような気持ちになりました。

Posted byブクログ