スウィート・メモリーズ の商品レビュー
今さらながら「あまちゃん」は本当にいい。そう思えるのは、あのドラマが高校生の天野アキ1人の物語でなく、ばあちゃんの夏ばっぱや、ママの春子の物語が並行しているからだ。そして世代の異なる三世代の登場人物がそれぞれに悩みながらも、夏ばっぱがアキにバトンを渡したかと思えば、その逆にアキが...
今さらながら「あまちゃん」は本当にいい。そう思えるのは、あのドラマが高校生の天野アキ1人の物語でなく、ばあちゃんの夏ばっぱや、ママの春子の物語が並行しているからだ。そして世代の異なる三世代の登場人物がそれぞれに悩みながらも、夏ばっぱがアキにバトンを渡したかと思えば、その逆にアキが夏ばっぱにバトンを渡し、それを受け取った夏ばっぱが生き方をさらに広げるかのようなシーンが見られるからだ。 この本に出てくるおばあちゃん、ママ、シェルビーも同じだと思う。私は自分の娘が夏休みの間に読書感想文を書くのに適した本を見つけようとして、小学校高学年の女の子が主人公の物語を年齢不相応に立て続けに読んでいる(笑)。だが、この本は決して少女の物語だけでは収まらないと途中で気づいた。 例えば、シェルビーはイラストを描くのはちょっとした自信がある。だけどコンテストに出展したり、人から「描いて」とか言われるのは大きらい。なぜなら変に人前に出されて目立って…とかしたくないから。でも人前で何も言えない引っ込み思案というのとは少し違う。実際、おばあちゃんが原因で楽しみにしていた自分の誕生日パーティーがご破算になったとき、ママやおばあちゃんに対してですら、自分の感情を直接的な言葉にして出すのに躊躇しない。おばあちゃんもいくら具合が悪いといっても、シェルビーの持って行き場のない不機嫌さは伝わった。でもここでおばあちゃんが年長者としての威厳を振りかざして暗に圧力をかけるような性格で、かつ、孫も自分の感情を放出しっぱなしで周りが見えなくなる性格ならば、物語はここでジ・エンド。 だがここからのおばあちゃんの描かれ方がとてもいい。孫のためにできることって何?と考えたときに、スーパーウーマンでも何でもないおばあちゃんが唯一と言ってもいい「持っているもの」をシェルビーに見せようとする。――詳しくは書かないけれど、それが「スウィートメモリーズ」。おばあちゃんからそれを見せられたシェルビーに心の変化が訪れ、心の変化が見て分かるくらいにいい感じに現れてきた孫を見ていたおばあちゃんも心が清澄に洗われていく展開は本当に読みごたえがある。 つまりこの本は、少女シェルビーがおばあちゃんのスウィートメモリーズへの共感に目覚めるところと、もう一方で、おばあちゃんがシェルビーの幼いけれど若々しい息吹に共鳴して、自分の新しい生き方に目覚めるところとの複線的かつ重層的な構造であり、それは少女だけが主人公の小説にはないものだ。 ということは、この本は子ども向きという小さなカテゴリーに収まるものではない。大人が読んでも自分の生き方に直接響き、深い感銘を得られる「おとなの本」でもあるのだ。 それと、挿画を描いたのは日本人の「ささめやゆき」さん。表紙を見たらわかるように、太い描線で版画風のオールドファッションドな画風だが、デザイン性とかは新しく、決して古臭くない。そして何よりもこの作品の世界観に合っていて、この本の評価を高める要因になっている。 最後に、この本の裏表紙を見ると「第46回青少年読書感想文全国コンクール課題図書」と書いてある。今年(2023年)が第69回だから、ちょうど2000年のときのものかな。
Posted by
おばあちゃんのお見舞いで誕生日会が中止となりふてくされる主人公。誕生日プレゼントに古いカメラをもらったことで、おばあちゃんとの関係に変化が訪れる。
Posted by
主人公が思春期まっさかりなので、 読んでいてちょっとイライラするかも。 課題図書だったらしく、 ちょっとずつ教訓めいたことが散らばっていたりします。 それでも、オチがとても素晴らしくて泣いてしまった。幸せな気持ちになれます。ぜひ読んでほしい作品。
Posted by
実家に帰ると、掃除して見つけた本。 児童向けの本でも読んでみようかなと手を取ってみた。 普段本を読まない私からするとテンポもちょうどよくさくさく読めた。主人公の女の子の気持ちも、あー、分かる〜〜!あの頃特有の女の子の気持ちとか思い出しながら読めた。 おばあちゃんと孫のあの関係性イ...
実家に帰ると、掃除して見つけた本。 児童向けの本でも読んでみようかなと手を取ってみた。 普段本を読まない私からするとテンポもちょうどよくさくさく読めた。主人公の女の子の気持ちも、あー、分かる〜〜!あの頃特有の女の子の気持ちとか思い出しながら読めた。 おばあちゃんと孫のあの関係性イイね! 思い出が未来に繋がる感じ!今があるのは過去があるから、未来をワクワクさせれるのは今があるから! 来年転職活動しようと計画中。頑張ろうっ!!って思わせてくれてサンキューーーーー!
Posted by
引っ込み思案のシェルビーは折角の誕生パーティがおばあちゃんの見舞いでなくなってしまったことに拗ねてしまう。おばあちゃんから古いカメラを貰ってもいじけるばかり。しかし古いアルバムを見せられそこに写る若き日のおじいちゃんやおばあちゃんの話を聞く内におばあちゃんに対する気持ちが変わって...
引っ込み思案のシェルビーは折角の誕生パーティがおばあちゃんの見舞いでなくなってしまったことに拗ねてしまう。おばあちゃんから古いカメラを貰ってもいじけるばかり。しかし古いアルバムを見せられそこに写る若き日のおじいちゃんやおばあちゃんの話を聞く内におばあちゃんに対する気持ちが変わってくるのだった。 あっさりとした話ですが、心に残るものでした。シェルビーとおばあちゃんお互いがお互いの後押しをする役目を知らず知らずに行なう様が素敵です。思いもよらぬアクシデントで落ち込むおばあちゃんを慰める為にシェルビーが行なうことも、憎いばかりに素敵なんですよね。素朴だけど力強い物語でした。
Posted by
引っ込み思案で、ちょっと拗ねている女の子がおばあちゃんと話すことで変わっていく。不幸な出来事で落ち込んでいるおばあちゃんを元気づけようと自分から行動していくようになります。とても優しく、前向きになれるよう手助けしてくれる物語です。
Posted by
いい話だった。おばあちゃんの具合より自分のお誕生日会の方が大事だったシェルビーはお母さんのおばあちゃんの気持ちも考えられない。 しばらくおばあちゃんとすごし、昔の思い出を聞いているうちに家族にも興味を持ち始める。 最後におばあちゃんに贈ったものは本当に素敵。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シェルビーは、引っ込み思案な女の子。 パパからイラストコンテストに応募してみないかと言われても、その気になれない。(得意な絵ですら) 楽しみにしていた誕生パーティが、おばあちゃんのお見舞いのため、つぶれてしまう。 おばあちゃんの前で、ふてくされて悪態をつくシェルビー。(その気もちもわかるけれど) そして、おばあちゃんから古いアルバムを見せられ、古いカメラをプレゼントされて気分はもう最悪。 でも、おばあちゃんからアルバムにおさめられた家族の話を聞くうちに気もちが変わっていく。 なぜって、そこにはシェルビーの知らないひいおじいちゃんやおじさん、まだ少女の頃のおばあちゃんの、確かな生きた証があったから。 だけど、おばあちゃんの家が火事になり、大切なアルバムも全てが燃え尽きてしまう。 気落ちするおばあちゃんに、シェルビーは手作りのアルバムを作って手渡す。 そして、そのアルバムの最後のページには、前のアルバムにはなかった大学の卒業式でのおばあちゃんの絵が描き加えられていた。 大学へいくというおばあちゃんの長年の夢はまだ叶えられていなかったから。 シェルビーって、なかなかやるよね。 シェルビーがおばあちゃんを後押しし、シェルビーもまた一歩を踏み出した。 題名のごとく、心に灯りがともるような印象深いお話でした。 文量も少なく一気に読めます。
Posted by
”光をともせ” きっと、この光は、おばあちゃんにとってみたら、”歌うこと”で、シェルビーにとってみたら、”絵を描くこと”なんだと思う。この”光”は自分ひとりにしかない才能。これを自分のためだけに使うんじゃなくて、誰かを喜ばせるために使うこと。これをおばあちゃんはいいたかったんじゃ...
”光をともせ” きっと、この光は、おばあちゃんにとってみたら、”歌うこと”で、シェルビーにとってみたら、”絵を描くこと”なんだと思う。この”光”は自分ひとりにしかない才能。これを自分のためだけに使うんじゃなくて、誰かを喜ばせるために使うこと。これをおばあちゃんはいいたかったんじゃないかな。 何回も読み返した。 この本の翻訳家の講演会の時に手にしたもので、本に対する思い入れが大きい。
Posted by
テスト前だからと、さかさか読める本を探して、休み時間だけで読み終わった伝説級に読みやすすぎる本。…だ、そうだ。以前の私の読書記録より。
Posted by
- 1
